気散じ

2022年10月27日

 私の故郷、奥出雲町に「きさんじ」という方言があった。背中が痒い。でも手が届かない。お、孫の手が!これでかく。「ああ、きさんじ」。そんな使い方をしていた。良からぬと思う人に罰当たり。こんな時にもきさんじと言っていた。ずいぶん大人になって分かった。古典の「気散じ」のことなんだということが。要するに、気をはらして・・・という意味だろう。

波

 

 昨日の定休日、墓参が終わった朝8時、鳥取市に向かって車を走らせた。目的はない。ただただ、旧国道9号線をひたすら走った。山陰道が開通し、旧国道は車が少ない。スピーカーからは70年代のフォークソングが流れている。鳥取に近づけば日本海。鳥取市街地に着いて、さあどうしよう。戸倉峠に上ってみよう。

 

 兵庫県に入って、中国自動車道を西にしばらく走って米子自動車道に乗り換える。米子道の最後のパーキングエリアに入った時、昨日初冠雪の伯耆大山がくっきりと見えた。いい風景だ。・・・夕方5時に我が家に帰り着いた。トリップメーターは392キロ。久し振りの長距離ドライブだった。

 

大山

 

 時には海を眺めてみた。戸倉峠の紅葉は美しい。兵庫県に下ったら山陰のとは違う太陽、光が明るい。流れる風景に心は和む。楽しみながら、過去の人生をを反省し、将来に思う。どうしてこうも、ドライブは楽しいものなのだろう。

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