店主日記

  • 来週の日曜日 2024年03月10日

    参道 今度の日曜日は妻の七回忌の法要を執り行う。私が喪主として行うのはこれが最後の法要になるのかもしれない。そう思って一期一会の覚悟でするつもりだ。・・・ここまで書いて、はっと思った。そうなのか。だから違うんだ、三回忌の時の気持ちとは。

     

     その日の休業の、事務所への貼り紙用の原稿をパソコンでこしらえた。妻の七回忌の法要のために、と正直に書いた。来店のお客様にも納得いただけるだろう。そして日付は17日(日)と18日(月)と連休にした。せっかく遠方から帰って来るんだから。その二人の娘との関係を確かめ合おう。月曜日はその日に当てよう。罰は当たりはしないだろう。

     

     写真は、鳥取市の白兎神社の参道だ。妻とのデートの思い出の場所の一か所だ。でも、あの時とは雰囲気が全く違う気がする。だから、これも冥途への土産話になるのかもしれない。樗谿公園がそうであるように。賀露港の市場やレストランや、そして海がそうであるように。

  • 雪が降る 2024年03月09日

     3月の半ばに入ろうとしているのに、出勤の車のフロントガラスに薄っすらと雪が載っていた。ワイパー動かしたら右側のピラーにいっぽんの棒になって張り付いた。事務所に到着したら粉雪が降ってきた。それもほどなく降り止んだ。

     

     午後、予約があった貸店舗の案内に行った。ちらほらと、時々雪が落ちてきていた。雪は空から降りてきて、地上すれすれで風に舞って姿を消していった。寒い。厚手の防寒コート着てきたのに寒い。お客さんは薄着なのに平気な顔。私には、身がないからだろうか。

     

     事務所に帰ってパソコンのキイボードをたたいた。両手には、赤切れのひびが4本の指にある。そのひびが、何かに当たると悲鳴を上げる。だからキーを打つ指が痛い。そのひびは、傷跡を残して一週間あまりで治っていく。その頃には、また違う箇所がひび割れていく。もう何ヶ月、このひび割れと戦っているのだろう。通勤リュックのポッケには、常にカットバンが入っている。

  • あと13日 2024年03月04日

     昨日は私の誕生日だった。3月3日の雛祭りの日、子供の頃にはよくからかわれた。誕生日を人に聞かれるのが嫌だった。「女の子みたい」。必ずと言っていいほど、その言葉が返ってきた。だけど今では、自慢げにしゃべる。俺の誕生日は雛祭りなんだよって。昨夜のために買っておいた北条ワインのコルクを抜いた。好きな鳥取県、ワインも美味かった。

     

     後13日で妻の七回忌がやって来る。心騒ぐから、それまでにやっておくことは済ましておこうと考えた。昨日仕上げた確定申告書、午前中に税務署に提出してきた。法要の花と、果物の注文を終えてきた。礼服のネクタイと、白いワイシャツも新調した。

     

    中海

     

     そんなんで頑張ったせいか、頭痛がしてきたので心鎮めるために中海を眺めることにした。いつもの駐車場に車を停めた。黄砂のせいか、対岸が霞んでいた。若い釣り人がひとりいた。釣れますかって聞いたら「何にもつれません」。狙いは何ですかって聞いたら「スズキです」。じゃあ頑張ってください、そう声をかけてそこを後にした。

  • なんとなくなんとなく 2024年03月02日

     昨夜、7時に目覚まし時計をセットして寝た。早朝の5時にいち度目が覚めた。再び目をつむったらすぐに眠れた。鳴った目覚まし時計を止めてもう少しと、そう思って目が覚めたら8時になっていた。なぜだろう、この頃よく眠る。慌てて家を飛び出したら雪がちらついてきた。寒いなあ、もう3月なのに。

     

    定食 先日の定休日、安来市の道の駅「あらえっさ」で葉つきのダイコンの大きいのを一本買ってきた。そして夕食は肉団子の鍋料理。その鍋の中にダイコンの葉を入れてみた。おや、いける。それに、フライパンでこんがりと焼いた肉団子とダイコンは相性がいい。

     

     先日のある日のこと、ある人と鳥取に向かった。道の駅「西いなば気楽里」で日替わり定食を食べた。いつもはカレーパンひとつとか、そんな質素な昼食の私だ。突然、こんなごちそう食べるものだから胃袋もさぞびっくりしたことだろう。ちなみに、このハンバーグ旨かったし、値段も手ごろだ。

     

     この道の駅を少し南に行った所に鹿野町がある。古代、鹿が沢山いたのだろう。だがそこに、尼子氏の武将「我に七難八苦を与えたまえ」と尼子氏再興を願って奮闘した「山中鹿之助」の墓がある。岡山県のを分骨したそうだ。鹿野町、鹿之助、偶然だろうな。

  • 鳥取の白兎神社 2024年03月01日

     大きな袋肩にかけ 大黒様が来かかると ここに因幡の白うさぎ 皮をむかれて赤裸

     大黒さまはあわれがり きれいな水に身を洗い 蒲の穂綿にくるまれと よくよく教えてやりました

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     大黒さまの言う通り きれいな水に身を洗い 蒲の穂綿にくるまれば うさぎは元の白うさぎ

     大黒さまは誰だろう 大国主命とて 国を開きて世の中を 助けなされた神様よ

     

    2 この童謡「大黒さま」小さい頃よく歌った。小学校に入る前から母とふたりで歌っていた。まだあの時には、人前で歌う羞恥心なんかかけれもなかった時代だ。それが今、人の前では歌えない。カラオケ行っても歌えない。ひとりの車の中ではではあんなに歌うのに。

     

     大国主命は出雲大社の祭神。信心のない私が、カメラ持って出雲大社を歩いていた。旅に来た三人娘がすぐ近くにいた。自撮りなんかできないあの頃のフィルムカメラ。「シャッター押してくれませんか」。そんな出会いがあって、一人の娘が私の妻になった。

     

     昨年の今頃、新聞投稿した。思い出の出雲大社の参道を妻の面影と歩きたかった。人が多すぎてあきらめた。家に帰って、海鮮お好み焼きを焼いた。旨かった。妻がいたらどんなに楽しいだろうと。そう書いた投稿が採用された。今まで採用された中で、最高傑作だと思っている。夜に、焼酎飲みながら、時々切り抜きを読んでいる。今月は、妻の七回忌、心が騒ぐ。だからこんなこと、書いてみた。

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