店主日記
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後10日
2023年04月13日
松江城二の丸の興雲閣の2階から見下ろす街の風景は黄砂ですっかり霞んでいた。若い二人連れの男性観光客が楽しそうだ。若い一人旅の女性観光客が二人、静かに見学していた。明治時代に建てられたという興雲閣、しっとりとした落ち着きが、案外若い人たちにとって魅力なのかもしれない。
スーパーマーケットの店内にもすっかり慣れた。ひとりで歩いていても恥ずかしさを感じなくなった。開き直れたのかもしれない。買い物をして帰ったのが3時。シャワーを浴びた。さてどうしよう。たまにはいいや、早すぎるけど、飲もう。
おかげでよく眠れた。出勤前の日課の墓参。命日まで後10日だよって囁いた時、5年前のあの時が蘇ってきた。静かに、静かに眠るように息を引き取っていったあの瞬間が蘇ってきた。悲しいけど、だけど懐かしいような、今ではそんな気持ちになってきている。
そして出勤の自家用車内、いつものCDの音が聞こえていた。いつもふたりで聴いていたあのCDの音が聞こえていた。偶然にも、グレープが歌う精霊流しの順番が来た。ふたりで聴いていた時の感覚とは全く違う感覚で聞こえてきた。♪線香花火が見えますか、空の上から♪♪
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だんだん
2023年04月12日
久し振りだ。いつから来ていなかったのだろう、と思い返してみた。
ある年の正月元旦早々の早朝のまだ暗いうちにやって来た。妻も、子供たちもまだ眠っていた。寝正月と決め込んでまだ眠っていた。いや、案外妻は気が付いていたのかもしれない。だけど、時々変なことするやつと知っていたから、だから気にかけていなかっただけなのかもしれない。
今日の松江城は人影少なく、天気は薄曇り。散策には持って来いの条件だと思った。階段をゆっくり上った。最初、興雲閣に入ってみた。以前来た時より整然としてきれいに見えた。コーヒーショップがあったけどスルー。今日はそんな気持ちになれない。
そして天守閣もスルー。周りから見上げるだけ。ゆるりゆるりと馬洗い池に下りた。そして二の丸に続く道を歩いた。大木が所々に伐採が施されていて、天守閣がよく見えて良かった。そう言えば初めてだ、この場所からこんな風景を見るのは。国宝、松江城の天守閣があらゆる方向からよく見える。そして、ひとりで歩くのはこんなにも静かなものなのかと思い知らされた。
今日は朝から誰とも口をきいていない。いつも行く花屋さんのお嬢さんと一言二言。二言目は「だんだん」だった。以前、あるおばあさんがあの花屋さんで私がだんだんと言ったら、久し振りに聞いたわと言った。私はあえてよく使う。ありがとうと言う方言を。コンビニでも、だんだんと言って帰って行く。
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松江城
2023年04月11日
今日と明日は月一度の二連休。朝遅くまで、と言っても8時半。よく寝た。墓参に行く道のコンビニに軍手を買いに寄った。見つけられない。店員さんに聞くのもなと思った。素手でするか。墓石のまわりの草むしりなのである。クローバーの蔓が妻の墓石のまわりだけによく伸びる。
事務所に出てきた。事務所前に大量のクスノキの葉が積もっている。佇まいが粗末に見える。定休日だけど掃除しようと段ボール箱いっぱいにした。草むしりと落ち葉掃除、汗が額から滴って目に染みる。車の調子悪いし、長距離ドライブしたくない。そうだ。久し振りに松江城の散策しようか。そうそう、今朝の山陰中央新聞。こだま欄に私の投稿が載った。
宍道湖大橋を松江城に向かって走っていた。が、やめようよというもう一人の私がいた。左折専用車線に乗り換えた。着いたのが秋鹿なぎさ公園。よちよち歩きの男の子がおばあさんらしき人と散歩していた。私も、会いたいなと思った。缶コーヒー飲みながら、文庫本を1時間読んで帰路についた。宍道湖には、白波が立っていた。
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猪さんへ
2023年04月09日
昨日の強風で事務所前に積もったクスノキの葉、今朝その掃除に40分費やした。一昨日の忙しさの疲れがまだ残っているからだろうか、それがプラスされて倦怠感が強い。今日は思考力なし。やる気も起きない。ま、そんな日もあってもいいかと開き直る。
先日の有馬先生の庭だ。写真の、こんな説明が書いてあった。数年前ここに来た時には、イノシシに宛てた注意書きが地面すれすれに建てられていた。文面は忘れたが、確か悪戯はよしてねって、そんな言葉が書いてあったと思う。思わず吹き出したのを思い出した。いくら年とってもそんなウイットは忘れたくないものだと思った。先生のように。
写真は彼女撮影。何を思ってこれを写したのだろう。説明の書き方に面白さを感じたのだろうか。先生の文章は普通に読めて、どこか違ったものがあって、何かがおもしろい。お人柄なのだろう。
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椿?
2023年04月08日
天気は良いが風が強くて肌寒い。出勤してきたら事務所前に葉っぱが散らばっていた。事務所裏の大きなクスノキが散らした葉っぱだ。落ちた木の葉は風に乗って同じ方向に動いている。動く速さも同じだから川の流れのようにも見える。その川の流れは緩やかにカーブを描いて私の事務所前まで来てつむじを作る。そしてアスファルトの上に落ちて溜まっていく。再び舞い上がってもつむじを巻くだけで他所に行くことはない。ここが川の終点ということになる。桜が終わった頃のけやき不動産前の風物詩なのである。
昨日、仕事が集中したので早朝出勤して30分の残業をした。11時間働いたことになる。そしたら昨夜、こむらがえりの痛さで目が覚めた。コピー機と事務机を行ったり来たりしたからだろう。何とか落ち着いて再び夢の中。7時の目覚まし時計で7時10分に布団から抜け出した。気怠い。軽い頭痛も。今コーヒータイム。今日は予定もなし、のんびりするか。・・・おお、外ではクスノキの葉っぱが風に舞っている。踊っている。
写真は、彼女撮影。有馬先生のクリスマスローズの庭で見つけた。私は、山野草の花の名は少しは知っているが樹木の名前には疎い。葉を見ると、椿のようでもある。花びらが八重になっている。淡いピンクが可愛い。・・・パソコン図鑑で調べたら、オトメツバキ(乙女椿)だとあった。