店主日記
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鳥取の人
2022年09月27日
朝から雨が降っている。こんな日は気持ちが滅入るからメールの中の写真を眺める。あの人の、X女子の写した写真を眺める。秋晴れの爽やかだったあの日、日本海を眺めながら車で鳥取に向かった。妻との、思い出がいっぱい詰まった鳥取に向かった。どこを見ても恋人時代の思い出が蘇ってくる鳥取。(写真はX女子撮影)

娘と孫との半年間の生活にしっかりなじんだ。そして彼らは去って行って今は寂しくて。この前の日曜日の昼休み、ある人を誘って一時間のドライブを楽しんだ。細身で小柄な彼女、鳥取の観音院で出会ったあの人にどこか似ている。そんなこと想いながら一時間の会話を楽しんだ。心安らいだ。
さて明日は定休日。月末だから息子の入院費の支払いに出雲市に向かう。天気もよさそうだし、その後どこへ行こうかと迷っている。三瓶山に上ろうか、それとも石見銀山の町並みを歩こうか。それとも懐かしさに心惹かれる奥出雲町に行こうか。どうしよう。どっちにしても、誰にも束縛されない気楽なひとり暮らしを楽しもう。
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海
2022年09月24日
いつものスパーマーケットに行った。昼の弁当と3日間の夕食の材料を買うために。ひとりでの買い物にもだいぶ慣れてきた。恥ずかしさが少し減ってきた。いつものレジ係りの女性に言う。寂しくなったって。そうでしょうね、いちばん可愛い時だったものね。そう言って答えてくれた。少し気持ちが落ち着く。

ところで鳥取の観音院で出会ったあの人、この海を見て何を思ったのだろう。何が海の向こうに見えたのだろう。空の上に何を見ていたのだろう。ひとり車で来たんだから独身だと単純に考えてしまったけれど、どんな暮らしをしているのだろう。名刺で私の店主日記、見てくれたのだろうか。(写真撮影 あの人)
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鳴り石の浜
2022年09月23日
娘が海外へ出発してから半月が経った。久し振りに家庭の味を覚えて半年、すっかりその生活になじんでしまった。だけどまたひとり。孫の鳴き声も笑い声も聞こえやしない。風呂だって、湯船につかっていたのに今はシャワーで終わっている。会話もない夕食。凍り付いた空気。我が家には見もしないテレビの音しか聞こえない。今、私は寂しさの頂点なのだろうか。

こんな時は、あの人のことを想ってしまう。一目ぼれって、こんな気持ちを言うのだろうか。心に、永遠の妻がいるから愛することはできないけれど、大好きにはなれるから。願わくは友達になりたいな。特別な友達になりたいな。私の大好きな、ドライブを一緒にしたいな。いちにち中車で走っていたいな。そしていちにち中会話していたいな。
塩谷定好写真記念館の近くに鳴り石の浜がある。こぶし大から、それより大きな石たちがたくさん集まっている。波が来てはその石たちがぶつかり合って音が鳴る。ゴロゴロゴロと音が鳴る。不思議だなって思ってしまう。ここであの人は石を積んだのだろうか。石を積んで、そして何を願ったのだろうか・・・ ・・・名前も聞かなかったけれど、聞く勇気もなかったけれど、寂しいけれど今日であの人の写真展は終了する。X女子様、写真の提供ありがとうございました。いや、時々使わせていただくかも。
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男心と秋の空
2022年09月22日
秋になると、太平洋高気圧の弱まりによって、低気圧と高気圧が短い周期で通過していく。それによって、人の心の変化の周期も早くなっていく。そんなふうなことが今朝の新聞に載っていた。それでかなあ、昨日からすごく寂しい。人恋しくてたまらない。断捨離もできないままでいる箪笥の中の妻の洋服。一番好んで着ていたカーディガンにこっそりと頬ずりして出勤した。男心と秋の空だ。

昨日の定休日、安来市の加納美術館に出かけた。「土門拳記念館コレクション展」を観るためだ。日本海側の豪雪地帯、酒田市にその記念館はあるらしい。一度行ってみたかった憧れの写真家土門拳。近場で見ることができたこの喜び。前夜から興奮していた土門拳。志賀直哉のポートレートも見れて言うことなし。

話変わってX女子。教えて差し上げた塩谷定好写真記念館。琴浦町の国道9号線近くの海辺の町にある。どうやらそこにも行ってくれたらしい。駐車場から見える「波しぐれ三度笠」の凛々しい姿が映されている。彼女、案外写真のセンスもあるらしい。(写真はX女子撮影)
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台風一過
2022年09月20日
台風は昨夜のうちに松江市を過ぎ去っていったらしい。蒸し暑かったこの2~3日だったが、今朝は肌寒さを感じるほどに爽やかだ。事務所から台風のために取り込んでいた鉢植えを外に出し、念のためにガラス戸に貼ったテープをはぎ取った。そして窓には時々陽も差すようになってきた。

あ、私の干支。そう言った声がちらっと聞こえてきたのを思い出す。鳥取の観音院で出会ったあの人である。観音院で頂く抹茶茶碗には干支の文字があって、抹茶を飲み干すとそれが浮き出てくる仕組みになっている。丑年らしい。寅年の私から計算すると48~49歳らしい。いいな、ぴったりだ。海を見るなら、日本海の海岸に連なって走る旧?国道9号線がいいですよと言ってあげた。魚見台は小さな漁港を見下ろす気高町の国道沿いのそそり立った断崖の上にある。そこから見る眺めは広大だ。彼女の感動の笑顔が浮かんでくるようだ。
今日は彼岸の入り、花屋さんのふたりの女店員さんともすっかり仲良し。先ほど、妻に新しい花を生けてあげた。明日は定休日、安来市を通れば田舎の先祖さんのお墓に行く途中に加納美術館がある。土門拳記念館コレクション展に行ってこようと思っている。良い一日になりそうだ。
写真撮影はX女子




