店主日記

  • かあちゃんの詩 2023年07月30日

     毎日、うだるような暑さが続いている。今日も最高気温は35度に届きそうだ。子供の頃、奥出雲町の山奥で育った私、28度以上の高かあちゃんの詩温を知らずに育った。父も母もそうだ。築100年の茅葺の屋根の家の中での真夏の昼寝、肌寒かった。そんなDNAの記憶が懐かしい。

     

     後一月弱で「かあちゃんの詩」日記がまる5年になる。妻が亡くなって、4ヶ月目の月命日のあくる日の2018年の8月24日にこれを書こうと決意した。その日の些細な出来事を妻の思い出に絡めて書いている。いち日分は、A4のペーパーに3行から多い時で6行。

     

     10ページをひと括りにしてUSBメモリーに納めている。そして今朝、NO44の10ページ目が終わった。明日からNO45の始まりだ。あと何年続くだろう。子供たち、これを読んでくれるだろうか。私が亡くなった後に。

  • 不動産日記 2023年07月28日

     18年前に開業して以来、「不動産日記」と題した日記を付けている。ほとんど業務日誌なのだが、時々私の思いを記入するので不動産日記と名付けた。そして今日、NO69の新しいページが始まった。

    不動産日記

     

     ほんのちょっとの変化だ。新しいノートに替わっただけの小さな変化なのだが、変化は私の心を揺さぶる。特に気候の変化に私の心は強く動く。雨が降れば雨が降ったで、雪が降れば雪が降ったで心が揺れる。なぜなら、変化は、こんな時妻ならどうするっていつもそう思う。

     

     2018年4月22日のノートを見てみた。9時55分の1行が妻の字だ。そう言えば、今になって見ればそうだなって思う。いつもの妻の字より筆圧が弱弱しい。意味もはっきりしない。そうだったんだ。・・・そしてこの不動産日記の妻の字は終わった。

  • 灼熱の太陽が 2023年07月27日

     まだ9時にもならないというのに肌を焦がすような太陽が東の空にある。玄関前の掃き掃除終えただけで全身が汗に濡れる。近所の会社に出勤する人に声をかける。朝から暑いですね。何でもそうだけど、苦しいときには吐き出した方が良い。

    のぼり旗

     

     我が社の玄関は東向きだ。それに、玄関部分はほぼガラス張り。朝日がよく入る。冬時分はこれが嬉しかったのに夏はそうはいかない。人間って我が儘だよね。今冬が恋しくてたまらない。無いものねだりって言うけれど、実に我が儘なものである。

     

     それでもと、僅かばかりの抵抗を試みる。玄関先に立てかけるのぼり旗。遮光にと玄関の内側に立ててみた。お、違う。かなり効果がある。9時の開業時まではこうしておこう。少しでも太陽が高くなれば差し込む光も減るだろう。

  • 面会日 2023年07月26日

     息子が入院してもう5年が経った。月1回の今日は面会日。この頃、息子の顔を見るのが辛い。後、何年入院が続くのだろう。そのことで、息子が私に抗議しているように見えてならない。会話ができない息子、目がそう言って訴えていた。

     

    入道雲

     

     面会終わって、道の駅「キララ多伎」に行ってみた。山の上には入道雲が立ち上がっていた。まるで生き物のように、沸き立つ溶岩が噴火口でうごめくように立ち上がっていた。車の室外温度計は34度。暑い訳だ。

     

     ふと、隣の車を見たら赤ちゃんが母に抱かれていた。そしてその母と目が合った。思わず会釈する。その母の窓際の外に立ち、話しかけてみた。4ヶ月だそうだ。私の孫はね、今北京に居るんですよ。6ヶ月まで我が家で育ったんですよ。そんな他愛もない会話を交わす。見ず知らずの他人にも、心が通っていく。ああ、早く会いたいな。

  • サラダの皿は一枚だけ 2023年07月22日

     サラダもう、何ヶ月になるだろう。私の朝食はサラダ付きだ。前の夜、キャベツの千切り、タマネギの千切り、ニンジンの千切りを作ってザルに入れる。水道の蛇口でしばし水にさらす。水気を切ったらそのまま冷蔵庫の野菜室へ。

     

     そして朝が来ると写真の白い器に盛りつける。この白い皿、以前は5枚あった。妻が嫁いできた時、持って来た。5枚組の箱に入ってたのを覚えている。それが今では1枚しか残っていない。でも、妻の形見には間違いない。だから、毎日のサラダ作りが続くのだろうか。

     

     そう言えば毎晩楽しんでいる焼酎のお湯割り、このコップも白い皿と同じ経緯を持っている。先日床に落として一個が割れた。残ったのはひとつだけ。大切に大切に毎晩使っている。だから飲酒が続くのかもしれないね・・・。え、あほ言うなって。

  • 美保関町の青石畳通り 2023年07月19日

     車のエンジンを始動したら、ヘッドライトが自動点灯した。土砂降りの今朝はそれだけ暗かった。とりあえず事務所に出て雨の様子をみることにした。やがて小降りになった。よし、行こう。濡れた青石畳の写真撮影に行こう。

     

     国道9号線を米子に行って米子空港をかすめて行くことにした。空港の近くにミュージックロードがある。車のタイヤが音楽を奏でる仕組みの舗装道路になっている。そこを走って、「ゲゲゲの鬼太郎」のテーマソングを聞く、その一瞬が好きなのだ。

     

     しかし、そのあたりから雨は止んで晴れてきた。かまうもんかと美保関に着いた。目的の青石畳通りに行った。青石は湿気を含んでいるが乾きかけていた。濡れて青くなる石なのに残念な気もした。でも、これはこれで絵になるかもしれない。虫網を持った少年がポーズを取ってくれた。少年の笑顔は、山口百恵の「いい日旅立ち」の歌詞を思い出させた。

     

    青石畳

     

     なんか疲れたな・・・帰るか。大相撲のテレビ観戦しながら一杯やろう。早いうちから一杯やろう。車窓から見える風景は霞んでいた。曇った眼鏡をかけているみたいに霞んでいた。天気によって、人の気持ちが波を打つ。今日はその波長が短いなと、そんなことを考えながら車を走らせていた。

  • 気を付けて暮らしなよ 2023年07月17日

     今日で猛暑3日目。昨夜夕ご飯が終わって、北京にいる娘にラインした。お前が買ってくれたエアコンがよく効く。有難うな、助かっているよ。そう言ってラインした。本当に有難い。昨夜はエアコンを付けっぱなしで寝た。お陰でよく眠れた。

    ユウスゲ3

     

     そして今朝目覚めた。もう陽は高々と上っていた。エアコンのまだ効いていない事務所に出勤した時は汗だくだく。何にもする気しやしない。アイスコーヒーこしらえて応接の椅子に腰を下ろす。エアコンの効きを朝日が遮る。ガラス越しにぎらつく風景が恨めしい。

     

     (今日も暑い。ものすごく暑い。長女の住む北京は、40度にも届きそうだとラインで言っていた。お父もしっかりエアコン使いなよ、とも言っていた。いいやつだな。天国も暑いかい。俺は大丈夫だけど、なぎさも体に気を付けて暮らしなよ。)そう「かあちゃんの詩」日記に付けた。

  • 朝から猛暑 2023年07月15日

     天気予報が当たった。今日から3日間は猛暑だと言っていた天気予報が当たった。朝から噴き出す汗、お墓の墓石も熱く焼けていた。墓参の後、開店間もないスーパーマーケットに行った。店内はひっそりしていた。いつものレジで、今日は朝から暑いね。そんな会話がやけになじむ。

     

    カワラナデシコ

     

     こんな暑い日はこの花が良く似合う。昨年の盆前、娘と孫と3人で三瓶山に行った。そこの北の原で三瓶バーガーを食べた。このバーガー、なぎさと一緒にここで食べたんだよと、娘に教えた。その後、道端に咲いていたこのカワラナデシコを写した。猛暑の日に、可憐に咲く花である。

  • ちゃんちゃん焼き、そして日暮らしの初音 2023年07月13日

     定休日だった昨日、建築会社の担当者が会いたいというので午後3時半に事務所で待ち合わせた。打ち合わせが終わって、4時過ぎからシャワーを終えて、昼仕込んでおいたちゃんちゃん焼きの卓上コンロに火をつけた。しばらく焼きあがるのを待っていたら、向かいの茶臼山からヒグラシの初音。え、今年は1週間も早い。

     

     豚肉、解凍した冷凍の海鮮(ベースは鮭が最もポピュラー)、たっぷりのニンニク、ジャガイモ、タマネギ、キャベツ、ニンジン、ピーマン、キノコ3種類。これを大きめのフライパンで程よく蒸し焼きしたところに味付け。味付けは味噌を酒で溶いたものを上から降りかける。まさに男料理の代名詞。ヒグラシの鳴き声をBGMにビールを飲みながら食べるのこのひと時は至福の時間だ。

     

    桔梗

     

     写真は、先日三瓶山で写した桔梗。群れ咲くユウスゲに囲まれて遠慮気味に咲いていた。故郷の仁多町では、黄色い女郎花、そしてこの紫の桔梗の2種類を盆花と言っていた。子供の頃に盆が近づくと、近くの山野に取りに行っていた。そんな懐かしい思い出の花なのである。

  • ユウスゲが見たい 2023年07月12日

     部屋に掃除機かけた。何週間振りだろう、男やもめにウジが湧くって昔の人は言ってたけど本当にそうだ。ともかく、すっきりとしたことには間違いない。なぎさ、今日は二連休の初日だ。三瓶山にユウスゲ見に行こうな。きれいだよ。

     

     9時半過ぎ、月初めに届く請求書の支払いを済ませた。その後墓参。そして買い物。事務所に出てメールを確認した。代理で市役所に行ってほしい旨届いていた。市役所で用事を済ませ、午後1時の待ち合わせの打ち合わせ完了。彼女の入院の病院の1階ロビーでしばらく対談。役に立てて良かった。

     

    ユウスゲ1

     

     4時、三瓶山の西の原に到着。お、咲いている咲いている。このユウスゲ、ユウスゲと言うぐらいだから夕方にならないと花が開かない。だからぴったりの時間に到着した。美しい。明日アップする店主日記の写真に使おう。一眼レフカメラにワイドズームレンズを装着した。

     

     ユウスゲはキスゲとも言うらしい。ニッコウキスゲという有名なのがあるけど、あれの仲間だ。華やかな花ではない。夕方咲くから、夕方見るからだろうか、色合いだろうか、寂し気に見える。寂しげだけど、野原いっぱいに咲いてるから、寂しくはないだろう。

     

    ユウスゲ2

     

     国道54号線を帰路に選んだ。。松江に帰ったら午後6時を過ぎてしまった。それにしても疲れたな。ご馳走しようと午前中に買い物しておいたのに、どうしよう。ごちそうは明日にしようか。今晩はコンビニ弁当にしよう。早くビール飲みたいな。

  • ガクアジサイ 2023年07月07日

     今朝早く出勤してきたのでちょいとドライブすることにした。気分転換に私はこのちょいとドライブが気に入っている。時々脱線するけれど、このちょいとドライブには幾コースかを定めている。1時間ほどで帰れるコースだ。今日は広瀬町コースを選んでみた。

     

     まず八雲町へと向かって走る。そして峠越えだ。頂上にトンネルをくぐるのは峠越えの面白さでもある。やがてトンネルを超えた。広瀬町に入った瞬間、ガクアジサイの花を発見した。美しいと思った。妙に心惹かれた。濃い紫色が神秘的だとさえも思った。

     

    アジサイ1

     

     たまたま、すぐそばに東屋をこしらえた駐車場があった。そこに車を停め、スマホをもって近寄ってみた。盛りは遠に過ぎ、半分ぐらいのガクを散らしていた。だが、濃い紫色の鮮やかさと、老いてもまだまだと言った若さが誇らしげだった。私はなぜか、このアジサイに強い親しみを感じてしまった。

     

    アジサイ2

     

     年齢より若くありたいと、私は強くそう願っている。またその努力もしている。なぜなら、まだ恋もしたいからだ。20歳ほど私より若い人がいい。一緒にドライブしたり、お茶したり、まだそんな気持ちは持ち続けている。だけどなぎさ、私は君を裏ぎりゃしない。心から愛してるから。

  • 雨の池泉 2023年07月06日

    池泉 

     縁側に胡坐をかいて池泉を眺めた。まんべんなく降るのではなく、比較的大きな雨粒が互いに間隔を持ってぽつりぽつりと落ちていた。その一粒ひとつぶが池泉の水面に落ちては円を描いていった。その円はさっと大きくなって直後に消えた。その繰り返しが水面いっぱいに水玉模様になって広がっていた。大きな鯉が、ゴボッと音を立てて水面を揺らして水蓮の葉をざわつかせた。池泉の上に、妙に赤いアカトンボがつがいで飛んでいた。視界から消えてはまた見えてきてやがてどこかへ飛んでいった。雨の日にしては明るい空の淡い光が山畔の緑を濃くしていて美しかった。

     

     家を出発するときには降っていなかったのに直後に降り出した。その雨は風景を暗くしてやがて土砂降りになった。雨水はフロントガラスに覆いかぶさった。瞬間ひるんだ。だが、先日からの妻との約束の鳥取市の観音院行きだった。行かねばならないと思った。

     

    漁港

     

     幸いなことにしばらくの後、小降りになった。空も明るくなってきた。妻の力かもしれないなと思った。家族みんなで走った一般国道を走ることにした。時々左手に日本海が見えてきた。休憩でみんなで一緒に眺めた魚見台からの海の眺めを楽しんだ。港には、漁業者たちの漁船が数艘停泊していた。

     

     車の中でも妻との会話を楽しんだ。目的地の観音院でも妻との会話が嬉しかった。そして帰路についた。山陰道を走ることにした。ふと思った。今日、楽しかったのはなぜだろう。そう言えば、観音院でも懐かしさの涙は出なかった。どころかかえってふたりの会話を楽しんだ。妻の存在に対する私の心に変化が生まれ始めたのかもしれないなと、そう思った。

  • どんな人にも・・・ 2023年07月03日

     このことについては賛否両論あるらしい。が、私は素晴らしいことだと思っている。日本人サポーターによる試合観戦後のゴミ拾いのことだ。今やワールドカップの風物詩になっているとか。日本人に宿っている、美に対する、そして他人への優しい思いやりの心なのだろうと思う。

     

     先日、宍道湖湖北に向かって車を走らせた。いつもの秋鹿なぎさ公園に寄って駐車場に車を停めた時、1台ずつのスペースを区切った白線の上にペットボトルが置いてあった。誰かが自動販売機でジュースを買って、運転席に腰を掛けて飲み始めた。不味かったので飲むのをやめ、ほとんどを残してドアの外の白線の上に置いてそのまま出発してしまった。

     

     車の運転や、日常の生活の中で、私もついうっかり、あるいは何気ない仕草や会話などで案外他の人を不快にさせてしまっていることがあるのかもしれない。・・・目の前に、あるガス会社のカレンダーが壁に掛けてある。7月のページ「どんな人にも優しい人になってほしいもんや」と太い墨字で書いてある。

  • ホタルブクロ 2023年07月01日

     何気なく、パソコンのピクチャーのフォルダーを開いてみた。そこに白いホタルブクロの花を見つけた。昨年の6月、三瓶山の北の原に向かう途中に道路わきに車を停めて写したものだ。地味な花だが、山野草には何とも言えない魅力を感じてしまう私なのである。その写真をべス単レンズ調にパソコンで加工してみた。

     

    ホタルブクロ

     

     昨日の夜、久し振りに東京で暮らす末娘に電話した。相変わらず不愛想な声が帰ってきた。9月にお姉ちゃんが帰って来るからそれに合わせてお前も帰って来い。そしたら、ああ、と返事してきた。帰って来るよと、その気持ちの表れである。早速、今朝の公園墓地で妻に報告しておいた。

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