店主日記

  • 嗚呼、疲れたな 2025年11月20日

     午後もバタバタと忙しかった。疲れた時によく聞く歌がある。神野美伽さんが歌う、「手紙」だ。悲しいけれど、忘れていいよって歌だ。一部歌詞を紹介しよう。

     

    「もしもボクが 死んだなら 君をひとり 残したら

    悲しいけれど 少しずつ 忘れていいよ ボクの事」

     

    「もう一度 君に 会えるなら もう一度 君と暮らせたら

    悲しいけれど 少しずつ 忘れていいよ ボクの事」

  • また落ち葉 2025年11月20日

    松葉 くどいと思われるかもしれないが、また落ち葉の話になる。今朝も、昨日入り口に貼った「定休日」の張り紙を剥がそうといつもより1時間早くに出勤してきた。その目的もあるが気になっていたのは、先日の荒天で駐車場に散乱した松葉掃除だ。

     

     出勤してすぐに始めてから、もちろん休憩をはさみながらだが、2時間半の時間を要した。足は棒になって膝はがくがくになって腰はひりひりと痛み出した。もう20年余りの年月、年に十数回この作業を続けている。そして思う。松江市の場合、賃貸物件に対する草木の関係は、草は借主木は家主の責任が通念だ。

     

     では、落ち葉はどうか。木から落ちた物だから当然家主の責任だ。今は良い。私が居るから動けるから。だけど3年先はどうなるか。この木の責任は、当然対応していただくよう交渉を迫ってやろう。証拠写真は撮っておいた。話が通じなければ、私の得意な出るところに出ようじゃあないか。もうぼちぼち、怒り心頭に達してくるかもしれない。そしてでもさ、って思う。人はここまで来なければ、他人の気持ちは分からないものなのだろうか?。責任を感じないものなのだろうか?。

  • 明泉寺のイチョウの木 2025年11月19日

     定休日の今日、8時に目覚めて、そろそろ起きなくちゃあと思っていたのに、再び目覚めたのが9時。こりゃあ大変だと、昨夜作っておいた卵サラダを食パンに塗って、牛乳で流し込んで、急いで服着て車に飛び乗った。さあ出発だ。

     

     息子は相変わらず身体拘束されていた。可哀そうで、心が痛んだ。でも今のところどうしようもない。後髪引かれるようだったが、出雲市の病院を後にした。朝、出かけようとした車の中、お客様から電話があって、2時までには帰るからと伝えてあったので、時間に少し余裕がある。遠回りで帰ろう。

     

    明泉寺のイチョウ 立久恵峡を通って須佐神社横を通って峠を超えて掛合町に入った。すぐそこに、息子が入所していた施設がある。妻と何度、この道を車で走ったのだろう。そして行きには息子も乗っていた。懐かしい、懐かしすぎるこの道を今私は走っている。

     

     やがて左手に明泉寺のイチョウの木が見えてきた。なんて美しいのだろう。お寺の前の駐車スペースに車を止めた。8割どころの葉は散っていた。散った葉は、お寺の庭の地面を黄金色に染めていた。なんて神秘的なんだろう。なんて美しいのだろう。

     

     もう帰らなければ2時になってしまう。国道54号線に出た。ステレオのボリューム上げて、グレープが歌う「精霊流し」を聴いた。歌の最後に、こんな歌詞がある。

     「人ごみの中を縫うように

     静かに時間が通り過ぎます

     あなたと私の人生をかばうみたいに」

     

     そしてこの歌を聴く度に、妻と私の人生を思うのである。帰り道にある黄色く染まったイチョウの木を見る度に、より強く思うのである。

  • 冬になったね、でも 2025年11月17日

    枯れ葉 ある人に依頼されて、郊外の空き家になっている民家を訪ねて行った。家っていうのは、空き家になったらすぐ朽ちる。ちょうど近所の人が道端にいらっしゃったので、話を聞かせてもらった。気さくな年配の男性だった。あの家も、この家も空き家なんだとか。わしん家も、わしら夫婦が後何年生きれるのやら。

     

     公図を見ても、現地を見ても、私の力では何とも致しがたい。そう悟った。依頼者に、何と言って説明しよう。朝は綺麗にした事務所前、朝以上に枯れ葉が重なり合っていた。立冬から一週間余り、すっかり冬になったもんだねと心沈んだ。

     

     でも、駐車場の車から、3人が降りてきて、先日はお世話になりました。何もかも解決いたしましたと丁寧にお礼を言われてしまった。障害を持つ息子さんの、住まい探しのアドバイスをして差し上げただけなのに、ご丁寧に3人でお礼に見えた。人っていいな。冬の次は、必ず春が来るんだよ。

  • 愛してる 2025年11月14日

    大山 キャビネサイズの妻の写真を、事務所のパソコンデスクのパソコンの横に立ててることは、以前この店主日記に書いた。今朝もそうしようと、リュックに入った写真を手に持った。その時、誰かが話しかけてきた。どうしてそうするんだい、って。そりゃあ、恋女房だからさ、と即座に答えた。

     

     先日義弟と、妻が好きな歌手は「野口五郎」だったという話を思い出した。ユーチューブで「私鉄沿線」を聴いた。いつの日かのドライブで、妻と二人でカーラジオから聴いた私鉄沿線、あの日の記憶がさっきの事のように蘇ってきた。あ、野口五郎だと、にっこりした妻の笑顔が浮かんできた。

     

     会いたいな、と思った。そう思った瞬間、寂しさに心が耐えられなくなってきた。淹れたインスタントコーヒーもそこそこに、車に飛び乗った。どこへ行こう、とりあえず国道9号線を東に向かおう。知らぬうちに、中海半周して帰ってきた。そしたら、少し落ち着いた。

     

     時々こんな日がやって来る。月に2~3度ほど、こんな気持ちがやって来る。もう、妻が逝って7年と半年が過ぎたのに、こんな気持ちの日がやって来る。私は今でも、あの頃のように、妻を愛し続けているんだなと、そう思った。そして、そう思うことが嬉しかった。

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