店主日記
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命日
2026年04月24日
妻命日のため休みますと、事務所玄関に貼り紙して昨日の朝の8時に出発した。松江市街地と、米子市街地をショートカットするためにのみ、山陰道に乗ったけれど、他は一般国道9号線を走った。二人が出会った頃には、山陰道はまだなかったからこの方が懐かしい。
鳥取市に着くまでは、18曲入りのCDが3回は繰り返したのだろう。だが、好きなグレープの精霊流しも無縁坂も縁切寺も耳には入ってこなかった。妻との、思い出話に話は弾んで音楽どころだはなかったらしい。そして車は目的地の賀露港に着いた。

賀露港は車でぐるっと走って、そのままその地を後にした。鳥取往復のドライブと、賀露港に来たという、この二つで今日の目的は達成だ。心残りは何もない。あの時、冬の荒波を二人で見た、防波堤に飛び散った波しぶき、その記憶が瞼の裏を巡って行った。それだけでいい。
たまにはと、上等なビールを2缶買って帰った。昨夜仕込んでおいたトンカツとチキンカツを揚げて早い夕食にした。今日の夕食はどうしてこうも楽しいのだろう。妻と乾杯したからだろうか。妻の弟から花束が届いたからだろうか。長女とラインしたからだろうか。それもあるが、長距離ドライブで妻と沢山の思い出話をしからだと思う。妻の天国での今の暮らしに、安心したからだと思う。いち日中雨だったのに、今日のドライブは楽しかった。鳥取に行って本当に良かった。
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飛び散る波しぶき
2026年04月20日
二人の住まいは遠距離だったので文通での交際だった。知り合って半年余り経った頃だろうか、もう一度会おうということになり、約束をした。会う場所はふたりが住む中間地点、鳥取市と決めた。私は3時間近くかけ、車で向かった。鳥取駅の階段を、改札口に向かって降りてくるだろう彼女を緊張しながら待った。
当時、鳥取市について無知だった。どこへ行く当てもない。とにかく車に乗り込んで走り出した。すると、妙に路上に建つ賀露港の案内板が気になりだしてハンドルを向けた。人っ子一人見当たらない閑散とした漁港だった。冬の荒波が防波堤に砕かれて空に飛び散っていた。白波が太陽の光を弾いて美しかった。
先日来、命日は妻との思い出と過ごすためにどこに行こうかと迷っていた。出雲大社か鳥取市かと迷って結論は定まらなかった。だが昨日、突然賀露港の防波堤に砕かれて飛び散る波しぶきの記憶が鮮やかに蘇ってきた。そうだ、23日の妻の命日は賀露港に行こう。
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花の中に花が咲いている
2026年04月19日
昨夜夢を見た。ストーリーなど覚えていない。ただ、その夢の中には妻がいた。3人の子供たちがいた。そして今朝、7時半に目が覚めた。明るかった。障子越しに陽の光が差し込んでいて、明るかった。もうみんな、起きているのだろうかと耳を澄ませた。ほんのわずか後、気が付いた。夢だったんだ。ほんの時々、妻の夢を見る。だけど、顔も姿も見えない。気配だけ。私の横か、斜め後ろに気配だけ。そして目が覚めた時、いつも今朝のように思う。もう起きたのだろうかと。そして耳を澄ませて気配を探る。だが、ほんのわずかの後、夢だったんだと悟る。
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あ
2026年04月18日
ツツジの花は、木から立ち上がった本の部分はロート状になっていて、先の方は5枚にさけている。だから花びらは1枚なのだ。その花にピンクのと紫のと白いのがあると先日来書いてきた。今朝よく観察すると、数知れない花の中に1輪だけ、ピンクと紫とが入り混じったのを見つけた。ピンクになろうか紫になろうかと悩んだ末に得た結論なのだろうか。今朝、事務所のバックヤードの流しでの事、電気ポットに瞬間湯沸かしから流れるお湯を入れていた。突然、恋しくて会いたくてたまらずに妻の名を叫んだ。この頃、よくそんな日がやって来る。妻の命日が近いからかもしれない。23日を、妻の思い出とどう過ごそうかと悩むからかもしれない。
花が好きなせいもあるかもしれない。この季節に咲くからかもしれない。日に何度か、ツツジの花を見に玄関を出る。正面の、県道の歩道と車道の間の植え込みにほほ笑んでいるツツジが恋しくもある。
あ、バッタだ。のぼり旗に止まり、そして玄関にやってきた。取っ手の周りを動いている。まるで事務所に入りたいみたい。そっと近づいてやさしく手を差し伸べたらどこかに飛んで行った。しばらくしてまた帰ってきた。よほどここが恋しいらしい。ふと、妻かもしれないと、思ってしまった。
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あ、白い花
2026年04月17日
午前中、「あじさいの会」の月例会があって出席した。今日の参加者は多かった。お昼になって、5人で昼食会。それが2時間続いた。話を聞いていて、ひとり親になったのは、やはり私だけらしい。男親で、なにをしていいか分からず、ごめんなってそう思った。日常と違う行動をすると、疲れるものらしい。2時半に事務所に帰った。ほっとして、応接の籐製の丸い椅子に座った。もう、何もする気などしやしない。朝のうちにすることをしといてよかったなと思った。背伸びして、ツツジの植え込みに目が向いた。おや、白い花が咲いている。それが、雲の白さを写してなお白い。初めて見る純白の花、そうなんだ。色が無いのも個性なんだ。




