柿とそして竜宮城

2025年12月11日

 昨日の日記に、柿買いに行こうかなと、この店主日記に書いた。そして、道の駅「本庄」に向かった。まだこの時期に売れているのだろうかと心配していたが、あった。売れていた。合わせ柿じゃない方の、味柿が売れていた。4個入りで300円のを買った。

 

室内 一人の夜長は、いろいろなことを考えたり想像したり、過去の記憶を思い出したりする。だからたまには辛い時だってある。そんな私を解放してくれるのは、酒だったり、夕食後のデザートの柿だったりする。そして昨日の日本一小さな美術館も。

 

 秋になると、学校帰りのランドセルを縁側に放り出して、一目散に隣にある畑に植わった柿の木に上った。赤く熟れた実を見つけて、もぎ取って頬張るのである。それがお腹いっぱいなるまで続く。そんな屈託のなかった子供の頃を思い出すと、なぜか心安らいでくれる。

 

 モノクロームの写真を見て、新聞社の暗室が懐かしいと書いた。「ぼうや」と呼ばれた雑役時代、デスクに頼まれてある写真を写しに行った。それを現像してデスクに差し出したら、行ける!景さんやるんやなあと言われた。その後の私の新聞社の仕事は、カメラマンもどき。高校生で、こんな仕事してるの日本で俺ぐらいだろうなと、誇らしかった。青春時代の良き思い出だ。こんなこと思い出すこんな夜は、さながら竜宮城だ。

 

 甲子園の夏の県大会が近づいたある日、景さん、取材頼む。デスクにそう言われた。夜間高校が始まる5時前に行くと、昼間部の松江工業高校の野球部が練習に励んでいた。練習風景の写真を写した。監督に、主将に話を聞きメモに取った。あくる日支局に行き、写真を現像して、野球部紹介記事を起こす。大いに添削されて、後日の島根県版に載った。そうだよな、あの頃の俺、光ってたよな。

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