店主日記

  • ああ・・・行っちゃった 2022年09月09日

     娘が帰って来てから半年余りが過ぎた。孫殿が産まれてから5ヶ月半。親子げんかもせずに仲良く暮らした。孫殿は私によくなついて顔を合わせれば笑顔を作ってくれた。楽しかった。ある日突然妻を失った私にとっては天国のような暮らしだった。でもその幸せは今日で終わった。先ほど、昼前の飛行機で二人孫殿の父親のもとに出発していった。

     

     ふたりが出発ロビーに消える時、ちぎれるほどに両腕を振った。孫殿が不思議な顔をして私を見つめている。いつまでも私の方に顔を向けている。不思議だなあって顔をして私を見つめている。あれ、もう夜になっても会えないの。ひょっとしたらそう思ったのかもしれない。

     

    これだよ

     

     視界から消えていくのを確かめて展望デッキに出た。ローカル空港だからデッキから出発していく飛行機が間近に見える。もう、3年近くも会えないのかもしれない。そう思ったら景色がかすむ。出発まで後5分。不覚にもこぼれてしまった。

     

    行った

  • 雨の日の休日 2022年09月01日

     雨

     

     真夏の暑さはどうやら峠を越えたようだ。だがこの頃の雨の降り方にはまいってしまう。昨日の午後、孫殿を連れて宍道湖一周のドライブでもしようかと娘と3人で家を出た。雨は降っていたがこれぐらいの雨ならと、車で出発した。宍道湖が見えてきたあたりから土砂降りになってきた。それでもと、湖北線を西に向かって走っていたらますますひどい雨になってきた。たまらず、秋鹿道の駅、なぎさ公園の駐車場で一休み。ひとかき後のワイパーの直後、写真の状態なのである。たまらず引き返すのであった。

  • 風が気持ちいい 2022年08月28日

     朝から爽やかだ。事務所の入り口とバックヤードのドアを開け放している。秋の風が、湿気の少ない爽やかな風が事務所内を吹き抜けていく。時々カレンダーをなびかせながら。ステレオからは50年前にカーラジオで聴いていた懐かしい曲が聞こえてくる。仕事に妨げにならぬほどのボリュームで聞こえてくる。小さな声の英語でオンリー・ユーが流れている。夏の疲れが吹き飛んでいく。ああ、なんて爽やかなんだ。

  • 夕食当番 2022年08月27日

     今晩の食事当番は私の番だ。昼少し前、事務所近くのスーパーマーケットに買い物に行った。このマーケット、チェーン店だがこの店舗については規模的にはこじんまりとしたものだ。だからレジ係も少ない。ある中年のレジ係の女性と顔見知りになった。中年と言っても私の子供だと言ってもおかしくない年齢だ。明るい気さくな女性だ。あんた女好きだねえ。ちょっと可愛い人見るとすぐ声かけるんだから、と妻の皮肉が聞こえそうだ。がそこでいつも二言三言話す。

     

     そうしているうちに我が家の事情もすっかり呑み込んだようだ。暑さがぶり返したねと言って会話の糸口を作る。もう少しでお別れだねと言ってくれる。そしたらしばらくは会えないねと言ってくれる。むろん、娘と孫のことである。何の係わりもないひとりの女性、人としての心の温かさが嬉しい。

     

    律人

  • 百合の花 2022年08月22日

     毎朝通っている広い公園墓地の一角の、妻が眠る墓所ののり面の草むらにユリの花が咲いている。真夏に咲く真っ白いユリの花。決して美しい花だとは言えないユリの花。このユリの花は群れて咲くのをよく見かける。ただ一輪だけで咲くのは珍しい。どうして一輪だけで咲いているのだろう。

     

    ユリの花

     

     今、たまたま一緒に暮らす娘と孫、後15日ほどでお別れだ。国外に転勤になっている婿殿のもとに去っていく。半年余り一緒に暮らした娘。生を受けて5ヶ月共に暮らした孫殿。顔を合わす度ににっこりと笑ってくれる孫殿。あと半月ほどで去っていく。そして3年間は会えないかもしれない。私はまた、一輪ほどで咲くのユリになっていく。久し振りに賑やかだった今年の盆。楽しかった今年の夏。秋はもうすぐやって来る。

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