店主日記
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愛してる
2025年11月14日
キャビネサイズの妻の写真を、事務所のパソコンデスクのパソコンの横に立ててることは、以前この店主日記に書いた。今朝もそうしようと、リュックに入った写真を手に持った。その時、誰かが話しかけてきた。どうしてそうするんだい、って。そりゃあ、恋女房だからさ、と即座に答えた。先日義弟と、妻が好きな歌手は「野口五郎」だったという話を思い出した。ユーチューブで「私鉄沿線」を聴いた。いつの日かのドライブで、妻と二人でカーラジオから聴いた私鉄沿線、あの日の記憶がさっきの事のように蘇ってきた。あ、野口五郎だと、にっこりした妻の笑顔が浮かんできた。
会いたいな、と思った。そう思った瞬間、寂しさに心が耐えられなくなってきた。淹れたインスタントコーヒーもそこそこに、車に飛び乗った。どこへ行こう、とりあえず国道9号線を東に向かおう。知らぬうちに、中海半周して帰ってきた。そしたら、少し落ち着いた。
時々こんな日がやって来る。月に2~3度ほど、こんな気持ちがやって来る。もう、妻が逝って7年と半年が過ぎたのに、こんな気持ちの日がやって来る。私は今でも、あの頃のように、妻を愛し続けているんだなと、そう思った。そして、そう思うことが嬉しかった。
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清水さん
2025年11月12日
今朝は早く起きて長距離ドライブしようと思っていた。尾道市にしようかそれとも鳥取市にしようか迷っていたが、起きてから考えればいいや、そんな気持ちで昨夜は寝た。ところが、遅くまで寝てしまって、しょうがない、近場にしよう。
この季節は安来市の清水寺に行きたくなる。妻と秋遅くに行った思い出の記憶が強いからかもしれない。銀杏の木があって、その実が落ちていて、それを誰かが踏んで、帰りの車中、あの独特に匂いが車中にこもった。そして、君が踏んだんだろうって妻のせいにして、コンビニの駐車場で確認したら、私のせいだった。今日もあの時のように、紅葉がきれいだった。駐車場は平日なのに、思いのほか車が多かった。到着して、しまったなと思ったが引き返すのももったいないなと、歩くことにした。参道は、長いのぼりや階段になっていて、良い運動になるが、息が上がる。
一番上部にある本堂に到着した。威風堂々としたこの姿に、いつ来ても感動する。だからだろう、私は若い時から神社仏閣が好きでよく訪れる。だが信心はない。感動が好きなのだろう、妻との出会いもこの感動にあった。だから今日も妻に話しかけるのである。ほら、あの日の銀杏の木だよ。
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街路樹
2025年11月08日
写真は、私の通勤路の、ある交差点だ。もう紅葉が始まっていると何日か前、運転席からスマホで撮ったものだ。夏は葉を茂らせて日陰を作り、秋にはいち早く紅葉の素晴らしさを見せてくれて、冬は落葉して太陽の光を届けてくれる。素晴らしい街路樹の風景だ。昨夕、鍋料理を仕込みながらテレビを見るでもなく見ていた。アナウンスが今日は鍋の日ですと言った。ほう、俺は鍋の日に鍋を作っている。と、妙に感心した。そして、作業を進める。鶏のもも肉を1センチ幅にスライスする。これをフライパンでこんがりと焼く。鍋に入れると柔らかくて旨くなる。旨味が閉じ込められるのだろうと思う。
昨夜の鍋の味を思い出しながら、台所で朝の食器を洗っていた。ここに立つと、いつも思う。俺はひとりなんだねって。どうしてなぎさは先に死んでしまったんだろう。どうして俺はこの若さでひとりぼっちになってしまったんだろう。今朝は、殊更に強く、寂しさを感じてしまった。はらはらと、落ち葉舞う季節だからだろうか。
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カセットボンベ
2025年11月07日
今朝、ホームセンターでA4のコピーペーパーを買った。事務用品はいつもこの店で取りそろえることにしている。ついでに、カセットボンベも買った。支払いの時、ポイントカードを示す。このカード、妻が自分で自分の名を書いたもの、いまだに懐かしく使っている。
今晩は鍋料理にしようと思っている。先日の定休日、「道の駅本庄」で立派な白菜を買ってきた。鶏のもも肉も冷蔵庫の中に、つくね団子も豆腐も買っておいた。リビングのテーブルに、卓上コンロを置き、鍋が煮立つあの音を聞いてると、寂しさの心が和らいでくれる。湯気の向こうに妻の顔が見えてくる。
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カメムシ
2025年11月06日
一昨日、事務所の玄関横のコンクリートの上に仰向けになったカメムシを見つけた。平らな部分だからカメムシの手足はばたつかせてもどこにも届かない。このままじゃあ死んでしまう。可哀そうだったので、近くに飛んできていた落ち葉を横においてやった。そしてそれをつかみ、カメムシは立ち上がった。よっぽど苦しかったのだろう、立ち上がったまま、動かなくなった。
一日置いて今朝、何気なくガラス戸を見たらカメムシがつかまっていた。背中の模様が同じだから、同一個体なのだろうと思った。しばらくはそこにじいっとして事務所内をのぞき込んでいる。お礼に来たのだろうか、救ってくれてありがとう、と。同じく一昨日、取引先のあるアパートのオーナーが売り土地を持ってきてくれた。その日と昨日とで、物件調査を終えて今日から営業しようと思ってその準備をしていた。まだネットに出すつもりはなかったが、印刷のため、ちらっとネット公開した。そのちらを見て、以前取引したお客様から電話があって売れた。
ふと思った。カメムシが手引きしてくれたのだろうか。助けてくれたお礼だよと、土地が売れるように手引きしてくれたのだろうか。まさかそんなこと、あるはずがないのだが、あまりにも二つの事柄の日付時間が一致しすぎている。だから、きっとそうだよと思いたくなった。




