店主日記

  • 秋鹿なぎさ公園 2023年09月26日

     朝の出勤の車の中の10分間、今日の、これから一週間の予定を立てるのが私のルーティーンだ。その日の予定は何回も反芻してきたはずなのに、今朝は昨日返さなきゃいけなかったチャイルドシートを返し忘れていることに気が付いた。

     

    なぎさ公園

     

     開業準備を済ませ、松江署内にある交通安全協会に行った。うっかりしてて遅れてごめんなさいと言って返してきた。せっかく出て来たんだからちょっと車で走ってみよう。そう思った瞬間、ハンドルは秋鹿なぎさ公園へと舵を切っていた。

     

     いつもの場所に立った。波ひとつない宍道湖が広がっていた。その遥向こうに、三瓶山が小さく霞んで見えていた。声を出すのでもないが、私はいつもこの場所でつぶやいている。今度いつ会えるのだろうか。今度孫と会ったらどこへ連れて行ってやろうか。なぎさ、どこがいいと思う?・・・明日は三瓶山に行こうな。

  • 暑かった夏が秋の気配 2023年09月24日

     おさな子が手にして良いものなど我が家には何もない。目が離せない孫がいるために、この一週間の娘の滞在期間中は私が晩御飯を作ることにした。だが私には、家庭料理など作れるわけがない。だから当然、好きだったキャンプで作る、簡単豪快な男料理で終始することになった。

     

     でもな、何かごちそう作ってやりたいなと、そう思った。孫が食べておいしい料理って、と思案していたら思いついた。トンカツにしよう。そうなんだ。私は高校生の時、レストランのアルバイトの厨房で肉料理はよく作っていたんだ。そうだ、トンカツがいい。

     

     大きめの皿に、キャベツの千切りを盛りつけた。そのサイドに、ポテトサラダとパスタをケチャップで炒めたのを置いた。厚めのトンカツ肉をパン粉で揚げた。サクサクサクと数枚に切り分けて先の素材の上に斜めに乗せた。さあ、トンカツの完成だ。

     

    大山

     

     娘たちの、これが我が家での最後の晩餐料理だ。孫が、よく食べた。母に小さくしてもらったトンカツをよく食べた。にこっとして、頬を膨らましておいしそうに食べていた。嬉しかった。もっとごちそうしてやりたいのだが、男の私にはこれぐらいしかできないから、ごめんな。また帰っておいでよ。

     

     写真は中海から見た大山。昨日の朝の別れが寂しくて、寂しさに押しつぶされそうになって、その午後にたまらずに中海一周のドライブに出かけた時に撮ったもの。夏の雲から秋の雲に変ろうとしていたその風景を望遠レンズで切り取ってみた。

     

     そして夜になった。この頃控えめにしていた焼酎を思いっきり飲んだ。無事着いたって言う娘のラインに、焼酎の影響だろうか、寂しくなった、とそう返した。娘の既読に、・・・反省である。

  • またな・・・ 2023年09月23日

     見送り展望デッキから、東京行きの飛行機がすぐそこに見えた。搭乗通路に、ひとつだけ小さな窓がこしらえてあった。そこを見ていると、乗り込んでいく人々がちらりと見えていた。私は目を凝らして見ていた。あ、通った。娘が孫を抱っこして行く横顔がちらりと見えた。あ、っと思わず声を出してしまった。

     

    東京行き

     

     ジェットエンジンのうなりを高めて、間もなく飛行機は滑走路へ入り、ゆっくりと西へと進んでいった。そしてユータンして宍道湖目指して加速していった。やがて前輪を浮かせ、上空へと飛び立っていって、その姿はだんだん小さくなっていった。やがて視界から消えようとしたその瞬間、太陽の光を弾いてキラリと光った。見えぬ機影を、私はいつまでもいつまでも追い続けていた。

     

     僅か一週間だけの暮らしだったのに、それが思い出となって蘇ってきた。孫の笑顔がまぶたに浮かんだ。娘の笑い声が耳元に蘇ってきた。行ってしまうんだな。今度いつ会えるだろう。またな、また会おうな。達者で暮らせ。

     

     ひとりでの帰り道、グレープが歌う精霊流しをCDで聴いた。無縁坂を聴いた。縁切寺を聴いた。こんな気持ちの日には、グレープの歌声が良く似合う。ボリュームを上げて何回も何回も繰り返し聴いた。歌ってみたが、声は途切れて、また途切れてしまった。

  • みんなで 2023年09月21日

     一昨日、朝一番の飛行機で東京から帰って来る末娘を出雲空港まで迎えに行った。その足で出雲市に行き、息子に面会した。帰り、いつもの花屋さんでお墓に供える花を買い、妻の、母の、おばあちゃんの墓に線香を灯した。夕方になったらみんなで回転寿司に行った。家族みんなでこの回転寿司にはよく来たものだった。

     

     昨日は大山の「大山トムソーヤ牧場」に行った。孫がヤギのブースではしゃいでいるのを見て、連れてきて良かったなと思った。1時間ほどで牧場を後にして、桝水高原に向かった。桝水高原のそよ風は秋だなって、そう感じさせてくれるそのそよ風が気持ち良かった。盛りを過ぎたであろうマツムシソウが優雅に風にゆれていた。そして夜、最終便の飛行機で末娘は東京へと帰って行った。

     

     ひとり抜けると寂しい。その寂しさを孫の笑顔が補ってくれる。やっとこの頃仕方なくかな、私に抱かれてくれるようになった。だけどすぐに嫌がる。嫌がっても、でも笑顔が残る。その孫とも明後日の朝にはお別れだ。また、私のことなど忘れてしまうのだろうか。

     

    マツムシソウ

     

     何年前だっただろう。今日のように、マツムシソウが風に揺れていた。妻と私と、長女と末娘と大山の桝水高原に訪れた。観光リフトにみんなで乗った。二人乗りのリフトに、長女と末娘が並んで乗った。妻と私が並んで座った。下る時には弓ヶ浜半島が見えていた。あの時の、みんなの笑顔が懐かしい。

  • どうだろう 2023年09月17日

     1歳半の孫が母の膝の上で手を振ってくれた。じゃあ行ってくるからね。5時過ぎには帰って来るよ。1年ぶりに、今家庭らしきものを味わっている。妻によく似た長女。背格好も、顔だちも、気の強さだって何もかも良く似ている。そして妻の生まれ変わりの孫がいる。そして、明後日には東京で暮らす末娘が帰って来る。一泊だけだけれど。

     

     先ほど、午前中に予約のあった来客の対応が終わった。後はお昼過ぎの予約で今日の予定は終わる。向かいの、パソコンデスクの妻はどう思っているのだろうか。もしいたのだとしたら、今日は日曜日だし、早仕舞いにしようよって言うのだろうか。早く帰って孫と一緒に暮らそうよって、そう言うのだろうか。

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