店主日記

  • 仕事納め 2020年12月29日

     朝日1

     

     今日が私にとっては仕事納めの日だ。昨日で事務所の年末の掃除は終わった。不用品の廃棄から、何日を要しただろう。さっぱりした事務所の籐製の椅子に腰かけてインスタントコーヒーでくつろぐ。今年はどんな年だったのだろう。私にとって成長はあったのだろうか。

     

    朝日2

     

     正直なところ、新型コロナウイルスに侵された。私自身が感染したわけではないが、しんどかった。毎日、微熱が続くような心への負担があった。ボディーブローでじわじわと責められるような息苦しさがあった。でも、それを朝日が救ってくれた。早くに出勤して、茶臼山から昇って来る事務所から見る朝日は、それは素晴らしいものがあった。神々しくも感じた。やがて風景を明るくするその力強さは私に勇気をくれた。そして毎日違う風景の演出をカメラで写すその行為は楽しかった。

     

     上の写真は今朝写したのもの、下の写真は昨日写したもの。毎日違うその風景を表現してみた。

  • 2020年12月25日

     

    朝日2

     空が白みかけた時、家を出る。行き交う車もまだ少ない。5分で事務所に到着する。開業準備を始めてると、朝日が昇り始める。民家の瓦屋根の向こうから明るさが増していく。この瞬間がいい。生きていこうと思うエネルギーがみなぎってくる。この朝日に、手を合わせた昔の人の心がこの年齢になって分かってきた。

     

     今朝の新聞の副見出しに、国会答弁誤り会見で陳謝とある。もちろん安倍前首相のことだ。衆院議員辞職の可能性を記者に問われ、初心に立ち返り、全力を尽くすことで職責を果たしたいと答えている。

    朝日3

     

     私のような町の小さな不動産屋でも、確認不足で顧客に迷惑を与えぬよう努力する。例えば、この一戸建てを貸したいからと依頼を受けた場合、彼が真の持ち主かどうかを調査する。そうでなかった場合、なぜ彼が依頼してくるのかとその整合性を確かめる。

     

     当時の安倍首相はその確認を誤った。と言うより、確認をしようとする姿勢すら見せなかった。当然の結果、国民を欺くことになった。実は彼、補填の事実を知っていた。私はそう思う。だから118回もの嘘を重ねてきた。ひとつの嘘は、その人の言葉をみんな嘘にする。

     

     でも不思議である。あれだけの不誠実を重ねても平然としていられるあの厚顔な部分が。

  • 駄目オヤジ 2020年12月24日

     今日はクリスマスイブ。14インチのモノクロテレビが台所の隣の6帖の部屋にあって、ここが居間なのである。掘りごたつを囲んで家族が集まっていて、クリスマスケーキが母の手によって包丁で家族の人数分に切り分けられようとしている。そんな光景が目に浮かんだ。思い出した。私が生まれて初めてクリスマスケーキを食べた日のことである。何歳の記憶だろう。

     

     朝一番で支払い分の入金に近くの郵便局に行った。引っ越し用に使うぐらいの段ボール箱を持った人たちが並んでいる。コロナウイルスの影響で正月に里帰りしない子供たちへ送るのだろう。何を贈るのだろう。男一人で暮らす私には分からない。送ってやりたいのはやまやまだが何を送っていいのやら見当もつかない。何もかも妻に任せっきりだったから品物の想像すらできない。駄目なオヤジである。

  • 社長室 2020年12月22日

    事務所 

    社長室

    先日から数日掛けて事務所の模様替えをした。事務机をひとつ廃棄して応接コーナーを広くとった。接客カウンターの客席側から事務所の様子が一目でわかるよう、視界の遮りをなるべくなくした。開放的になったことは写真をご覧になったらお判りいただけるだろう。

     

     だけど、私も日に一度か二度はこもりたいときがある。一人の空間が欲しい時がある。思いにふけりたい時がある。そのために個室をひとつ用意した。幅130センチ、奥行き180センチほどの小さな空間だ。事務机とその上にラジオ、文庫本、そして妻の写真。個人事業主なので社長ではないが、そこを社長室と名付けた。

  • 末娘への手紙 2020年12月19日

     寒くなったけど、どうしてる。松江は屋根瓦が雪で白くなっている。

     

     ところで、先日お姉ちゃんと話したけど、お姉ちゃんはコロナの影響で正月松江に帰って来ないと言った。おまえも、動かない方がいいだろうと二人で話した。お姉ちゃんの婿殿も仕事の転換期、コロナ感染は避けたいところだろうと思う。出雲市ではクラスターがあったりして宗一郎の病院も面会禁止だ。だから今度の正月はみんなバラバラ。いつになったら自由に会えるだろう。

     

     今、お父は断捨離で休みの日は忙しい。化粧の部屋の押し入れ片付けていたら見たことないものがいっぱいあった。お母さんが学生時代使っていただろうタイプライター。お母さんの青年期の写真のアルバムの数々。何よりもおもしろいのはお母さんの字がいっぱい詰まったノート類。「プラトン訳」と書いたダンボール箱に哲学を学んだ証が残っている。晩年の崩し字にない固い角ばった字が並んでいる。これもお母さんの字なんだ。

     

     おまえのものもだいぶ処分した。中に給料袋があった。毎月もらう給料袋に・・・中略・・・よく頑張ったと思う。よく働いたと思う。

     

     そんなおまえだから、どんな仕事でもできる。だから、東京へ行っても、お父は心配はしていない。心配なのは食事と運動。運動は通勤でできるから食事のこと。お父も食事作りが面倒な時が多々ある。今度いつ会えるか分からないけど、何か美味しいもの一緒に食べたいな。お母さんとみんなでよく行ったあの寿司屋、あんな光景を再びと夢見ている。だからお父は会える日を楽しみにしている。

     

     取り留めのないことを書いた。今回会えないことは残念だけどコロナ自粛しよう。お父もひとり正月をする。お母さんのお墓はしっかり守っている。毎朝墓参して花も定期的に生け替えているから心配するな。では、元気でな。

  • 今朝は朝焼け 2020年12月18日

     朝焼け

     

     今朝も暗いうちから出勤してきた。何があるってわけじゃないけど、早く目が覚めると出勤支度が早く終わる。じゃあ行こうかって気持ちになる。私にとっては我が家も事務所も私の城。だからどこにいてもいい。今朝は朝焼け。

     

     昨夜長女から電話があった。正月松江には行かないよって。もちろん東京の末娘も帰って来れないから、今度の正月は私ひとり。いや、妻とふたりっきり。息子には面会禁止だし寂しいな。コロナが憎い。

  • 永遠の愛 2020年12月17日

     目覚めると外は積雪。混雑の車を避けるため、暗いうちに出勤した。暖房をつけ、パソコンを開く。昨日の店主日記の手直しをする。これでよい。

     

     いつもの時間にお墓に行く。積雪の墓地は、ごみの収集のために管理の人が歩いただけ。他の足跡は見つからない。私が、墓参一番の足跡をつけておこう。

     

     いつものように声をかける。「昨日の店主日記、またかあちゃんが登場したよ。いい日記になった。これからも、ずうっとずうっと、登場してもらう。いいね」・・・妻の存在をいつまでもいつまでも。そして私と妻の、永遠の愛を誓うために。

  • 久し振りだね 2020年12月16日

     定休日なのに今日も仕事で出勤した。休みの日がそろわないカップルのためのアパート案内のために。先日は彼を案内した。同じアパートに今日は彼女の方。案内に行く車の中で会話と言ったらいいか、それとも単なる雑談か。それが私が仕事をする中での得意技なのである。

     

     彼女の話を聞くうちに、私の記憶は30数年前にさかのぼっていく。ここはデートの待ち合わせにいつも使っていた鳥取駅。改札口に向かって階段を下りて来る妻。いや、妻になる前の彼女の姿が見えている。私が彼女に向かって手を振っている。彼女も私に向かって手を振っている。改札を出る彼女。やあ、久し振りだね、逢いたかったよ。

  • 初雪 2020年12月14日

     朝の日課の墓参の帰り、小雨だったのが本降りになった。ワイパーの作動間隔を早めにする。しばらくの後、おや、白い粒もある。ワイパーに退けられた、わずかな白い物体はフロントグラスの縁を滑り落ちていく。霙ともつかない、この小さな白い物体、・・・初雪と言うのだろうか。

     

     昨日の夕方、アパート案内をした。暖房のない所は室内でも、やはり寒い。長時間の案内だったので芯まで冷えた。事務所を閉め、帰宅する。明かりのないリビングは冷え切っている。エアコンを付け、シャワーを浴びる。浴槽につかりたいのだが時間がもったいない。

     

     寒くても、風呂上がりのビールは欠かせない。だから寒いんだよと思いつつも、習慣だからと自ら慰める。いつまでも寒いから、石油ファンヒーターに切り替えた。そして抱きつくようにその前に座る。ああ、暖かい。火の方が暖かい。・・・明日は雪になるって言ってたなあ。初雪なんだなあ。

  • 木刀の素振りの力 2020年12月12日

     天気予報では、山陰でも明後日の月曜日から雪になると言っていた。小さめの車なら私にもできる。朝一番で営業車、日産マーチのタイヤ交換をした。スタッドレスに替えた。これで大丈夫、降るなら降ってみろ。

     

     お尻のふっくら感を出すために、この頃スクワット運動をしている。ついでに、事務所に備えている木刀の数十回の素振りもしている。その効果だろうか、タイヤ交換が意外と楽にできた。息も上がらず。

     

     木刀はその昔、一畑薬師の参道の土産物店で買ってきた。もう半世紀も前のことだ。なぜ事務所に木刀を置いているのかと言うとこれがおもしろい。開業当時、案の定、反社会的存在らしい人々の来店があった。私はこれに恐れた。木刀は、護身用だったのである。

  • 出雲一の宮の散策 2020年12月10日

     昨日あれから3時に家に帰った。断捨離はもう疲れていてできないし、かと言って飲むのには早いし。車でぶらっと熊野大社に行こう。そうしようそうしよう。散策の中に新しい発見があるかもしれない。

     

     出雲一の宮「熊野大社」は我が家から車で20分の所にある。何年か前の正月、歩いて行って参拝したこともある。私にとっては馴染みの神社だ。楽しそうな若者達が数名。幸せそうなカップルが二組。仲良さそうな親子連れだろうおばあちゃんと中年の女性。岬めぐりの歌の歌詞が心をよぎる。「幸せそうな人々達と岬を回る一人で僕は」

     

     でも、心の中にはかあちゃんがいるんだ。・・・なんて美しい風景なんだろう。出雲一の宮のこの姿。

     

    熊野大社

     

  • 朝日 2020年12月09日

     朝日

     

     今日は定休日なのに仕事がある。なぜか、定休日には仕事がよく入る。とかくこの世はままならぬとはこんなことを言うのか。昔の人は良く言ったものだ。感心する。昔の人の方が、とんち力があったのかもしれない。テレビでこの頃のお笑い番組を見る時、いつもそう思う。

     

     てな訳で出勤してきた。朝早くに。とは言っても、やはり定休日は定休日。心はのんびりしたものである。同じ風景を見ても、心にゆとりがある。日の出はいつ見てもいい。これから、太陽のエネルギーが街を覆っていく。エネルギーがみなぎって来る。仕事が済んだら、何をしよう。

     

     今県庁に行ってきた。これで今日の仕事は終わった。さあ、これからどうしよう。お墓の花生け替えて、家帰ろうかどうしよう。

  • 初霜 2020年12月06日

     初霜

     

     今朝、今季の初霜を見た。初氷もあったとか。平年の初霜は松江市で11月22日だから今季は14日遅いことになる。でも、予報では今年の雪は多いという。先日、自家用車はディーラーでスタッドレスタイヤに履き替えた。営業車は後日、自分で替えようと思っている。

  • 喜びの涙を知った日 2020年12月05日

     先日、嬉し涙を書いた。そう言えば、嬉し涙を何回流しただろう。小さい頃からの記憶をたどってみる。が、ひとつ見つかったけれどあとは見つからない。嬉し涙は、私の人生で2回だけ。53歳の師走に1回。そして先日。悲しみはいっぱいあったけど、涙を流すほど嬉しいことはなかったということだろう。

     

     52歳の年末、病気で仕事を失った。途方に暮れた。長男は中学生、二人の娘は小学生。障害を持つ長男の世話で妻は働けない。人生最大のピンチである。3ヶ月悩み苦しんで、消去法で、不動産業を立ち上げようと決意した。それしか生き抜く方法はない。そして6ヶ月の猛勉強。宅建の免許である。

     

     合格発表の日、朝一番で建築センターへ行く。合格者名を記した、A3の白い紙を見る。あった。私の名前があった。猛勉強が実を結んだ。安堵して、車で宍道湖一周することにした。喜びをかみしめる時、涙がにじんできた。走る車の前方が見えにくい。けど、遠慮なく涙はあふれる。初めて、喜びの涙を知った日である。

  • 嬉し涙 2020年12月03日

     昨日の午後は写真の種分けをした。アルバムの一冊一冊をめくってみる。これはこの段ボール箱。これはあの段ボール箱と種分けていく。思えばよく写したものだ。時に変顔もあるが、みんな笑った写真が多い。長男も、長女も、末っ子も、そして妻と私。笑顔に幸せが溢れている。

     

     昼から煮込んだおでんが旨い。晩酌も進む。食器を洗い終わって、布団を敷いといて、そして炬燵の中。片手には焼酎のお湯割りがある。まだ8時半。やっと8時40分。後5分。遅々として進まぬ時計。9時になったら電話しよう。

     

     長女から、9時にならないと電話出れないと言ってたよと聞いていた。果たして出てくれるのだろうか。不安だ。でも掛けてみた。出てくれた。1分も話しただろうか、でも嬉しかった。嬉しさのあまり長女に電話した。末っ子と話したよって。じわっと涙がにじむ。まもなく粒になってこぼれていく。ひとつ、ふたつと。嬉しくて。

  • え、石切り場? 2020年12月01日

     昨夜のテレビドラマで「監察医 朝顔」という番組があった。連続テレビ小説だ。小説とあって現実との矛盾は多い。でもそのことには目をつむるとして、私は毎週観ている。どうしてか観たくなってしまう。

     

     どうしてかっていうことについて、昨夜そのことが分かった。主演の朝顔が可愛いこともある。それよりも彼女の父が、水害で妻を失ったこと。そのことについて興味がある。父親役の役者の、あの表情がいい。

     

     今日は定期通院の日、薬は隣の薬局でもらう。若い眼鏡の薬剤師さんが、私の体の様子を聞いてくれる。つい嬉しくなっていらぬことまで言う私。それに答える彼女、尾道出身だとか。向かいの島だとか。じゃあ、造船所があって、石切場があって。彼女、え、石切場?

     

     今日はよく話したな。病院で、女性の心電図技師さんに、あなたを見ると落ち着くね。医師に、奥さんテレビで見ましたよ。そして薬局・・・一度帰ってから、暗夜行路のコピーを届けた。その後お墓で、会うとよく話す隣のお墓の奥さんとエゴマの話。

     

      ローソンでカツカレー弁当を買って、食べ終わってコーヒー飲みながらYouTubeを見る。この頃、ただの失恋歌だと思っていたのが死別の歌だと分かる。山本コータローの岬巡り。山本潤子の会いたいな。マヒナスターズの北上夜曲。

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