店主日記

  • 神秘的だなあ 2021年06月25日

     夢を見た。息子の将来を案ずる夢を見た。4時前に目が覚めて、考えたら眠れなくなった。布団を片付けて、台所で切れ味が鈍った包丁を砥石で研いだ。早朝から私は何をしているのだろう。来週の水曜日にやって来る息子の入所先の施設の職員、話す内容は察しが付く。だからなおさら考える。この気重さを、妻がひとり担っていたんだな。すまなかったな。

     

    トラノオ

     

     寝不足な分、体もだるい。それにこんな気持ちの日は、本来の自分の姿を取り戻すのに時間がかかる。花を見よう。先日写したトラノオの写真を見よう。一つ一つの花を順番に見ていく。まだ蕾なのが全部咲いたらどうなるだろう。その時には、下の花から散っていくのだろうか。それにしても、なんて神秘的なんだろう。

  • 赤名湿地のハンカイソウ 2021年06月24日

     ハンカイソウが赤名湿地に咲くらしいことを先日の新聞で知った。どんな花だろう、私は初めて聞く花の名前である。次の定休日には行って写真に撮ろうと決めた。そして昨日その実行をしたのだが、だが私には興ざめの感があった。

     

    ハンカイソウ

     

     私は草花の写真より、人を写すことの方が楽しかった。人の暮らしを写したかった。そんな40数年前、写友に誘われてサギソウを写しに赤名湿地には来たことがある。当時の記憶をたどりながら探すのだがその場所が見つからない。そうだ、スマホがある。便利になったものだと思う。迷うおもしろさには欠けるけれど。

     

     草花が好きだった母が亡くなって、それからのことである。私が山野草に興味を持つようになったのは。近くの山々を歩き回った。休みの度に、カメラと三脚と、山野草図鑑をリュックに収めて山々を歩き回った。そして思った。私には、名も知られずひっそりと咲く小さな花が似合うなって。だから昨日も、ハンカイソウよりも、ひっそりと咲くトラノオに心ひかれた。(後日、掲載予定)

  • 夏至 2021年06月21日

     朝から真夏のような陽射しが続く。今日は松江市でも気温は30度を超すと天気予報士は言っていた。そして梅雨の真っただ中なのに空気は乾燥している。部屋の中にいても窓から入って来る風は半袖ポロシャツの腕に当たって爽やかだ。まるで秋の日の心地良さ。見上げれば、そう言えば秋の雲。

     

    秋の雲のような

     

     夏至とあって日が長い。早起きは苦にならないから朝早くに家を出る。早朝とあって行き交う車もまだ少ない。墓参に向かう。だあれもいない公園墓地、花の水替えて水を供えてロウソク立てて線香に火を灯す。かあちゃんお早うって呼びかけて、好きだよってささやいて・・・

  • ダンゴムシ 2021年06月17日

     この頃の、いつものように早朝に墓参を終えて出勤してきた。事務所前を普段と違う掃除の仕方をした。ナイフで草を削り取り、鍬で歩道の片隅にこびり付いた泥を削り取っていた。その泥にかばわれるようにダンゴムシがいっぱいいる。寄り添ったダンゴムシがいっぱいいる。

     

     こいつらも、必死で生きているのだろうな。与えられた命をまっとうしようと必死で生きているんだろうな・・・その時、なぜか分からないが昨日の社会福祉協議会で担当者と話したことが頭の中で反芻された。昨夜、テレビでプロ野球を見ながら考えていたことが反芻された。

     

     私も、 心のどこかで、私自身の運命に甘えていたのではないか。人生に負けていたのではないか。そう思った時、研修会で私が話すべき「親の気持ち」が見えてきた。今後の私の生き方が見えてきた。もっと、思う様に生きてみよう、障がいを持つ息子のことを書いて新聞に投稿した20年前のあの時のように。もっと積極的に生きてみよう残された人生を・・・そうなんだよって、ダンゴムシが教えてくれた。

  • ウツボグサ 2021年06月14日

     ウツボグサ

     

     雨上がりの朝、道端の草むらに群れて咲くウツボグサを発見した。淡い光の中にでも、花びらはその紫色を誇るように輝いている。実に美しい。ウツボグサは、戦国武士が弓矢を入れて背負う、あの靭(うつぼ)に似ているからその名が付いたらしい。名も知られずひっそりと咲く山野草、私は好きである。

     

     先日、一般社団法人日本自閉症協会島根県支部から、研修会の中で、自閉症の息子を持つ親の気持ちを話してほしいと頼まれた。そして昨日、社会福祉法人、島根県社会福祉協議会より正式な依頼の便りが届いた。何をどのように話そうか、担当者に相談することにした。適当に話せばいいことだろうけど、職業柄が出てしまう。でも楽しみだな。

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