店主日記
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たこ焼きパーティー
2025年04月03日
先日の定休日、妻の墓石の掃除をした。何ヶ月振りだろう、そのせいか泥まみれになっていた。めったに掃除してあげられなくてごめんなとつぶやいた。花も生けてあげられなくてごめんとも思った。その後ぶらっと車を走らせた。なぜか、妻の面影が次から次と心の中を通り過ぎて行った。懐かしかったが寂しくもあった。
あ、そうだ、今晩はたこ焼きパーティーをしようよ。俺が焼くから、そうしようよ。妻の顔がにっこりと笑った。夕方5時からビールを飲みながら焼き始めた。焼き方上手いもんだろ、素人にしちゃあ。私好みにこんがりと濃い狐色に22個を焼いた。明日さあ、安来市の布部交流センターで雛人形の展示があるんだよ。行ってみようか。俺この頃、雛人形にとても興味があるんだ。
米子市から国道181号線だろうか、岡山に向かう街道沿いに有限会社岡田商店宗像店がある。販売商品は格安の野菜がいっぱいだ。先日行ってきた。友達は何種類かのを買い物袋いっぱいに買った。毎朝のサラダが欠かせない私は大きなキャベツを一個だけ買った。今朝もそのキャベツを食べた。写真は岡田商店。友達撮影。
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今日から4月
2025年04月01日
4月になった。新年度になったからって特別な気持ちは私にはない。年度替わりに何か体制に変化があるのなら・・・そう言えば子供たちが小さい頃のこの時期は楽しかった。新一年生だったり進級したりで我が家は賑やかだった。ただ今の私は、この月になったら心は騒ぐ。妻の命日がやってくるから。
この店主日記を辿ってみた。昨年の命日の23日はふたりで飲もうと書いている。23年にはポケットサイズの小さな遺影を握りしめてふたりが出会った出雲大社の参道を歩いている。22年21年はデートの思い出を辿って鳥取市の観音院に行っている。
今年はどうしようかな。23日は水曜日の定休日、午前中、出雲市の息子に合いに行こう。その足で三瓶山に行って石見ワイナリーでワインを一本買ってこようかな。そして夜はふたりで乾杯だ。長女も帰国したよ、もう安心だねと言ってふたりで乾杯しよう。
写真は先日、助手席から友達が写したもの。運転も熟練すると、より楽しくなる(無事故無違反の全日本交通安全協会表彰状取得)。ひとつには、目線が遠くに行く余裕ができるからだろう。残雪の伯耆富士が美しい。大山がよく見える。
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カレー食べようよ
2025年03月30日
妻が亡くなって2年ほど経った頃だろうか、ある人と出会った。今でも、亡くした妻を想うと心苦しいのに、当時の私はそのことで相当に病んでいた。そんな私に、気持ちを強く持って頑張ろうなと言う人はたくさんいた。それよりも、そうだね、寂しいよね。悲しいよね。辛いよねと言ってくれることの方が心安らいだ。彼女はそんな人だったのかもしれない。以来、ほんの時々ドライブに誘っていた。
息子のことで、私自身の病気のことやらでこの頃気持ちが落ち込んでいた。苦しさを打ち明けたいと言うことでもないが、人と話したかった。内容は何でもよかった。とにかく人と話がしたかった。ちょうど、あるアパートのオーナーから頂いたあるカレー店の招待券があったのでそれをネタに昨日彼女を誘ってみた。
さすがにカレー専門店の昼ご飯は程よくスパイスが効いていて美味しかった。その後、夕方までドライブに付き合ってもらうことにした。目的地などありゃしない。60キロ前後のスピードで流れゆく風景は眼に心地よい。そんな車内でふたりの会話は途切れることを知らない。取り留めのない話が永遠に続いて、夕方自宅まで送って行って別れた。
話し続けて疲れたのだろうか、晩酌の焼酎のお湯割りは旨くてその効果が早くに眠気を誘った。そして夢を見た。「今日は話せてよかったよ。リフレッシュできた。沈んだ気持ちが楽になった。明日からまた仕事頑張れる。懸命に働くよ。ありがとうね。」・・・そんなことをひとり呟いていた。彼女心の友達になれるのかもしれない。いやもう心の友達なのかもしれない。
写真は彼女撮影。日乃屋カレー松江店のカレーと米子市内のけやき通り。
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桜
2025年03月28日
今年も公園墓地の入り口の桜並木の桜の花が開花した。どんよりと曇っていたので、スマホのカメラを空にむけるアングルでは写真にならない。やや下向きにしたところ桜の花びらはきれいに写った。しかしただ、バックに現実感が映ってしまった。でもこれはこれで良しにしようか。
この頃よく考える。思いにふけることが多くなった。一昨日のこの店主日記、石見銀山世界遺産センターの木製のベンチに腰掛けた10分間、あれは何だったのだろう。幼時の記憶から始まって、高校生になりフリーターになり結婚生活が始まって時々の出来事が繰り返し、そして現在に至った。たったの10分の間に。10分間もベンチにひとり腰かけたことなどなかったのに。
私にはいろいろあった。だけど、暗いことばかりではない。夜間高校生の時、昼間はある新聞社でカメラマンもどきをしていた。毎日、私が写した写真が紙面をにぎわした。誇らしかった。こんな高校生が日本中私の他にいるだろうかと思った。また、ずぶの素人が不動産業を立ち上げ、20年経営を続けている。痩せても、一国一城の主だものな。来月25日はカテーテルアブレーション治療だ。心臓もリセットできる。まだまだ頑張らなきゃあ。
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一緒にリビングで過ごそ
2025年03月27日
昨夕、いつものスーパーでいつもはのぞかないコーナーに行った。魚の干物を買うためだ。「特大さばみりん干」が500円程であった。シャワーを終えて魚焼きグリルいっぱいに広げた。俺が美味しく焼くからな、と台所に立つ時はいつも妻に話しかけている。だから待ってなよ、とそう言って。
こんがりと焼いたみりん干は旨かった。濃い目にこさえた味噌汁のしょっぱさと、みりんの甘さがぴったりと調和して美味しかった。テーブルには、いつもは仏壇に置いてあるキャビネサイズの妻の遺影がある。夕方帰るといつもそうしている。仏壇に行って、帰ったよと報告する。そして、一緒にリビングに行こうよと誘っている。そして美味しいなと、そう話しかけている。