店主日記

  • 手紙 2020年08月31日

     手紙と題したこの店主日記は三度目だ。一度目は昨年の6月9日に娘に書いて出した手紙のこと。次は同じく25日に神野美伽が歌う「手紙」という歌のこと。そして今日はまた娘に書いた手紙のこと。娘への手紙は3度目かな、4度目かな。

     

     末娘は私のことがあまり好きではないらしい。と言うより嫌がっている面がある。だから、あまり話もしない。長女に聞いてみた。あいつは何で俺のことを嫌うのだろうって。そしたら言う。そっくりなんだよ。そっくりすぎるからだよって。

     

     だけど、娘が好きなのだ。結婚が遅かったから、歳の離れた子ではある。孫と言ってもおかしくない。だから余計、可愛く感じるのかもしれない。先日頂いた全国百貨店共通の商品券がある。それを口実に手紙を書いた。元気で暮らしているかって。これ何かに使えって。

     

     手紙と言えば、妻との文通時代を思い出す。届けば返す。お互いがそうだったから一週間に一度は妻からのを読んだ。私から出したのすべてを、妻は嫁入りの時に持って来た。今も木箱に収めてある。私の手紙だがまた読んでみようと思う。

     

     そんなこと考えていたら思い当たったことがある。私の葬儀に使う写真がない。今から自撮りでもしておこうか。でも、私は笑顔が苦手だな。どうしよう。・・・いや、あるよ。妻との結婚式の写真が。二人で撮ったいいのがある。二人並んだ写真を使おう。私の葬儀はまた妻と一緒になれる結婚式だ。娘にそう伝えておこう。

  • 猛暑は続く 2020年08月29日

     朝起きてエアコンを消してカーテンを開け、窓ガラスも全開にする。ムウっと暑い空気がなだれ込んでくる。まだ6時だというのに。瞬間に気持ちが沈んでいく。うんざりと萎えていく。今日も暑いんだと知るから。9月の3日まで松江は猛暑が続くらしい。

     

     昨日、安倍総理が辞任した。残念がる人、もっと早くにと言う街の声がテレビで流れていた。アベノミクス、女性活躍、地方創生、一億総活躍、人づくり革命と花火は打ち上がった。けれど、そのすべては花開かなかった。コロナ対策の国会さえ開かなかった。自営業の私にとって、国会が開催されず、日本の向く方向性の情報が入らないのは厳しい。先が見えないからである。どう振舞うかの判断ができないのである。病は辛いだろう。苦しいだろう。気の毒に思うけれど、もっと早くに決断してほしかった。最長政権にこだわったのは、政治の私物化でしかない。

  • 生姜焼き 2020年08月27日

     出雲市の入院中の息子にも会えないし、暑さが激しすぎてドライブも疲れるし、どうしても松江市内での行動になる。定休日の昨日、まず、月末支払いで女性の友達と会話する。お墓に行ったら近くのお墓の奥さんと会って話す。銀行に行って知り合いのカウンターの女性と冗談を言い合う。ボウリング場で知り合いの中年の女性とひと言ふた言。花屋さんでも。私って、女性が好きなんだなあって思う。

    生姜焼き

     

     定休日の楽しみの一つに夕食がある。何を作ろうかと悩むも楽しい。暑いから、スタミナがつくものが食べたいな。そうだ、豚肉の生姜焼きはどうだろう。それに決めた。スーパーに、それにあった肉がないのでとんかつ用のをスライスした。これで十分。ご覧あれ、こんなにもうまそうなのの出来上がりだ。

  • 夏は終わったけど「青い夏」 2020年08月25日

     猛暑が続く。とおに立秋はすぎていったのに猛暑が続く。バイクの郵便配達員さんが目の前にいる。後ろのバッグからタオル出して顔の汗を拭いている。シャツは汗に濡れて背中に張り付いている。まだこの炎天下をあちらこちらと走り回るのだろうけど、大変だなって頭が下がる。私はエアコンの中、こんな所にいていいのだろうか。

     

     あんなにラジオが好きだったのに、聞かなくなって2年余りが経つ。この頃ニュースを聞く気にもならなくなった。NHKもこの頃俗化してしまって。今聞いているのは音楽だけ。身近にある音楽だけ。出勤する時も、帰宅する時も、車の中で流れるのは音楽だけ。女性の声がいい。しっとりと歌うなめらかな曲がいい。暦の上では夏は終わったけど、山本潤子が歌う「青い夏」が心地良い。いつも繰り返し繰り返し聞いている。2回聞いたら家に着いてしまうけど。

  • 仲良くしてるから 2020年08月22日

    サギソウ2 今朝の山陰中央新報の「明窓」欄に、墓のことが書いてあった。都会に行ってしまっている人たちの両親の墓はどうするって書いてあった。私の故郷の墓も寄せ墓にして集合墓地に収められている。甥っ子たちの考えだ。

     

     我が家の墓はと言うと、今私の妻がひとりで公園墓地に眠っている。ひとりで寂しいだろうから、私が毎朝行くことにしている。花も一週間に一度は生け替えている。松江市が管理する公園墓地だから、手入れの心配もない。草ぼうぼうに荒れることはない。

     

     子供たちは将来においても帰って来ないだろう。でも心配はしていない。私が死んだら、妻と二人の墓になる。・・・寂しくなんかない。かあちゃんだって俺が居れば。だから二人で仲良くしてるから、一年か二年に一度でいいから顔見せろ。年、数千円の管理費だけは収めてくれ。子供たちにはそう伝えようと思っている。

  • つみれ、それともつくね 2020年08月20日

     私を知ってる人に時々会う。最近の様子を聞かれるので正直に話す。様子を聞いてくれる人は女性が多い。男性はダメ。自分の思うことしか言わない。自分のことしか言わないから。その点女性は優しさがあっていい。どんな食事しているのって聞く。

     

     最近暑いから、食欲がなくて素麺が多いかなって答える。すると彼女が言う。ますます痩せちゃうわよ、もっといいもの食べなくちゃって。有難い。そんなに親しくもないのに気遣ってくれる。じゃあ今夜は栄養いっぱい摂ろうかって気にもなる。

     

     墓参の帰り、スーパーに行く。ニンニクとショウガと、野菜いろいろ買った。肉は鶏ミンチと豚ミンチ。二つ合わせてニンニクすってショウガすって野菜もちょっぴり入れて味付けた。つなぎは片栗粉。これってつみれ、それともつくね。栄養たっぷりの出来上がりだ。エアコンの中で食べる鍋料理もおつなもの。私の昨日の休日の夕食である。

  • サギソウ 2020年08月15日

     若い頃、一緒に暮らしていた母が亡くなって悲しくて人の命って何だろうと考えた時がしばらくあった。死んでいく人がその時、何を思うのだろうと本に学ぼうと思った。特に、戦争やあるいは切腹さえする戦国武将物を選んで読んだ。山岡荘八の徳川家康、そして太平洋戦争は自然と読書に力が入った。

    サギソウ

     私が幼い頃、病弱だった母。遊んでもらえなかった寂しさもあった。そんな母がある日腕枕をしてくれた。でも、頭の重さを軽くしようと寝たふりして頑張った。母が大好きだったから。中学校を出て夜学に進んで独立したのも、母に苦労をかけたくないその一心からだった。

     

     松江市で一緒に暮らすようになって、休みのたびにドライブに連れて行った。母も喜んでいた。母は山野草が好きだったので行く先に咲いている花の名前を私に教えた。母の死後、私もその名を覚えようと山を歩き回った。三脚担いで、一眼レフに接写レンズつけて山を歩いた。花を見て、母の気持ちになりたかった。

     

     以来、山野草は私にとっては母そのものだ。昨夜のテレビである。広島県の「世良夢公園」でサギソウが見ごろだという。いてもたてもいられなくなった。そして朝7時出発で世良夢公園に行った。妻との思い出も多い世良町。尾道の娘にも会ってきた。これがサギソウなのである。飛んでいるシラサギに似ているからこの名がついた。大きさは、モンシロチョウの小さい羽一枚とどちらが大きいだろう。曇り空ならもっときれいに撮れただろう。

  • 暑いいちにち? 2020年08月10日

     雲盆前ではあるし、来客もないだろう。それにこの頃暑さで疲れている。ゆっくり出勤しようと思った。弁当と言うにはおこがましいが昼食を詰める。そう、私はコンビニやマーケットで買う出来合いの弁当は好まないのである。粗末でもいい、自分で作ったものの方が美味しく頂ける。

     いつもよりずいぶん遅くに自宅を出発した。直接お墓に向かう。活け替えてからまだ5日しか経っていないのに花がしおれている。暑さのせいだ。花立ての水がお湯になり、何時だったかは空っぽになっていた時があった。生け花にとっても苦難の時期なのである。

     

     墓参を終え、走る車の中で空を見上げた。青い空と、浮かぶ白い雲とのコントラストが異様だ。時々こんなコントラストを目にする。台風の前であったり、異常な気象の予測なのであろう。今日は、異常なほどに暑いのだろうか。

     

     異常なことは雲だけではない。松江市で新たにコロナ感染者が100人近く出た。最大級のクラスターだ。昨夜のテレビニュースで言っていた。尾道に住む娘に即刻電話、盆には返って来るなと言った。

     

     ところで黙秘権行使の安倍総理である。日本政府である。コロナ禍のなか、国民はどうしたらいい。どのような暮らし方をしたらいい。そこのところが分からないのである。日本はどのような方向性で行くのか、説明してほしい。説明できなければ、やる気がないならば、辞職してほしい。国民は今、悪夢の真っただ中にいるんだから。

  • エアコンは嫌い 2020年08月07日

     昨日は猛暑日を記録した。この夏最高。松江市でも日中は35℃を超えた。夕方になっても気温は下がらない。扇風機回しても来るのは熱風。意味がない。仕方なくエアコンを付けることにした。家では今季初めてだ。あれ、リモコンは?

     

     あっちこっち探し回った。汗だくになって探した。30分後にやっと見つけた。裏の4畳半にあった。自分で片付けたくせに、何探してるんだよって自分を叱る。でも涼しいな。エアコン付けて眠ったら、朝起きて首筋と腰に違和感がある。やっぱりエアコンは嫌いだな。でも事務所はエアコン使ってるからご安心を。

  • ユニクロ 2020年08月06日

     昨日、あれからいつもの花屋さんに行った。いつもちょこっと話しする若い女性の店員さんとまた話す。ジーパンでは暑いから短パン買おうと思うけど、どこに行ったら買えるって聞いてみた。そしたら彼女、ユニクロがいいよって言った。でもあそこ人が多いから恥ずかしいな、と私。大丈夫だよと店員さん。

     

     お墓の花活け替えて、ボウリングを3ゲーム終えてからユニクロに行ってみた。検温パス。消毒もした。店内を歩く。半周しただけで、若いお客が多くて、恥ずかしくなって、1分で店を後にしてしまった。やもめのむなしさを感じた瞬間だった。切なくて、車で宍道湖一周して、またお墓に行った。そして今朝、リビングから見える緑の壁に昨日のアブラゼミを見た。かあちゃん、俺のこと心配なのか。大丈夫だよ。

  • セミ 2020年08月05日

    セミ

     庭の桜の木にとまって鳴くアブラゼミを素手で捕まえようとする時、「盆さんが近いけん捕っちゃいけん」と母に叱られた。なんでって聞くと、「ご先祖さんかもしれんけん」って言う。そんな非科学的な、と思う私ではあった。

     

     男やもめにウジがわくって昔の人は言っていた。そうだなって今思う。でも、たまには布団だって干すし、シーツだって洗う。今朝も洗ったシーツをベランダに干した。するといっぴきのアブラゼミがやって来た。竿で半分に折れた半分の一面をゆっくりと歩いている。

     

     え、かあちゃんなのだろうかって思う。懐かしそうに、そして愛おしそうにシーツにつかまって歩いている。いつまでもいつまでもゆっくりとゆっくりと歩いている。かあちゃんだ。そうに違いないと思った。だって、逝ってしまう前の晩まで一緒に寝ていたダブルの布団カバーだもの。 

  • しっとりと 2020年08月02日

     盆休みが近づいてきた。我が社も、12日から休もうと思っている。ところが、新型コロナウイルスのために東京で働いている末娘は帰って来ないと言う。尾道にいる長女も帰って来るやら来ないやら。長男とは面会禁止という状況だ。はて、盆休みどうして過ごそうか。

     

     ドライブ三昧がいい。県外には出たくない。人の多くいるところには行きたくない。サンドイッチ作って涼しい山に向かって走ろうか。山の中腹の駐車場に車を止めて、コーヒーでも飲みながら文庫本でも読もうか。ステレオから流れて来る山本潤子でも聞こうか。潤子が歌う伊勢正三作曲のがいい。しっとりと歌う「青い夏」がいい。しっとりと歌う「緑の季節」が気に入っている。私と潤子の年齢は同級生、だからあの歌に引かれるのかも。

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