店主日記
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山の緑
2021年05月04日
いつかの5月の連休に、三瓶山に行った。北の原のレストランでなんと言ったっけ、何とかバーガーをふたりで食べた。妻が亡くなってから、それを食べようとひとり向かった。でも、その店は水曜日は定休日。思い出は果たせなかった。
今日、その三瓶山に行った。コロナウイルスの関係だろう、人との接触が少ない山の駐車場には車が溢れている。皆、考えは同じだな。仕方なく、頓原に向かって下ることにした。道の駅の国道の反対側にトイレのみを備えた駐車場がある。広い駐車場に2台の車だけが駐車している。静かでいいなって、持って来たサンドイッチを食べる。音楽を聴きながらしばし時間を過ごす。
緑がきれいだ。いつもそう思うのだけれど、太陽光の強さもあって今日は一段と鮮やかに見える。道路わきの駐車場スペースに車を停める。しばし見惚れる。美しい。濃淡の、変化がすごく美しい。
帰り、宍道湖西岸なぎさ公園に行ってみた。きちんと整備された公園ではない。ほぼ自然のその姿でこの一帯をそう名付けているらしい。妻と同じ名の公園、佇むだけで胸が熱くなっていく。
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奥出雲行き
2021年05月02日
計画通り、奥出雲町に出発した。土砂降りの中である。でも構うものか。サンドイッチ作って、フォークソングなどの音楽のCD積んで、カメラを積んで出発した。午後になったら小雨になるだろう。そしてやがては止むだろう。
11時、到着した。まず墓参だ。傘を差して線香を灯す。お父さん、お母さん、あんちゃん、半年ぶりだね。無沙汰してごめんねって墓参を終えた。鬼の舌ぶるいに行ってみる。まだ雨。駐車場でしばらく考えるが今日は歩くのやめておこう。
道の駅「奥出雲おろちループ」に行く。途中雨の中、車を止めて民家の屋根と新緑に見惚れる。やはり写真は、生活の匂いがあるのが好きだな。
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今日から5月
2021年05月01日
先日の大風と土砂降りで駐車場に松ぼっくりと落ち葉が散乱している。それが雨に濡れてアスファルトにへばりついている。もう少し乾いたらきれいにしよう。きれいにして連休を迎えよう。
明日はサンドイッチ作って私の故郷の奥出雲町に行こう。ご先祖のお墓参りしよう。鬼の舌ぶるいに行って「鬼滅の刃」で切り割られたような「鬼の試刀岩」でも見てみようかな。道の駅「奥出雲おろちループ」の駐車場でサンドイッチ食べながら文庫本を読もうかな。
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徒然に
2021年04月28日
定休日なのに早くに起きた。昨夕、妻の実家から届け物が届いたとの知らせがポストに入っていた。それを持って郵便局に引き換えに行った。帰り事務所によって玄関先を掃き清める。奇麗になったこれでよし。帰って贈り物を仏壇に供えた。そして朝食だ。
車修理のために島根日産に。夕方まで代車を借りる。代車より乗りつけた営業車の方がいいやってんで再び事務所に行く。営業車に乗り込んでさて、何をしよう。ボウリング?それともお墓掃除。そりゃあお墓に決まっているだろう。
1時間余りでお墓掃除終わって連休までの夕食の材料の買い物。昼は牛丼弁当にしようと同じスーパーで合わせて買った。それにしても、スパーマーケットの買い物にも慣れてきたものだ。当初、あんなに恥ずかしかったのに。今ではレジのおばちゃんに冗談まで言える。慣れるものなんだなあ。
そして三度事務所に行く。アストラッド・ジルベルトが歌う「いそしぎ」を聴きながら牛丼を食べながらこれを書いている。連休が近づいた。またひとりぼっちの連休がやって来た。どうして過ごそうか。サンドイッチ作って文庫本持って人のいない山道を車で走ろうか。山腹の駐車場で読書三昧もいいかもな。読書と言っても推理小説なんだけど。
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命日
2021年04月24日
4月23日は妻の命日である。金曜日だったけれど、仕事も休んで思い出の鳥取市に行ってきた。朝早くから、山陰道のない当時と同じように国道9号線をひたすら走る。3時間前後を要して鳥取駅に着く。あの時と同じだ。あの時と同じ改札口前に立つ。人々の中に、階段を下りて来る後に妻となる彼女の姿を見つけた。
どこへ行こう。今日は観音院に行ってみようか。そうだねって話がまとまって、池を前面に配した庭園を眺めながら抹茶を頂く。そんな思い出があるんですよ、ここにはってお茶をサービスをしてくれた奥様に言う。今日は命日でねって。じゃあ今は一人暮らし?って聞かれて、子供たちも皆出ていっちゃったから。
観音院を後にしてすぐ近くにある樗谿公園に行った。今では公園としてきれいに整備されているが、35年前はこうではなかった。小川が流れていて、蛍の生息地だと書かれた看板を見つける程度。ずいぶん姿が変わったんですねって、年配の女性に問いかけてみる。今日は妻の命日で、思い出をたどって来たんですよ。
今日はここまでにしようって松江に帰ってきた。車の修理の予約に島根日産に寄る。顔見知りになれた受付のカウンターの女の子たちに言う。今日は妻の命日でね、鳥取に行って思い出をたどって来たんだ。二人が住む真ん中の鳥取がデートの場所だったんだ。駅の改札口でね、階段を下りて来る彼女を待ったものだよ。月一回のことだったんだ。ロマンチックでしょ。
夜になって焼酎のお湯割りをちびりちびりと飲みながら今日一日を振り返ってみた。かあちゃん楽しかったなって。かあちゃんのこと、今までは言葉が詰まって人に話せなかったのに、今日は笑顔で話せたよ。妻にそう言って話しかけていたら涙がこぼれ始めた。とめどなくこぼれて来る。でも、悲しい涙じゃない。妻との、思い出がいっぱい詰まった涙なんだ。二人の、思い出が嬉しい涙なんだ。私にはそんな思い出がある、その感動の涙なんだ。