店主日記

  • 鳴り石の浜 2022年09月23日

     娘が海外へ出発してから半月が経った。久し振りに家庭の味を覚えて半年、すっかりその生活になじんでしまった。だけどまたひとり。孫の鳴き声も笑い声も聞こえやしない。風呂だって、湯船につかっていたのに今はシャワーで終わっている。会話もない夕食。凍り付いた空気。我が家には見もしないテレビの音しか聞こえない。今、私は寂しさの頂点なのだろうか。

     

    鳴り石の浜

    石を積む 

     こんな時は、あの人のことを想ってしまう。一目ぼれって、こんな気持ちを言うのだろうか。心に、永遠の妻がいるから愛することはできないけれど、大好きにはなれるから。願わくは友達になりたいな。特別な友達になりたいな。私の大好きな、ドライブを一緒にしたいな。いちにち中車で走っていたいな。そしていちにち中会話していたいな。

     

     塩谷定好写真記念館の近くに鳴り石の浜がある。こぶし大から、それより大きな石たちがたくさん集まっている。波が来てはその石たちがぶつかり合って音が鳴る。ゴロゴロゴロと音が鳴る。不思議だなって思ってしまう。ここであの人は石を積んだのだろうか。石を積んで、そして何を願ったのだろうか・・・ ・・・名前も聞かなかったけれど、聞く勇気もなかったけれど、寂しいけれど今日であの人の写真展は終了する。X女子様、写真の提供ありがとうございました。いや、時々使わせていただくかも。

  • 男心と秋の空 2022年09月22日

     秋になると、太平洋高気圧の弱まりによって、低気圧と高気圧が短い周期で通過していく。それによって、人の心の変化の周期も早くなっていく。そんなふうなことが今朝の新聞に載っていた。それでかなあ、昨日からすごく寂しい。人恋しくてたまらない。断捨離もできないままでいる箪笥の中の妻の洋服。一番好んで着ていたカーディガンにこっそりと頬ずりして出勤した。男心と秋の空だ。

     

    土門拳

     

     昨日の定休日、安来市の加納美術館に出かけた。「土門拳記念館コレクション展」を観るためだ。日本海側の豪雪地帯、酒田市にその記念館はあるらしい。一度行ってみたかった憧れの写真家土門拳。近場で見ることができたこの喜び。前夜から興奮していた土門拳。志賀直哉のポートレートも見れて言うことなし。

     

    三度笠

     

     話変わってX女子。教えて差し上げた塩谷定好写真記念館。琴浦町の国道9号線近くの海辺の町にある。どうやらそこにも行ってくれたらしい。駐車場から見える「波しぐれ三度笠」の凛々しい姿が映されている。彼女、案外写真のセンスもあるらしい。(写真はX女子撮影)

  • 台風一過 2022年09月20日

     台風は昨夜のうちに松江市を過ぎ去っていったらしい。蒸し暑かったこの2~3日だったが、今朝は肌寒さを感じるほどに爽やかだ。事務所から台風のために取り込んでいた鉢植えを外に出し、念のためにガラス戸に貼ったテープをはぎ取った。そして窓には時々陽も差すようになってきた。

     

    魚見台

     

     干支あ、私の干支。そう言った声がちらっと聞こえてきたのを思い出す。鳥取の観音院で出会ったあの人である。観音院で頂く抹茶茶碗には干支の文字があって、抹茶を飲み干すとそれが浮き出てくる仕組みになっている。丑年らしい。寅年の私から計算すると48~49歳らしい。いいな、ぴったりだ。

     

     海を見るなら、日本海の海岸に連なって走る旧?国道9号線がいいですよと言ってあげた。魚見台は小さな漁港を見下ろす気高町の国道沿いのそそり立った断崖の上にある。そこから見る眺めは広大だ。彼女の感動の笑顔が浮かんでくるようだ。

     

     今日は彼岸の入り、花屋さんのふたりの女店員さんともすっかり仲良し。先ほど、妻に新しい花を生けてあげた。明日は定休日、安来市を通れば田舎の先祖さんのお墓に行く途中に加納美術館がある。土門拳記念館コレクション展に行ってこようと思っている。良い一日になりそうだ。

     

    写真撮影はX女子

  • 台風がやって来る 2022年09月19日

    かろいち

    写真撮影はX女子

     海鮮丼先日出会った女性に、海が見たかったら鳥取市に魚市場があるからそこも見たらって勧めておいた。車を見送った後、その足で行ったらしい。「かろいち」の写真を一緒に送ってくれた。そしてお昼は海鮮丼ぶり。教えてあげてよかった。

     

     今日の松江市には夕方から夜にかけて台風が最接近するらしい。事務所入り口の大きなガラス戸の一枚ガラス4枚にテープを張り付けた。もし、壊れても飛散せぬようテープを内側から入念に張り付けておいた。何事もないよう願っている。

     

     ひとりぼっちになった時、その寂しさは別れの日からしばらく経った時にやって来る。妻との別れの経験からそれは良く分かっていた。そしてそれが今朝、突然にやって来た。どうしようもない寂しさが今朝突然にやって来た。娘達と別れたのが10日前。生きるって、辛いな。

  • 夢を見た日 2022年09月18日

     観音院

     

     先日の13日の日記に「儚い命」を書いた、その日のことである。  (写真撮影はX女子)

     久し振りに鳥取市に向かった。鳥取に来たら必ず立ち寄る所がここ観音院だ。いつものように、駐車場に車を入れバックで駐車しようとしている時だ。私の車より少し小型のまあるっこい洒落た車が入ってきた。県外車に女性がひとり乗っていた。その人と前後して参道を通り、拝観申し込みの受付に行った。

     

     細身の小柄だ。さらっとした髪が風の悪戯に揺れた。年齢は50歳少し手前に見えた。ジーンズのパンツはいかにも快活げに見えた。美人というより可愛いなってそんな雰囲気に思えた。拝観場所の縁側には私を含めて3人の客。先客が先に出て行き、ふたりだけの空間になった。静かに話せる距離感だ。その距離を与えてくれた先客に感謝である。

     

     抹茶を頂きながら庭園を鑑賞していた。いつしか、私の目はカマキリ(13日の日記)にそそがれていた。そしてそのカマキリが真鯉に飲み込まれる瞬間を見た。その時、「あ」っと言うわずかな悲鳴が上がった。彼女の視線もカマキリにあったらしい。

     

     カマキリも、もう少しの所で助かったんでしょうけど、と、私が話しかけた。あのう、と言う。彼女も私の車のナンバープレートを見たらしい。島根の方ですよね。明日は出雲大社に行くんですけど、今日夕方までに宿泊の出雲市に入ればいいんです。ゆっくりと山陰の風景を楽しみたいんですけど、どのコースを走るのを勧めますかって聞いてくる。特に日本海が見たいんですと。

    久松山

     

     出雲大社で出会った県外に住んでいた後の私の妻。カメラのシャッターを押したのがきっかけで遠距離交際が始まった。そしてやがて結ばれた。あの時の出会いの再現のように思われた。こんな可愛い人と交際出来たら楽しいのにな。そう思った。心に妻がいるから恋人にはなれない。特別な友達がいい。

     

     山陰を楽しむコースのアドバイスをした。そしてリュックサックからメールアドレスの入った私の名刺を取り出した。そして、写真が撮れたら送ってくださいませんか、と彼女に渡した。店主日記に使いたいんです。他県の方の、山陰の風景を見る感性が知りたいんです、とお願いしてみた。

     

     一緒に観音院を後にして参道を歩いた。そして彼女の車を見送った。車が視界から消えると、鳥取城があった久松山が眩しく佇んでいるのが見えた。

     

     昨夜、メールに写真が届いたのでこの店主日記に少しずつ使わせていただく。

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