店主日記

  • もう一度会いたいな 2021年07月02日

    雲

     

     「余命宣言で覚悟ができる」と題した私の投稿が、山陰中央新報の「こだま」欄に載った。先月の24日付投稿の女性が問う、余命宣告に対しての私の考えである。死を告げられることは辛いことだけど、でも死への覚悟はできるのじゃあないかと。

     

     今朝は、朝から暑い。燃える太陽が肌を焦がす。妻が好きだった真夏の空である。家族みんなで泳いだ小波の海を思い出す。家族みんなでキャンプした香木の森が脳裏に浮かぶ。妻は、今日も雲の上から私のことを見ているのだろうか。でも、私には見えないから、もう一度会いたいな。

  • 悩むからいいんだよ 2021年07月01日

     家の近くのスーパーマーケットは水曜日がサービスデーで買い物客がいっぱいだ。幸か不幸か我が社の定休日と重なる。恥ずかしいけれど、いっぱいの買い物客と買い物を共にする。昨日の午後も、1週間分の食料を買い出しに行ってきた。中年のレジ係だ。「袋お持ちですか?」「入ると思うけど」って答えたら「これ袋にはいっていますから別に持てますからね」ってにっこり言う。1.8ℓ入りの焼酎のことだ。女性って、優しいなって思ってしまう。

     

     同じく昨日の朝のことだ。息子の入所施設の担当者が二人来た。重たい話だ。決断が必要だ。分かりましたと言って判断は先送りにした。その後、松江市役所で息子担当の人と話す。ひとりで悩むのは辛いから。どうして、今更このことで悩まなきゃあいけないんだろ、と思う。でもなって考える。悩むから、人生楽しいんじゃないか。

  • 木刀の味 2021年06月29日

     以前にも書いたけど、事務所に木刀が置いてある。妻とだったか、いや、母とだったかもしれないから遠い遠い昔のことである。一畑薬師の土産物店で売っていた木刀を一本買ってきた。それを竹刀代わりに素振りを初めて何カ月になるだろう。

     

     もちろん剣道などしたことはない。だけど、振り続けているとその動作がおもしろく味わえる、そんな感覚になっている。ひと振りして、ヴィユンと音がする時。同じ強さで早さだと思うのだけれど、スカッと抜ける時、おもしろいなと思ってしまう。もうひとつ。悩みから解放される瞬間だ。それに、私独特な思考方法だけど、趣味の探し方が木刀によって見えてきた。

  • 神秘的だなあ 2021年06月25日

     夢を見た。息子の将来を案ずる夢を見た。4時前に目が覚めて、考えたら眠れなくなった。布団を片付けて、台所で切れ味が鈍った包丁を砥石で研いだ。早朝から私は何をしているのだろう。来週の水曜日にやって来る息子の入所先の施設の職員、話す内容は察しが付く。だからなおさら考える。この気重さを、妻がひとり担っていたんだな。すまなかったな。

     

    トラノオ

     

     寝不足な分、体もだるい。それにこんな気持ちの日は、本来の自分の姿を取り戻すのに時間がかかる。花を見よう。先日写したトラノオの写真を見よう。一つ一つの花を順番に見ていく。まだ蕾なのが全部咲いたらどうなるだろう。その時には、下の花から散っていくのだろうか。それにしても、なんて神秘的なんだろう。

  • 赤名湿地のハンカイソウ 2021年06月24日

     ハンカイソウが赤名湿地に咲くらしいことを先日の新聞で知った。どんな花だろう、私は初めて聞く花の名前である。次の定休日には行って写真に撮ろうと決めた。そして昨日その実行をしたのだが、だが私には興ざめの感があった。

     

    ハンカイソウ

     

     私は草花の写真より、人を写すことの方が楽しかった。人の暮らしを写したかった。そんな40数年前、写友に誘われてサギソウを写しに赤名湿地には来たことがある。当時の記憶をたどりながら探すのだがその場所が見つからない。そうだ、スマホがある。便利になったものだと思う。迷うおもしろさには欠けるけれど。

     

     草花が好きだった母が亡くなって、それからのことである。私が山野草に興味を持つようになったのは。近くの山々を歩き回った。休みの度に、カメラと三脚と、山野草図鑑をリュックに収めて山々を歩き回った。そして思った。私には、名も知られずひっそりと咲く小さな花が似合うなって。だから昨日も、ハンカイソウよりも、ひっそりと咲くトラノオに心ひかれた。(後日、掲載予定)

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