店主日記

  • 悲しみと言う名の友達 2022年07月30日

    d-51 「おはようございます。ある日の早朝、悲しみと言う名の人がやって来て、僕の心に住み着いちゃいました。今、仲良くしています。いいんです。生涯の友達です。だから、心配しないでくださいね」

     

     ある人に、今朝こう返したラインの文面だ。そうだ。ここでお礼を言っておこう。ありがとうね。あなたのお陰でいつも心が救われている。

     

     あれから4年、悲しい気持ちで生きてきた。悲しみに負けまいとして、苦しみもがいてきた。辛かった。懸命に、普通の心を取り戻そうとした。だが、今では普通に生きていく方法が分かった気がしてる。それは、悲しい心と共存していくと言うことだ。悲しみと、友達になることだ。だから、悲しくなったら泣いてしまおう。悲しいよって叫んでみよう。

     

     Dー51の写真は。妻と岡山県の小さな町を旅した時、撮ったものだ。どこの町だったか、今ではぼんやりとしている。思い出す必要はない。ぼんやりとした記憶があればいい。この画像のひとつ前の画像には妻が写っている。懐かしい。

  • 東広島市 2022年07月28日

     昨日の定休日の話だ。

     朝、8時半にお墓に行って妻を連れて東広島市に向かった。行きは、久し振りに妻とふたりでのドライブだ。時間は十分にある。ふたりだけの、楽しい時間がたっぷりと楽しめる。だからなるべく長い時間ふたりっきりで過ごしたい。ふたり共通の趣味だったドライブ、たっぷり楽しもうな。

    神社

     

     一般道を走った。国道9号線から54号線に乗り換えて、三次からは県道だろう、375号線で南下した。カーナビを使わず、道路標識だけで判断する。これがまた楽しい。そして、二人だけの会話が、笑い声が車中に飛び交う。あの時の思い出。楽しかったあの旅行。照れもあった恋人時代のこと。何もかもがすべて懐かしい。思い出話に花が咲く。

     

     だが、案外に早くに到着した。娘との約束時間までどこで時間をつぶそう。西条駅に行ってみようか。駐車場に車を預け、駅の階段を昇る。通勤時間と異なる改札口あたりは閑散としている。だが、松江駅の比ではない。あちらこちらと数えてみれば結構な人の数だ。改札口を離れてガラス越しに北口を見ると神社らしいものが見えた。

     

    杜

     

     歩き疲れて、御建神社の小さな森に据え付けられた木製の椅子にふたり並んで腰かけた。静かだがたくさんのセミが鳴いている。頭上の松の木にクマゼミが鳴いている。恋人募集中のクマゼミがシャーシャーと鳴いている。ふたりの姿をうらやむように鳴いている。

  • 明日の楽しみ 2022年07月26日

     今、娘が東広島市の友達の所に遊びに行っている。久し振りのひとり暮らしだ。楽しいかなって思ったけど、在りし日の妻の姿が蘇って来て、しんみりとした夜になってしまった。やっぱり一人暮らしは寂しい。明日の定休日は、娘を迎えに行く。

     

     午後2時に来ればいいよ。そうかい、それならば朝早めに出発してドライブを楽しもう。国道9号線から54号線に乗り替えて三次まで行こう。三次から54号線をそれて、東広島市へ南下しよう。昔の記憶をたどるとそんな道があった筈。一般道を走りながら、フォークソングのCDかけて、いっぱいいっぱいひとりドライブ楽しもう。

  • アブラゼミの初音 2022年07月22日

     早く梅雨明けしたのに、戻り梅雨?

     事務所の横の壁に立てかけておいた、小さな四角い木の棒にセミの抜け殻を発見した。前日これがあったのかどうかは定休日で分からないが、一昨日か昨日の早朝に羽化したものだろう。抜け殻の大きさからしてきっとアブラゼミなに違いない。そして夕方になって、アブラゼミの初音を聞いた。

     

    アブラゼミ

     

     この地方では、ニイニイゼミが最初に泣く。そしてアブラゼミが登場する。そのうちにヒグラシやらが泣き出す。昨年の日記を見ると、ヒグラシの初音を7月の12日に聞いている。今年はまだ聞かない。相当に、セミの出番が遅れているということだろう。変な夏なのであろう。

  • おろちループ 道の駅の駐車場 2022年07月17日

     国道54号線を314号線に乗り換えて南下すると奥出雲町の横田に着く。横田中心部から木次線に沿ってわずかの時間でおろちループを走ることができる。このループ、高低差105メートルを一気に駆け上がることができるらしい。そして日本最大級の二重ループ方式道路だという。

     

    みいの大橋

     

     先日、「ゆかり庵」で友と一緒に蕎麦を食べた時にその話をした。私も行ってみたいと言っていた彼女、昨日行ってきたらしい。感動したよと、昨夜写真を送ってくれた。私の店主日記に使ってほしい、と言って。上の写真は道の駅、奥出雲おろちループの駐車場から写したもの。2枚目は三井野大橋の上から写したものだ。杉の木のてっぺんが見下ろせる場所はそんなに多くない。

     

    杉

     

     この場所は、妻と一緒に来た回数も多い。妻亡き後、この駐車場まで何回来たことだろう。朝起きたら、ふらっと目的も持たず車を走らせる。どこへ行こうか。迷っていると、この駐車場に着いている。私にとってそんな場所なのである。この駐車場は。

  • じいちゃんとは呼ばせない 2022年07月15日

     律人先日から、孫が寝返り打つようになった。目を離したすきに、腹ばえになっている。油断もスキもあったものではない。生まれて3ヶ月と二十日余り。先日まで寝たきりだったのに、子供の成長は早いものである。

     

     それにしてもである。この子、私によく似ている。そう言えば、この子の母親の私の長女は私似だった。幼い頃、私と同じ顔をしていると人も言った。ところが、成長していくうちに母親に似るようになった。そのことを思う時、この子と私が似ているのは納得がいく。

     

      この子も、後2ヶ月程で外国に旅立っていく。3年間は帰って来ないだろう。ま、それは仕方ないとして、3年後には話せるようになっているはず。帰って来てまた会った時、私のことはおじいちゃんとは呼ばせない。カゲちゃんと呼ぶよう娘に言っておこう。

  • 三瓶バーガー 今日は娘と食べる 2022年07月13日

     肉が美味しい!・・・とは娘の言葉である。ここは三瓶山の北の原だ。そこに三瓶自然観「サヒメル」がある。そこの駐車場の道路向かいに「三瓶バーガー」の店がある。なんども来たが今日やっと入店が叶った。今日は、やけに緑が美しい。

     

    三瓶

     

     何年前のことだろう、5月の連休に妻とふたりでやって来た。「三瓶バーガーだって。食べてみようよ」。ふたりの意見が和音をなしてバーガーとコーヒーを注文した。たった一度っきりのことだが、妙にその記憶が脳裏に焼き付いている。だから、娘を誘ってやって来た。

     

     49日が終わったある日、大田市中心部から北の原に向かって車を走らせた。いつもふたり一緒だった。でも今日からひとりぼっち。寂しかった。涙が、止めどなく流れてきた。道路も風景も何もかもがぼやけて見えた。そんな日があったんだよと、娘に話してやりたかった。だが言葉が詰まってしまう。

     

     2時過ぎ、西の原に着いた。草原を見渡すが、ユウスゲは咲いていない。花の姿は見つからない。去年は14日に来てカメラに収めた。その写真をアップした店主日記を娘に見せた。この時は、読書しながら5時まで待ったんだ。この黄色い美しい花がユウスゲだ。

     

     西の原を後に、頓原に出た。国道54号線を帰路にして車は快適に走る。妻とふたりだった時のようにぺちゃくちゃと言う訳ではない。ぼそぼそと、それでも要所をつまんで話す。孫はすやすやとチャイルドシートで眠っている。有意義ないち日だった。いい時間をを過ごせた。

  • 選挙日 2022年07月10日

     先日、電気工事の方と現場で待ち合わせている時、近くの小さな花壇にこんな花を見つけた。植物、というより、何かでこしらえた工作物のような花である。この花には悪いが、姿かたちや色が整い過ぎているせいなのだろう感動もしない。私は、山野にひっそりと佇む小さな名もない花が好きなのである。

     

    花

     

     今朝は自治会の清掃日だった。薄曇りで気温もそう高くなく、湿気は多いものの夏としては比較的楽に作業ができた。だが、それが終わって出勤した頃、無性に体がだるく気力もなくなってきた。今日はさぼろう。店番程度で働こう。

     

     出勤の通勤途中、参議院選挙を終えた。先日、安倍元総理が応援演説の時、凶弾に倒れた。政治信条にではなく、個人的な理由らしい。テロではないにしても、こんな事件の直後の投票日、いつもと全く違った気持ちで投票するのはなぜだろう。

  • また咲いてくれる 2022年07月05日

     アマリリス昨夕、一昨日からドッグ入りしていた愛車を島根日産に取りに行った。修理担当者からキーを預かり、支払い終えて愛車に乗った。運転席に座ると、心がほっと温かくなる。助手席に目をやると、亡き妻の姿が見えてくる。亡き妻の声が聞こえてくる。妻との思い出の愛車、ひと晩離れただけなのに、ひどく懐かしく思ってしまう。

     

     5月の末に咲き誇った事務所前のアマリリスの花が再び咲きかけている。季節外れのアマリリス。再び私に潤いを与えようとしてくれている。妻との暮らしの半分を共にしてくれたアマリリス。愛おしくてしょうがない。

     

     サラリーマンの頃、お客様にもらった小さな鉢に植えられた小さなアマリリスの一株。あれから25年が過ぎた。勤務先の事務所で2年間。自宅のベランダで5年間。そして今株を増やしている。我が事務所を見守ってくれている。

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