店主日記

  • 2021年03月22日

     長い間、桜の花を忘れていたような気がする。今朝、あ、桜の花が咲いていると久し振りに感じた。早朝に、車で松江市道から左折して公園墓地に入った。すぐに公園道路の両サイドに植わっている桜の木の花びらを見た。木のそれぞれの個体によって、開花の花びらの多さに違いがあるのはおもしろい。

     

     子供の頃、我が家の庭で花見の宴があった。父が、職場から借りてきた数個の裸電球を桜の木に吊るした。近所の人々達と、裸電球の明かりの下の筵の上で飲めや歌えの宴が始まった。木次町の、川土手の桜並木のトンネルをふたりで歩いた。家族みんなして、三刀屋町の川端の御衣黄桜の下で花見弁当を開いた。どれもこれも懐かしい思い出。今年は、いちばん懐かしい木次町の桜並木のトンネルを歩こうかな。

  • 同じ思いの人がいた 2021年03月18日

     午前中、買い物を済ませた。鍋の残りでカレーを作ってみた。昼ごはんにしたが案外いけた。朝の墓参の後、ボウリングをしようと思っていたのに、急に行きたくなくなった。今、家にいても何か空しい。この空しさって、何だろう。

     

     こんな時には車がいい。エンジンをかけ、とりあえず走りだす。宍道湖北側の国道を走る。出雲市の平田町に来た時に行き先が決まった。出雲大社に行こう。参道を歩こう。幸せそうな人々達がいっぱいだけど、だけど構うもんか。

     

     ここに並んで写真を写した。妻たちのグループ3人と写真に収まった。この日がふたりの出会いの日だ。数日後、手紙が届いた。封筒には、4人の写真と手紙が入っていた。そしてしばらくの後、二人の恋は芽生えた。いや、出会いの日から芽生えていた恋なのかもしれない。 

     

    参道

     

     マスクっていいな。下手な歌を口ずさんでも見えないもの。誰にも聞こえないもの。それでも小さな声で歌う。「幸せそうな人々達と岬をまわる ひとりで僕は」 それからも、何度も一緒に歩いたこの参道。その思い出が嬉しい。それが空しい心を救ってくれる。

     

     帰り、再び妻に会いに行く。近所のお墓に、私と同年配ぐらいの女性が花を生け替えていた。初めて会う人だが、訊ねてみた。「(眠っていらっしゃるのは)ご主人ですか」って。「そう、2年半前に。それなのにまだ寂しくって」・・・心が通った。私の目にも、彼女の目にも、涙がにじむ。

  • 明日はどうして過ごそうか 2021年03月16日

     あんなに忙しかった昨日なのに、今日は打って変わって静かな一日だった。あと1時間で閉店の時間が来る。背中からは、末娘が使っていたミニステレオからフォークソングが流れている。お客様との会話に影響がないほどの音量で。BGM代わりである。

     

     さっきまで、山本潤子のCDをエンドレスにかけていたのだがフォークソングに替えた。彼女も私と同い年。もう年なんだから疲れるわなあって思って。だから、妻と二人で車の中で聞いていたフォークソングに替えた。

     

     さて、明日は定休日。どうして過ごそうかと考える。先週、長距離ドライブして疲れたから明日はおとなしくしていようか。それとも久し振りにボウリングに行こうか。右手の中指がひび割れていてボール持てないから左手で投げようか。さあてどうしよう。

  • ひとり占め・・なんだ 2021年03月15日

     大相撲が始まった。5時に仕事を終え、5分で帰宅。3分でシャワーを済ます。相撲を所々、取り組み場面を見ながら野菜をきざむ。すりニンニクを作る。ショウガを糸のように細い千切りにする。これが隠し味になる。鶏肉のつみれは出来合いのを買ってきた。これで準備OK。

     

    鍋

     

     缶ビールを飲みながら煮立つのを待つ。至福のひと時だ。やがてふつふつと鍋の表面が小刻みに揺れる。あくが出る時だ。まさにアップしたこの写真の瞬間だ。あくも、うまみ成分のひとつらしいからほどほどに掬い取る。肉も、魚も、野菜もふんだんだから栄養たっぷり。この鍋、直径30センチ。醤油味のこれをひとり占めするこの幸せ。でもな・・・この味妻と一緒に食べたかったな。

  • バイオリズム 2021年03月11日

     人の感情にも浮き沈みがある。昨日の定休日、遅くまで寝ていた。目が覚めて、食パンをかじりながらテレビニュースを見ていた。どんよりとした天気のせいだろうか。空に、灰色の雲が立ち込めているからだろうか。やけに寂しい。無性に寂しく感じてしまう。

     

    コバイモ

     

     耐えきれなくて、カメラを持って飛び出した。車に乗って、エンジンをかけてから目的地が定まった。川本町に行こう。春の妖精、出雲コバイモを撮りに行こう。私は、車の運転をしている時が一番心安らぐ。車内には、山本潤子の歌声がステレオから流れている。エンドレスに。

     

    群衆

     

     今は列車も通わぬ、哀愁を帯びた川本駅の改札口からホームを眺めて佇んだ。閑散とした駅前通りを歩いてみた。3階建てのビルには埃にまみれたスナック看板が掛けられている。再び車をを走らせる。県境を越えた。広島県の千代田インターで降りた。一般道をしばらく走って土師ダムを左手に眺めた。昔、自転車競技でオープン参加した会場がある場所だ。尾道松江線に入った。カーナビが、ドライブレコーダーが警告する。二時間が過ぎましたよって。

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