店主日記

  • 青蛙 2022年06月24日

     一匹のアオガエルが妻の墓石の花立に住み着いている。初めの頃は何日かに一度見かける程度だったが、今は毎日だ。最初の頃は、私が近づくとぴょんと飛んで逃げていた。この頃は平気な顔をしている。30メートル離れた水くみ場に花立てを持って行くのにも逃げやしない。花を抜いて水を替え、また花を生ける。その時も花の中でじっとしている。

     

    アオガエル

     

     先日、新しい花を生け替える時、アオガエルに指先を出してみた。こっちへおいでと。少しどいててくれるって指先を出した。そしたらどうだ。指先に乗ってきた。そして草むらに指先を持って行くとぴょんと草むらに飛び移った。邪魔はしないよって、そう言っているようだった。この頃生き物を、じゃけんに扱う気持ちなどになれそうも・・・

  • 宍道湖一周のドライブ 2022年06月23日

     先日、娘が現役時代に一緒に働いていた幼稚園の先生が亡くなった。57歳の若さで。昨日、コロナ禍で葬儀には参列できないが、流れ焼香に喪服の娘を連れて行った。焼香には、大勢の人が来ていたらしい。

     

     午後、娘を連れて宍道湖一周のドライブに出かけた。孫はチャイルドシートですやすやとよく眠る。車中、スタバで買ったアイスコーヒーを飲みながら人の命の儚さにについて話してみた。58歳でひとり旅立って行った妻の人生を振り返りながら。

  • 続 ゆかり庵 2022年06月19日

     先日のこの店主日記に、友と奥出雲町の横田の「ゆかり庵」で蕎麦を食べたことを書いた。今日はその続編である。(ここに掲載する写真は皆友が撮影したものだ)

    蕎麦セット

     これがゆかり庵の蕎麦セットだ。おにぎりはひとつだが、ひとつ余分に注文して二人で半分にして食べた。

    ゆかり庵2

     

     ゆかり庵の雰囲気だ。こんなふうにテーブルがセットしてあり、座敷に座って食べるようになっている。あの日は、空調も必要ないちょうど過ごし易い気温だったので、蕎麦店となっている稲田神社の社務所から庭が拝観できるよう開放してあった。

     

    亀嵩駅

     

     

     あの日、帰りの車中、私は友に奥出雲町の魅力について話した。蕎麦が旨いことはもちろん、松本清張の「砂の器」が映画化された時の舞台となった亀嵩駅。 

     

     

     

     そして、私が育った三沢地区のトウトウの滝。何もかも素晴らしいって話しておいた。

     

     稲田神社があることから、八重垣神社も奥出雲町にある。近くには、鏡の池がある。そのことも忘れず説明しておいた。

    トウトウの滝

     

    鏡の池 これが奥出雲町の「鏡の池」である。

     

     行く途中、三刀屋町に永井隆記念館があること。これは絶対に見る価値があることを強調しておいた。そして彼女、昨日ひとりで行ってきたらしい。昨夜、写真が送られてきた。

    永井記念館

     永井隆記念館の館内は撮影可になっている。新しく建て変わってきれいだ。

     

     そしてロザリオ。・・・「長崎の鐘」という歌がある。

      こよなく晴れた青空を 哀しと思う切なさよ ・・長崎に原爆が落ちた日、良く晴れた青空だったのだろう。

     そして2番の歌詞を書き添えておく

       召されて妻は天国へ

       別れて一人旅だちぬ 

       形見に残るロザリオの

       鎖に白きわが涙

       慰め励まし長崎の

       ああ長崎の鐘が鳴る

    ロザリオ

     妻を失った私にとって、身につまされる2番の歌詞なのである。

  • ウツボグサ 2022年06月17日

    ウツボグサ 中学生の時の担任の先生からショートメールが届いた。今朝の新聞見た。元気で暮らせ、と

     

     切手を貼って投函した妻への手紙、そのことを書いた投稿が今朝の山陰中央新報の「こだま」欄の片隅に載った。今までの、数回投稿したものより今日のはつまらない文章だと思う。内容も深くはないと思う。だけど、なぜか今日のは私を泣かせる。

     

     「亡き人へお手紙出しませんか」新聞のその見出しにひかれた。早速書き始めた。思いの丈を書きたかった。書き始めた途端に涙が流れてくる。一通の妻からの手紙で始まった私たちの交際。100通ほどのやり取りで私たちは結ばれた。手紙は、私たちの人生だと言っていい。

     

     今朝、公園墓地の片隅の草むらに咲き始めたウツボグサを見た。何株かの集団で咲いている。中に、寄り添った二株があった。まるで、私たちのように。手紙にも書いたけど、また一緒に天国で暮らそうな。

  • みるくの里 2022年06月15日

     子育ての娘、気分転換がしたいのだろうと思う。明日どこか行きたい所ないかって昨日聞いてみた。行き先はどこでもいいからドライブしたいなって言う。そんな訳で、ほどほどの時間で着ける所。そしてどうせなら妻との思い出のある所、大山の「みるくの里」に行くことにした。

     

     松江は陽射しがあってむっとするほど蒸し暑かったのに、大山は風が強く小雨が降っていた。車のドアを開けると肌寒い空気が飛び込んできた。散策は無理。売店で土産物だけを、と言っても自分たちの物なのだがそれだけで帰ることにした。

     

    みるくの里

     

     みるくの里の玄関から中海を見つめる。弓ヶ浜が弓なりに弧を描いている。不思議だな。米子市だけに陽が射している。日本海が湿気でもやっている。島根半島の山々が墨絵のように見える。神秘的だ。この頃よくこんな風景を見る。こんな風景が気になる。と言うより、私の感性に変化が生じたのだろうか。そうかもしれないね。

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