店主日記
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思い出の賀露港
2024年01月03日
賀露港に行ってみようか。そう言ってレンタカーで賀露港に向かった。正面に海が見えた。風は強かったが、天気は良かった。沖からやって来た波が、石ごしらえの消波堤にぶつかって高く舞い上がっていた。波が来る度に高く舞い上がって砕けて散った。その波しぶきは、太陽の光に照らされて美しかった。ふたりして、しばし眺めていた。

今日は、ひとりでその場所に佇んだ。あの時の石造りの消破堤は無く、今は立派な防波堤ができていた。その防波堤は高さがあって向こうに海は見えなかった。40年経つと、風景も変わるんだと、そう思った。だけど、思い出に浸るには十分すぎる風景だった。あの時と違って、今日は波静かだった。
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誕生日おめでとう
2024年01月01日
妻との約束通り、誕生祝にドライブに出かけた。鳥取県の西部を回って、奥出雲町に入った。再び中国山地の県境を越えて広島県の高野町に向かった。高野インターから松江道に乗って吉田町で降りた。国道54号線で掛合町の道の駅の駐車場でステレオのCDを交換した。
70年代のフォークソングは3曲目になった。かぐや姫が歌う「赤ちょうちん」その瞬間、妻の声が聞こえた。「あんた、この歌が好きなんやなあ」そう言った言葉が、ついさっきのことのように蘇ってきた。懐かしかった。なぎさ、久し振りだな。助手席の妻にそう言った。

なぎさ、今日のドライブのフィナーレだよ。この曲繰り返すね。なぎさとふたりのドライブの記憶が次から次へと蘇ってきた。いつのドライブも、懐かしい。その懐かしい記憶を、赤ちょうちんが次々に誘い出してくれた。家に着く1時間、繰り返し繰り返しこの曲を聴いていた。
早い夕食にすることにした。なぎさ、誕生日おめでとう。乾杯しような。妻には、洒落たコップを持って来た。そしてコップを手にした瞬間、ある人が言った言葉を思い出した。「心に奥さんがいるから、景山さんは幸せだよ」・・・そうだよね。今日、とても楽しかった。久し振りに楽しい一日だった。心に妻がいるからだね。そうなんだね、有難う。なぎさ、ほんとうに有難う。楽しい思い出有難う。
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続大晦日
2023年12月31日
あれから奥出雲町に向かった。目的地は道の駅「酒蔵奥出雲交流館」だ。何のためかと言うと、前編で書いた「どぶろく」を買うためである。これを買って、大晦日の晩をひとり楽しもうということなのである。

写真のように、「D-269」と、D51と言う機関車のようなラベルになっている。以前から、あれは何のアルファベットと数字なのだろうと不思議だった。一度確認したいと思っていた。だがいつもそれを忘れていたので今日は店員さんに聞いてみた。そしてなるほどと納得した。皆さんも推理してみていただきたい。ヒントは、店員さんの言った一言で私が即座に理解したこと。
4時、松江に帰ってきた。いつものスーパーマーケットは依然、車が混雑していた。他人と駐車スペースを争うほどの度胸は無し、他の初めてのマーケットに行ってみた。何がどこにあるのか分からない。困ったなあ。
何かお探しですかと親切な店員さん。メリケン粉はどこですかと聞いてみた。え、っと、一瞬ひるんだ店員さん、だがすかさず、小麦粉はこちらです、と言った。あ、そうか、古語なんだ。昔はそう言っていたんですと、若い男性店員さんとふたりで笑ってしまった。ちなみに、メリケンとはアメリカのこと。アメリカから伝わった小麦粉だからメリケン粉と言っていた。フランク永井が「雨のメリケン波止場」歌ってたな。外国船が着く波止場のことだ
大晦日という特別な日は、より強く孤独を感じてしまう。だから何かで楽しもうと思った。飲みながら、お好み焼き焼くのもいいな。そう思って小麦粉が欲しいと思った。それにしても、教育が行き届いた店だなと感じた。それとも、店員さん一人一人の心なのだろうか。そんな企業の雰囲気なのだろうか。大晦日のこの思い、心に明かりがさした気がした。その店の名は、ひまり大庭店。
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大晦日
2023年12月31日
昨日は天気が良かった。朝から部屋の掃除をしながら布団を天日に干した。シーツも洗った。お陰で昨夜の布団は暖かだった。心地良かった。お陰でよく眠れた。途中、目覚めるのでもなく9時過ぎまで眠った。そして今朝、雷の音で目覚めた。とりあえず墓参しようと思った。公園墓地に向かい始めたら大雨。それでも何とか花の水を替えて、蝋燭灯して、線香に火を点けた。帰りにいつものスーパーマーケットに寄ろうとした。が、駐車場がいっぱい。家族連れが目に付いた。ああ、いやだな。幸せそうは人たちを見るの、いやだな。駐車場を一周して帰ってきた。
朝とお昼を一緒にしたご飯を食べ。午後どうしようかと思った。奥出雲町に行こうかなと考えた。道の駅で「どぶろく」というお酒買おうかと思った。明日は正月。ひとりぼっちの正月。妻がいて、子供たちがいて、楽しかった過去の正月が思い出された。するとなぜか、暖かだった先日の尾道行きが思い出された。あの日は楽しかった。
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思い出の三瓶山
2023年12月27日
目が覚めたら9時半だった。急ぎ朝食を食べて出雲市に向かった。病院の昼ご飯の邪魔はしたくないから早く行きたい。山陰道を走った。いつもの半分の時間、30分で到着した。息子との面会は楽しみだ。近くの身内はお前だけだから。
西に向かうと、どうしても三瓶山に向かってしまう。いつものように、大田高校の前を通って北の原に向かった。大田高校の前を通る時、三瓶山が正面に見える。所々に雪があるのが見えた。そして、進むのにつれて道路の両側に除雪した雪の塊が見えてきた。そうなんだ。山なんだ。

だけど、暖かだった。エアコンを消して窓を少し開けて走った。道路の両側に除雪された雪の山が解けて、その水が路面に流れていた。それが太陽の熱に照らされて水蒸気になって立ち登っていた。不思議だなあと思った。不思議な風景だなと思った。
久し振りにおでんが食べたい。煮込む時間が必要だから3時には帰って買い物をしたい。三瓶山は写真を撮るだけで通過、いつものように頓原に下りて来た。これからは松江に向かって走るだけ。その1時間余り、運転に酔った。飲酒した時のように何もかも忘れてしまう。不思議な瞬間だ。だから、ドライブが好きなのだろう。




