店主日記
-
妻のまわりに花が咲く
2025年06月21日
妻のまわりにはよく花が咲く。野草だけれど、その季節折々の花が咲く。今はネジバナが咲いている。妻を取り囲むように数株の花が咲いている。茎のまわりを小さな花が、ネジのように回りながら咲いている。小さな花が、下から右回りに上へ上へと登っていく。愛くるしいなと、感じてしまう。
昨日、9時出発で法務局に向かった。登記の要約書をひとつ取った。そして市役所、固定資産税課、このふたつは仕事のこと。同じく市役所の障がい者福祉課に息子のことで行った。国民健康保険課で手続きを終えた。このふたつは個人的なこと。終わって大急ぎで松江市総合福祉センターに向かった。
10時30分、間に合った。島根県自閉症協会の松江分会とでも言おうか、「あじさいの会」が総合福祉センターの一室であった。参加者はほぼ女性。だけど私も時々顔を出す。息子の置かれた境遇を話しておきたい。皆さんに認識しておいていただきたい。いつか後世に、きっと役立つ時が来るだろう。そう信じている。もう、7年間も入院している。病院で治療を受ける必要もないのに、ベッドに身体拘束されて9ヶ月になる。すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有すると言うのに、そうなった経緯を皆さんに聞いてもらっている。
-
ミノムシ
2025年06月19日
昨夜、ひとりたこ焼きパーティーにしようと思っていたのだが、朝の工事立ち合いの影響からか食欲がない。夕方、いつものスーパーマーケットでソーメンを買った。いつものあの、女性のレジに並んだ。「暑かったけど、大丈夫。熱中症にならなかった。こんな日は、水分補給しっかりしなきゃあね」なんていつも心配してくれる。父親と重なるのかもしれない。
今朝は昨日よりももっと暑い気がした。出勤して事務処理を少し片づけて近くのコンビニに税金の支払いに行った。市民税、県民税、それに森林環境税が含まれるらしい。なんのために働くんだろう。後期高齢者にもなってこんなに努力してるのに、生活も楽ではないのに、ついそう思ってしまう。いつになったら幸せと思える人生がやって来るのだろう。税金が苦にならなくなるのだろう。
そんな朝、焼けつくような幅4メートルの松江市道のアスファルトの上にミノムシがいた。懸命に横断しようとしていた。しばらく観察していると、この道を渡り切るのに10分はかかりそうなスピードなのだ。思わず頑張れ!。頑張れよ、俺も頑張る。5ヵ年計画を成功させてみせる。
-
真夏の暑さ
2025年06月18日
定休日には仕事がよく入る。今日も、真夏の太陽が朝から照り付けていた。8時30分に現場に到着、建物の部分塗装工事の立ち合いをした。白い壁がやけに眩しい。遠くに咲く白い花が輝いて見えた。この風景はいつか見た風景。子供の頃貧血で、よくこんな景色になったと思い出した。はたまた熱中症か。
2時間を何とかこらえた。事務所に帰ってエアコンを作動、水を飲んだ。30分もしたら落ち着いたが、だがまだ本調子ではない。でも車で走りたい。中海半周することにした。安来市、米子市、境港市を通ってベタ踏み坂を下って突き当りのT字路を右折すると間もなく道の駅「本庄」に着く。
建物入口の所にこんな工作物を見る。「弁慶生誕の地本庄」。ある昔、本庄の人が和歌山県観光に行ったそうだ。そこにも弁慶生誕の地があったという。それを聞き、ガイドさんに言ったとか。「じなくそいわっしゃんな」。と。「でたらめ言うな」という出雲弁である。今こんな言葉を使う人はいない。だけど私なら喋れる。なにせ、関西弁の中で働きだした時、こう言われた。「カゲさん、頼むから日本語使ってくれへんか」
-
梅雨の中休み
2025年06月17日
しとしとと雨が降り続いてアジサイの葉の上をカタツムリが這っている。そんな梅雨があって、ふと晴れ間が一日か二日続く。そんな風景を梅雨の中休みだと言っていた。ところがそんな光景は今はない。降る時は降って、それも猛烈に。そしてカンカンに晴れ渡ったりする。
昨日急に、真っ赤に燃えた太陽が真夏の暑さを連れてやって来た。かと思うと夕方、突然嵐がやって来た。のぼり旗が一本が強風で倒れた。その強風は強い雨をともなって木の葉などを巻き上げて事務所周辺に落としていった。今朝も暑い。1時間ほど早出をして汗をかきかき、周辺を掃き清めた。特に歩道は念入りに清めた。
今日は10時30分より、松江商工会議所で事業引継ぎ支援センターよりアドバイスをもらう。と、ここまで書いた所で9時30分、訪問者。ヘルメット被って誰だろうと思ったら中学校時代の担任の先生。7月7日は奥出雲町の温泉施設で同窓会がある。同級生の49人中21人が参加とか。そして先生と。49人の中にはご逝去された方も数名、大空を飛び回って我々を見守ってくれている。
-
朝一番のコーヒーを淹れる時
2025年06月13日
入院の時、長女がわざわざ東京から見舞いに来てくれた。飛行機代やレンタカー代がもったいないから来なくてもいいよって、そう言っておいたのに病室のドアをたたく音がした。長女が入ってきた。現況など話し合ってしばらくの後、エレベーターまで見送った。エレベーターのドアが閉じる冷たい音がして、そして涙がこぼれた。
あの時、一杯分がスティック状の袋に入ったインスタントコーヒーを持ってきてくれた。今朝も、それで朝一番のコーヒーを淹れた。事務所のバックヤードに流し台があって、そこに電気ポットを置いている。湯を注ぐ時いつもささやく。なぎさ、君はここで倒れたんだよ。
昼食の食器を洗いながら、明日の息子の入院を考えたんだろう。可哀そうだなって思ったんだろう。どんな入院生活になるんだろうと心配だったんだろう。そしていたたまれなくなった刹那、病魔が突然襲ってきた。ああ、駄目だどうしようと、お父さんってか細い声で呼んだんだろう。
なぎさ、今度の盆にね、長女と孫と、そして同じ東京に住む末娘が一緒に帰って来るよ。楽しみだね。楽しい盆をみんなで一緒に過ごそうね。そう報告した。ここで、妻が倒れたこの場所でいつも思う。今日もまたつぶやいた。もう一度会いたいな。もう一度一緒に暮らしたいな。