店主日記

  • 嬉し涙 2020年12月03日

     昨日の午後は写真の種分けをした。アルバムの一冊一冊をめくってみる。これはこの段ボール箱。これはあの段ボール箱と種分けていく。思えばよく写したものだ。時に変顔もあるが、みんな笑った写真が多い。長男も、長女も、末っ子も、そして妻と私。笑顔に幸せが溢れている。

     

     昼から煮込んだおでんが旨い。晩酌も進む。食器を洗い終わって、布団を敷いといて、そして炬燵の中。片手には焼酎のお湯割りがある。まだ8時半。やっと8時40分。後5分。遅々として進まぬ時計。9時になったら電話しよう。

     

     長女から、9時にならないと電話出れないと言ってたよと聞いていた。果たして出てくれるのだろうか。不安だ。でも掛けてみた。出てくれた。1分も話しただろうか、でも嬉しかった。嬉しさのあまり長女に電話した。末っ子と話したよって。じわっと涙がにじむ。まもなく粒になってこぼれていく。ひとつ、ふたつと。嬉しくて。

  • え、石切り場? 2020年12月01日

     昨夜のテレビドラマで「監察医 朝顔」という番組があった。連続テレビ小説だ。小説とあって現実との矛盾は多い。でもそのことには目をつむるとして、私は毎週観ている。どうしてか観たくなってしまう。

     

     どうしてかっていうことについて、昨夜そのことが分かった。主演の朝顔が可愛いこともある。それよりも彼女の父が、水害で妻を失ったこと。そのことについて興味がある。父親役の役者の、あの表情がいい。

     

     今日は定期通院の日、薬は隣の薬局でもらう。若い眼鏡の薬剤師さんが、私の体の様子を聞いてくれる。つい嬉しくなっていらぬことまで言う私。それに答える彼女、尾道出身だとか。向かいの島だとか。じゃあ、造船所があって、石切場があって。彼女、え、石切場?

     

     今日はよく話したな。病院で、女性の心電図技師さんに、あなたを見ると落ち着くね。医師に、奥さんテレビで見ましたよ。そして薬局・・・一度帰ってから、暗夜行路のコピーを届けた。その後お墓で、会うとよく話す隣のお墓の奥さんとエゴマの話。

     

      ローソンでカツカレー弁当を買って、食べ終わってコーヒー飲みながらYouTubeを見る。この頃、ただの失恋歌だと思っていたのが死別の歌だと分かる。山本コータローの岬巡り。山本潤子の会いたいな。マヒナスターズの北上夜曲。

  • 一緒に、テント張って食事作ったんだ 2020年11月30日

     長女が学生の頃、妻が選んで掛けた長女の生命保険がある。長女が結婚した後、掛け金の支払義務はもちろん、名義もすべて渡した。昨夜、その長女から電話があった。他業者から、良い提案があった。解約してもいいか、って。答えはもちろん、いいようにしなさい。

     

     先日、二人目を妊娠しているある業者の担当者の来店があった。いろいろな話の中、子供たちのこと、心配していないかって聞く。いや、ちっとも心配なんかしていない。しっかりと育ててきたから。と、そう答えた。私は、子供たちが小さい頃から子供たちを信じてきた。子供たちの行動を信じてきた。私は、信じることが一番いい教育だと思っている。と、そう答えた。

     

     お父さんは、私のことなんかどうでもいいんだねって時には思った。結婚式の手紙で長女はそう言った。でも、信じてくれていたんだね。とも言った。指図されたって、人は育ちはしない。子供たちには自由に育ってほしい。伸び伸びと育ってほしい。・・・そんな考えもあるんだよって、担当者に知ってほしかった。だから、いっぱいいっぱいキャンプ連れて行ったんだよ。一緒に、テント張って食事作ったんだよ。そしていっぱいいっぱい遊んだんだよ。

  • エゴマの効用 2020年11月27日

     気になることがあったので、早くに目が覚めて、二度寝が出来なくて、暗いうちに出勤してきた。そして気になる仕事を終えて今ほっとしている。写真は、事務所から見る日の出の風景だ。

    朝日

     

     先日ミニ同窓会の日記を書いた。参加者の一人は、松江市に住みながら、出身地の奥出雲町でエゴマの栽培をしている。それを油にして小瓶に入れて同窓会の面々にお土産として配った。

     

     会場での彼との話である。私「乾燥で、指先までひび割れて痛いからこの頃ボウリングにも行っていない」 彼「どれどれ、」と私の指先を見る。そして指先を触れ合ってみた。なんと彼は、子供の肌のように潤いがある。彼「エゴマの効用だよ」

     

     あくる日、ティースプーン一杯を食してみた。そのまたあくる日のスパーのレジである。財布から千円札が難なく引っ張り出せた。え、と驚く。あんなに苦労した支払いなのに。たったいち日で指先に僅かな潤いが。ほんとにすごい。ヤマさん、有難うな。(注 効用には個人差があるかもよ)

  • プラトン 訳 2020年11月26日

     いつもの花屋さんとお墓には行ったけれど、いち日中家にいて断捨離の実行をした。今日からは妻が化粧室として使っていた部屋の押し入れだ。ずいぶんと多くの箱の中に多くのものが収めてある。ひとつひとつ確認しながらの作業である。中に、マジックインクで書かれた「プラトン 訳」の箱があった。妻は、大学でギリシャ哲学を学んでいたのである。

     

     数十冊のノートに、妻の字がぎっしりと埋まっている。晩年の、流れるような崩し字は見つからない。青年らしい、だけどまだあどけなささえ感じてしまう硬い角ばった字が並んでいる。背伸びして、それでも懸命に主張しようとしている字が並んでる。その、ひとつひとつの字の所々に晩年の妻の崩し字の原型を見た。これは、本棚の哲学書の横に並べておこう。

最近の記事

カテゴリ

ページトップ