店主日記
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娘にも
2020年11月16日
今日は良く働いた。西へ東へ南へ北へとよく走り回った。疲れたけど、でも現場を見る楽しさがあった。ここの土地に係って、ここがどう変わっていくのだろう。好んでこの仕事を選んだわけじゃないのに、消去法で選んでしまった仕事なのに、ロマンを感じてしまう私がいる。
午後のティータイム。インスタントコーヒーを飲みながらYuoTyubeを見る。昨日の店主日記、「秋桜」のその曲が聞きたい。何度聞いても心が動く。母の気持ちにさせてやりたかったと書いた昨日の店主日記。娘にも、歌う嫁ぐ娘の気持ちにさせてやりたかった。今、そう思った。
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秋桜
2020年11月15日
事務所前の鉢植えのアマリリスに朝日が当たる。なめらかな緑の葉がそれを反射して眩しい。そよとも吹かない風。寒かった日曜日の朝、太陽が顔を出した途端にそのエネルギーが優しく肌に伝わってくる。なんて穏やかな。こんな様を小春日和と言うのだろうか。
山口百恵が歌った「秋桜」。こんな日和の日は思い出す。記憶のある部分だけ口ずさんでみる。百恵の美しい声、語りかけるような歌い方。はるか私の記憶から遠ざかっていた秋桜。この曲の、寂し気な母の気持ちを一度は味わわせてやりたかった。そう思う三度目の秋である。
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2連休
2020年11月11日
出雲市の息子に会った帰り、国道9号線を走る。この国道、宍道町からはほとんど宍道湖と接している。晴れた日は風景がよく見える。数年前まで見なかった水草が湖面にいっぱい。それを縫うように、数種類のカモたちが泳いでいる。カモたちの飛来はいつもと変りないけれど、こんな風景までにも無常を感じてしまう私なのである。
昨日から2連休、先祖の墓参を兼ねて紅葉を愛でに鬼の舌震に行った。駐車場の車がなんと多いこと。テレビ局のカメラまでやって来た。散策の1時間を晴れてくれたので天に感謝。でも子供の頃、水泳パンツで飛び込んだあのつり橋の跡形もないのは寂しいな。
夜はおでんにしよう。3時過ぎから大根の皮をむく。卵をゆでる。生の牛筋肉も買ってきた。3時半、鍋に点火。シャワーを浴び、テレビをつけた。お、鬼の舌震が映っている。そうなのか、「鬼滅の刃」なのか。そう言えば、鬼の何とかって言う岩があったよな。そして3時間煮込んだおでんのダイコンをほおばる。煮立たぬよう煮込んだはんぺんがやわらかくて旨い。・・・思い出した。鬼の試刀岩だった。
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温風が吹いた
2020年11月09日
長女夫婦は二人とも働いているので一緒に会えるのは土日だけ。幸いなことに昨日は仕事の予定がなかったので会うことにした。事務所に明かりを灯し、外出中の看板を出し、電話を転送に切り替えて出発した。婿殿の電子レンジなどの電気用品を車に積み込んで。娘がひとり暮らしで使っていたものだ。そう、もうすぐ婿殿は単身赴任。
かあちゃん迎えに来たよって墓石に言う。一緒に行こうなって墓石に言う。娘に会えるから楽しいなって墓石に言う。日曜日とあって車の流れは遅い。3時間後、尾道に着いた。昼はノンアルコールビールで乾杯、たこ焼きパーティーだ。やっぱり家族っていいな。
今朝、いつものように事務所前の掃き掃除をしていた。「幸せそうな人々達と岬を回る、ひとりで僕は」って歌詞が浮かんでくる。その意味が心にしみる。通学中の女子高生が、お早うの挨拶をくれた。突然、隙間風の心に温風が吹く。
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結婚指輪
2020年11月07日
亡くなった元近畿財務局職員の赤木俊夫さんの奥さん、雅子さんが映像に映る時、いつも左手の薬指の指輪が気になっていた。あるインタビューでアナウンサーが聞く。結婚指輪のことを。「これ主人のです。こうして触ると、主人が力をくれそうで」・・・雅子さん、がんばれ!
妻が外したことのない結婚指輪。晩年は太り気味だった妻。「外せませんけどどうします?」って看護師さんが聞く。そのままにしておいてください、と私。「ずうっとしていたいんだよな。ずうっと身に付けていたいんだよな。俺も、その時は天国まで持って行く。そして、また一緒に暮らそうな」