店主日記

  • 5月1日 2023年05月01日

    葉 5月になった。いかにも五月晴れらしい朝を迎えた。温かい。事務所前の落ち葉を掃き清めた。その瞬間風が強くなった。事務所裏からクスノキの落ち葉が舞い踊って来て、あっという間に再び事務所前に散らばった。そしてそれがつむじを作り始めた。・・・これが人生だよ。順調にいかないのが人生だよ。これが人生の縮図だよ、と思った。

     

     昨夜、私はどうして、妻に対してこんなにも未練がましいのだろうかと考えてみた。どうしてこんなに悲しいのだろうかと考えてみた。だが、なかなかに結論は見いだせなかった。そしてしばらくの時間思考することをあきらめた。そしたらやがてふと、と言うか突然に思い当たることがあった。

     

     私と妻は、いつも一緒だった。仕事もプライベートもいつも一緒だった。いつも一緒に居て苦痛じゃないのって他人は言った。いいや、苦痛なんかじゃないよ。とっても気楽で楽しいよって妻とふたりで答えていた。だから、休みの日も朝から晩まで一緒に居た。一緒にドライブ小旅行を楽しんでいた。

     

     私は、妻のことが大好きだった。心の底から愛していた。人を好きになるって、それは能力なのかもしれない。私に与えられた、人を愛することができる能力なのかもしれない。・・・そう思った。その能力は、私の人生から来ているのかもしれない。あるいは妻が与えてくれたものかもしれない。そうだな、そのふたつが合わさったものなのだろうな。昨夜、そんなことにふと思い至った。

     

     朝、カウンターに置いた飛沫防止のパーテーションを取り除いた。風景がすっきりとした。開放的になった。こんなことでも、人の気持ちって、変わるものなんだ。そう思った。

  • ウサギ 2023年04月30日

     車のエンジンをかけた途端、今日はこのあたりは大風ですとアナウンスする。損保会社が付けてくれたドライブレコーダーの音声だ。このドラレコ、会話していてちょっと笑って目が小さくなると「眠気を感知しました」と言う。お客様が乗っている時、これを言うとシーッと言いたくもなってしまう。

     

     大風だと言ったけれど、そのまま公園墓地に行ったら蝋燭に火が付いた。その火を線香に移し替えることができた。その時、一瞬風は止んでくれた。出勤してきたら事務所前は落ち葉が風に舞っていた。掃き掃除も意味がないな、と思った。その風も、しばらくしたらそよ風に変わった。今日は連休の二日目、行楽日和。家族連れの楽しそうな笑顔が見えた。

     

    ウサギ

     

     写真のウサギは、先日行った出雲大社で写した。因幡の白兎神話の関係から、ここ出雲大社には現在66羽のウサギがいるらしい。このウサギの数を数えながら散策するのも楽しいのかもしれない。写真を見てふとそう思ったから、家族連れの笑顔が見えたのかも。

  • 生命力のたぎり 2023年04月27日

     昨日、午前中のうちに出雲市の息子に面会した。その後、車の調子が良ければ三瓶山に行きたかった。だが再び出雲大社に行くことにした。水曜日の平日とあって観光客はこの前来た時と比べれば少なかった。お陰でとっぷりと思い出に浸って参道を歩けた。

     

    新緑

     

     朝までは、昨日来の雨が残っていた。出雲市に向かう途中、雨は止んだ。大社に着いて、歩き始めたお昼過ぎから陽が差してきた。天候には申し分なかった。先日と同じ場所に車を停めた。ゆっくりと歩いた。参道のすぐそこの新緑が陽を浴びて眩しかった。生物の生き生きとした生命力がうらやましかった。

     

     帰宅して、風呂を洗って湯舟に湯を溜めた。今年二度目の湯船入浴である。夕日が風呂の窓ガラスを染めていて明るい。ぬるめのお湯にゆっくりと浸かった。温かかった。温かさを感じると同時に、今日見たあの新緑のような、自らの生命力の滾りを感じた。湯舟には、そんな力があるのだろうか。それとも、夕日の力なのだろうか。

  • ありがたいと思う 2023年04月25日

     昨日、風呂の部品が届いたというので直してもらった。夕方帰宅するやいなやシャワーを浴びた。6日振りにシャワーを浴びることができた。こんなこと当たり前のことなのだが、有難いと思った。普段、当たり前のことが当たり前でなくなるととても不便を感じる。そしてその当たり前を取り戻すと有難いと思う。常に、当たり前のことを有難いと思う気持ちが大切なことなのだと、そう思う。それは分かっているけれど、当たり前が当たり前だと、それが当たり前になってしまう。知らぬ間にそう思ってしまっている。

     

    大鳥居

     

     写真は出雲大社の大鳥居だ。ここからが参道なのだろう。子供の頃、遠足で初めてここ出雲大社に来た。この鳥居を観光バスでくぐる時、あの扁額は畳6畳分の広さだとガイドさんが言った。そんな記憶がいつまでも心に留まっている。60数年前の記憶だ。

  • 思い出を有難う 2023年04月24日

     昨夜は早い夕食にすることにした。ふたりでワインで乾杯した。そして、数時間前の、参道を歩いた時の気持ちを振り返ってみた。出会いから別れまでの数々の思い出がよみがえって来て、走馬灯のように巡っていった。懐かしかった。時には辛いこともあった。だが、楽しかったこと、嬉しかったこと、そんな喜びが多かった。私には誰にも負けないこんなにたくさんの思い出がある。なぎさ、思い出を有難う。この思い出を宝にして、私はこれから生きていく。

     

    出雲大社

     

     美しいと思った。私には、信心はない。出雲大社に行ったとしても額ずくことはない。例え、拝殿の賽銭箱に賽銭を入れたとしても、手を合わすことなどない。それは、良いものを見せてくれて有難うという気持ちなのである。新緑の八雲山を背景に出雲大社の本殿は美しかった。すばらしかった。しばし、見惚れてしまった。

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