店主日記

  • カタツムリ 2026年06月29日

     出勤前に、妻が眠る公園墓地に行くのが私の毎朝の日課だ。墓石に向かって昨日の出来事や、今日の予定などをぼそぼそと妻に話す。妻の顔が墓石の中に見えて心が安らぐ。何もかも、辛いことも苦しいことも悲しいことも寂しいことも忘れられる瞬間だ。

     

    カタツムリ おや、今日もいるんだね。墓石の南無阿弥陀佛と刻まれた佛の字の中に、昨日から見かけたカタツムリが今日もいた。いつぞやは、花立の花の中にじいっとしている青いアマガエルを見かけた。その子も、花の茎の間に何日も何日もとどまっていた。そっとしておいてあげよう。生き物を見るとつい、そう思ってしまう。

     

     再び車に乗ってラジオを聞いた。シニア世代がどのようにして仕事を見つけるかと言うテーマらしい。年金だけじゃあ心細いし、そして生きがいも感じたいから、と言うことらしい。そのシニア世代の中に、こんな女性がいた。

     

     会話力と、深夜勤務可能と言うことで採用されました。タクシードライバーである。タクシードライバーは女性が向いている、そうなのである。何度も入院治療して回復したが、52歳の暮に病で倒れて会社を首になった時、心房細動さえなかったら、今私は、タクシードライバーだっただろうな。私は、全日本交通安全協会より、「交通栄誉章緑十字同章」を与えられている。

  • ユニゾン 2026年06月25日

     昨日は定休日だったが、来客予定だったので朝から出勤した。来客のお客様とは、先月の15日にこの店主日記に登場していただいた明るい笑顔の女性だ。30分ぐらいだっただろうか話した。明るい笑顔の人。でも、今日は優しい笑顔の人と表現することにした。

     

     仕事終えて、ドライブへと出発した。とにかく今日は走ろうと思った。山間の集落を縫って走ってみたい。安来市の道の駅「あらエッサ」で体調を整えた。大き目の缶コーヒーを買った。さあ出発だ。雨のためか低気圧のためか、晴れない心を今日は晴らそうと思った。

     

    嵩山 日南町の道の駅「にちなん日野川の郷」でトイレ休憩をした。国道183号線をしばらく走った後、314号線に乗り替えて横田町に入った。三成駅前を通り三刀屋町に出て宍道町から宍道湖を眺めながら帰ってきた。走りっぱなしだったからか心地良く疲れた。だから夕食は弁当にしよう。いつものスーパーで天ぷら弁当を買うことにした。 

     

     早めの夕食を終えた。焼酎のお湯割りを飲みながらリュックの中から不動産日記を取り出した。最後のページに野口五郎の「甘い生活」の歌詞がメモしてある。これを覚えようとして何回も何回も一人歌った。ハモることなどできないけれど、ユニゾンならできるかも。ドライブの時に、この歌が好だった助手席の妻と一緒に歌いたい。

     

     写真は、山陰合同銀行本店ビルの14階の展望室から眺めた嵩山と和久羅山の風景。

  • 人権 2026年06月23日

     昨日息子にこんなハガキが届いた。「島根県人権問題県民意識調査」ご協力のお願い、と。中に、Q&Aが二つあって、その一つのAにこう書かれていた。本人の回答が困難な場合は、回答いただかなくて構いません。と。今朝になって、問い合わせ先に電話した。

     

     私の息子は、重度の知的障がいと重度の自閉障がいがあるので回答は困難です。私が代筆することはできませんかと。答えはこうだった。できません。じゃあ、息子の人権は無視されるのですね。人権啓発推進センターは、息子の人権を無視するのですね。息子のことを一番理解している私が代弁しようとしてるのに、息子は何も主張できないのですね。・・・その解答にはしばらく時間をくれということなので今電話を待っている。

     

     息子が小さい頃、自閉症と診断された。それ以来、私は息子の障害を主張してきた。できるだけ世間に広く、自閉症と言う障害を知ってもらおうとそれなりに頑張った。さっき、息子のために昔新聞の読者欄に投稿した新聞のコピーを読み返してみた。どれもよく書けている。私も捨てたもんじゃない。30年ほど以前の新聞は、私を泣かせた。

     

     午後になってしばらくして電話での回答があった。代筆で結構ですと。母が大好きだった息子へ。おとうが代筆する。お前の主張をおとうが代筆する。

  • 宍道湖 2026年06月22日

     また支払いの月末がやってきた。午前中のうちに松江イオンのATMコーナーに出かけた。ここで米子信用金庫の通帳3通の記帳、そして調節。山陰合同銀行のは、ここはお客さん多いから本店に行くことにした。業者への支払いもあったので全て完了した。

     

    宍道湖 山陰合同銀行の本店ビルの14階に展望室があって、ここから松江市街地と宍道湖がほぼ360度見渡せる。県外や、遠方からいらっしゃったお客様に、物件案内の途中など、時間があれば時々ここにお連れすることにしている。せっかく来たんだから、久し振りに寄ってみようと思った。

     

     東方の嵩山も和久羅山も低く垂れ込めた雲をかぶっていた。西方向に回ると波ひとつない宍道湖が雲の色をそのまま鏡にして映していた。こんな空模様が一昨日の夕方から続いている。

     

     天候は、人の心を揺さぶる。昨夕、酢の物にと夏野菜を刻んでいた。台所に立つといつもそうなのだが、昨夕は特に強く妻のいない寂しさを思った。そして今朝もその気持ちを引きずっていた。するとなぜか、いつだったか娘が言った言葉を思い出した。「再婚したら」。俺妻を愛してる。今だって、これからも。ずうっとずうっと。・・・宍道湖を眺めながらそう誓ったら心安らいだ。

  • やっと梅雨 2026年06月20日

     入梅して、好天で暑い日が続いていたのに今朝は雨。昨夜ムシムシと蒸し暑かったのに気温も下がってきた。朝、ポロシャツ一枚で出勤したのに、寒くならないだろうか。そう思って心配したが、ある程度下がったところでストップ。着替えに帰らなくていい。

     

     気圧が急に低くなったからだろうか、気になる仕事がひとつあって、それが心配で心配でたまらなくなった。どんな心配事でもこんなにおじけづくことないのに、今日はどうしてだろう。朝そう思っていたが、昼になったらケロッとしてきた。年齢は気圧の変動にも、ついていけないのかもしれない。

  • 赤ちょうちん 2026年06月17日

     「昼まで寝るぞ」。昨夜そう思って床に就いたのに、9時30分に目覚めてしまった。作家でもあり、医師でもある渡辺淳一氏の、昔読んだ小説に、眠るのにも体力が要る。そんな一説があったのを思い出した。そして納得もした。

     

     部屋に、掃除機をかけた後、予定通り奥出雲町に向かって車を走らせた。正確に言えば、仁多郡奥出雲町三沢である。私は昭和25年3月3日、この地に誕生して、中学を卒業するまでここで育った。ここで暮らしたのはたった15年だが、ここへ来ればなぜか心安らぐ。

     

    仁多へ 兄嫁が一人で暮らす家に行くことなどできやしない。先祖が眠る、共同墓地に直行することにした。線香を手向けた。父さん、母さん、あんちゃん、久し振りだねと石塔の前で額ずいた。年に何回かは訪れてはいるが、本当に久し振りな気がした。父の、母の、兄の顔が浮かんできた。

     

     懐かしんでいるうちに、ふと何かが私の心に飛び込んだ気がした。そしてこう思った。そうだね、俺甘えていたんだね。自分の人生に、境遇に。だから苦しかったんだね。そうだよね、しっかり生きて行かなくちゃあね。しっかり生きて行きゃあ、楽になれるよね。楽しくもなれるよね。俺、馬鹿だったよ。有難うね。今日、ここに来てよかった。

     

     三成駅にも行ってみた。阿井を通って、広島県の高野町に出て、松江道を帰路に着いた。吉田掛合ICで国道54号線に降りた。CDが「かぐや姫」の「赤ちょうちん」に替わった。何度も、何度も繰り返しこの歌を聴いた。「あんたこの歌好きなんやなあ」。助手席で笑う妻の関西弁が聞こえてきた。

  • ホルムズ海峡波高し 2026年06月16日

     昨日、私がある店舗を紹介したお客様がやってきて言う。お客さん少ないから店閉めようと思っていると。ホルムズ海峡の嵐の影響はこんなところにもと思った。トランプ大統領は、イランとの戦闘停止に向けて合意したと発表したというが、真実なら歓迎したい。誰かの気違いじみた行動で世界中の経済はガタガタになったんだから。

     

     先ほど、市役所の障がい者福祉課に行って息子のための手続きをしてきた。その行きと帰り、違う道を車で走ってきた。そして、何軒かのコンビニの駐車場を確認した。どの店も、駐車の車は少なかった。購入価格が低いコンビニにも、影響はあるのだろうか。みんな物価高にたじろいでいる。みんな不況におびえている、そんなふうに思った。

     

     明日は定休日、遅くまで寝て体力を取り戻そう、まるまる休めた定休日はなかったのだから、明日は思いっきり休もうと思う。午後は故郷に向かって車を走らせよう。帰る家はないけれど、故郷は心安らかにしてくれる、そんな安定剤的な暖かさを含んでいる。ただ車で走るだけだけど、なぎさ、君も一緒に行くんだよ。

  • 宍道湖一周 2026年06月14日

    宍道湖 一昨日昨日とあんなに好天で暑かったのに、今朝はどんよりと曇って肌寒いくらい。だからだろうか、それとも。昨日妻が好きだった野口五郎さんの歌、「甘い生活」を聴いたからだろうか、心がしんみりとしてしまってたまらず、宍道湖一周のドライブに出かけた。そう、懐かしくて、そして恋しくて昨夜何度も何度も繰り返し、スマホで聴いたから。

     

     宍道湖一周は左回りで行くことにした。その方が、湖が近くに見える。波一つない鏡となった宍道湖は、空を低く埋めつくした雲の色をそのまま映していて今日の湖面の顔も面白いなと思った。そしてどうしたら心が晴れるだろうか、今度の水曜日の定休日には故郷に車を走らせようか、そんなことを宍道湖の風景をぼんやりと眺めながら考えていた。

  • 甘い生活 2026年06月13日

     今朝起きるのが辛かった。疲れたのだろうか。いや、そんなことはない。昨日も普通に仕事していた。じゃあどうしてこんなにも起きるのが辛いのだろうか。今日は松江市の最高気温が29度になると予報は言っていた。気温の変化によるものかもしれない。

     

     そんな訳で、事務所にいても体が気だるい。こんな時は、なあ君。とついどこにも居ない妻に呼びかけてみる。そしたら急に、野口五郎さんが昔歌った「甘い生活」が聞きたくなって、スマホに登録してある検索記録を指で押した。そう、「私鉄沿線」と、「甘い生活」は直ぐ聴けるように。

     

     「あなたと揃いのモーニングカップは このまま誰かにあげよか」、と五郎さんの甘い声が聴こえてきた。懐かしさが心を覆った。ドライブの助手席で、妻がよく口ずさんでいた野口五郎。特にこの、「甘い生活」は好んでいたようだ。声が聞こえてきた。助手席の姿が見えてきた。口ずさむ横顔がそこにある。ああ、なんて懐かしいのだろう。

  • 小銭入れ 2026年06月11日

     一昨日と昨日は月一度の連休だったのに、火曜日は息子の見舞いに出雲市の病院に行った。昨日は賃貸借契約があったので出勤して、仕事終わったのが午後2時。家に帰って部屋の掃除をして買い物に行って4時過ぎから飲んだ。休まなかったせいか、今朝出勤してきて、気持ちがあらぬところで漂っている。

     

    小銭入れ 今日は移動販売のパン屋さんの来る木曜日だ。小銭あったかなあと、今朝穿いてきた細身のジーパンのポケットから小銭入れを出した。中身はいっぱい詰まっていたが、この小銭入れもくたびれたなあと思った。茶色い革製で可愛かったのになあと新品の頃を思い出していた。

     

     ある日の夜、嵐のライブに行って東京から帰ってきた長女が、はい、と言ってこれをくれた。見れば可愛い小銭入れだった。有難うの一言しか言えなかったが、気持ちはその何十倍も嬉しかった。私を親父としてとらえていてくれる、そう思った。

     

     もう、10年以上毎日持ち歩いているからかもしれない。革製だった表面の皮はほぼ剥げ落ちた。が、捨てる気にはならないから、見た目恥ずかしいから、小銭を手渡すときに今日来るパン屋さんにも言うつもりだ。娘が買ってくれたものだから、と。

  • コバンソウ 2026年06月10日

    コバンソウ 妻が眠る公園墓地の片隅に小判型の小穂を見つけた。小判に似てるから、コバンソウと言うらしい。別名タワラムギ、米俵にも似ている。夏に青い小穂をつけるらしいから、そのまま冬を越し、ドライフラワー化したのだろう。原産はヨーロッパで、明治時代に観賞用として日本に持ち込まれたらしい。

     

     子供の頃を思い出した。田んぼのあぜ道に咲く?咲くと言っていいのだろうか、これは花なのか。???。このコバンソウを見つけて喜んだ。江戸時代を描いたテレビドラマに小判が登場したからかもしれない、これを見つけると、心が裕福になったものだ。

     

     今日は水曜日で定休日だ。だが、県外から松江市に引っ越ししてくる人の、契約事務手続きがあるかもしれないから定時に出勤してきた。そして今、インスタントコーヒーを飲みながらこれを書いている。外はすばらしいほどの天気、ま、世の中はこんなものだ。でもこの不景気な時、仕事があることを喜ばねばならない。

  • 気だるいなあ 2026年06月06日

     一昨日、中国地方は梅雨入りした。昨日は肌寒かったのに、今日は朝から暑い。この頃、そんな天候が繰り返されている。気温の乱高下だ。肌寒い日はまだ良いが、今日のように朝から暑い日は参ってしまう。体が気だるくて、しょうがないのだ。

     

     先日の水曜日の定休日、久し振りに朝から一日中休んだ。朝は遅くまで寝て、午前中は部屋の掃除をした。埃をかぶっていた妻の仏壇もきれいにした。すまんな、何日もほったらかしにして。ほんとにごめんな。午後から美保関に行ってみようよ。車の運転は俺がするからさ、君は助手席でのんびりすればいいよ。

     

     遠回りだが、いつものように安来市から米子市に入った。鳥取県道47号線を境港市に向かって北進する。やがて米子空港が近づいてきて、境港市に入る。と直ぐに鬼太郎メロディーロードがやって来る。ゲゲ ゲゲゲノゲーと鬼太郎のテーマソングを車のタイヤが奏でる。 

     

    酒壺 私はこれが好きで、この道をよく走る。タイヤがアスファルトを打ち付ける時、舗装の工夫で音楽が鳴る仕組みになっている。その日によって、聴こえ方が違うのも面白い。雨の日はより大きくよく聴こえた。雨上がりで、雲が低いせいか、今日もよく聴こえる。

     

     車はやがて境水道大橋を渡って再び松江市に。橋は円を描くので左折することになる。島根半島の最東端の美保関を目指す。いつもの無料駐車場に車を停め、青石畳通りを二人で歩く。俺たちよく来たね。でも来る度に、新しい発見があるね。今日はあんな壺が置いてある。きっとお酒入れるんだよ。

  • 心模様 2026年06月02日

     昨日は真夏のような暑さだったのに、今日は雨が降って肌寒い。低気圧は私の心をゆさぶる。孤独の淵に突き落とされたような気持になる。だから、どうして私はひとりぼっちになっちゃったんだろう。どうして妻は死んじゃったんだろうって思ってしまう。先ほど、日記「かあちゃんの詩」を継ぎ足した。こんな心模様の日は、作文したくなる。

     

     事務所前を走る車が、路上にたまった雨水を轢いていく。そのスピードや、車の大きさだろう、水が奏でる音はそれぞれに違う。長くひきずる音、短く刻んだ音、音域の高い音、そして低い音が換気用に開けた窓ガラスから飛び込んでくる。それをぼんやりと聞いていた。

     

     今朝、ラジオでNHK第1放送の「ふんわり」と言う番組を聞いていた。私は好きで、この番組をよく聞く。その中で、「まいにちリクエスト」と言うのがあって、6月2日に聴きたい歌を募集していたらしい。今日この日だから聴きたい歌なのだろう。

     

     今日は妻の誕生日だからと、妻に感謝、ありがとうと言って二人の男性が妻に聴かせたい曲をリクエストしていた。その曲が2曲流れていった。なにも今日のこんな私の心模様の日に、それはないだろうと思った。私には、聴かせる妻もいないのに。

     

     以前、ある男性が私に言った。おかしいなあと。奥さんが亡くなったらみんなはっちゃけるのになあ、と。私もいつか、きっとそんな日が来るだろうと思っていた。でも、もう8年も過ぎるのに、叶わぬ恋心は募るばかり。でも私には思い出がある。誰にも負けない、幸せだった思い出がある。だからいつも妻と話している。夕方早めに帰るから、待っててねって言って出かける。帰ったよ、もう寂しくないからね、と。

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