店主日記

  • 野菜炒め 2025年06月02日

    野菜炒め 午前中、島根県東部発達障がい者支援センターの私の担当の方と会った。3ヶ月前からの予約で今日で3回目だ。入院中の息子のことを相談するのだが、ついつい私の愚痴になってしまった。仕事のこと、病気のこと、将来のことなど不安がいっぱいだよって愚痴ってきた。

     

     愚痴るのは、体力と気力の衰えだと思う。だから夕ご飯ぐらい、たっぷりと栄養を摂取しようと思う。昨夜は野菜炒めをこしらえてみた。薄切り豚肉、タマネギ、ピーマン、ナス、アスパラ、ニンジン、シイタケとシメジ。どれもこれもぶつ切りだ。ピーマンは種も食べれるから包丁入れず、ニンニクいっぱい。豪快そのものの男のキャンプ料理だ。ちなみに、写真の皿のサイズは直径25センチあるんだよ。

  • あざみの歌 2025年06月01日

    アザミ 墓参を終わって車に乗って少し走ったところにアザミの花を見つけた。アザミを見ると、倍賞千恵子氏が歌う「あざみの歌」を思い出す。良い歌だと思う。確かに、高嶺の百合に比べたら美しさに見劣りがする。だけど私はアザミの花に人生を感じる。味わいがあって好きだ。

     

     妻が他界して、その一周忌を待って長女が結婚して広島県の尾道市に行った。何日もせぬうち、末娘が突然東京で暮らすと言い始めた。東京での暮らしのこと、住まいのこと、いろいろ気になったが何もかもすっかり準備できているとのこと。そうだなと思った。私に束縛されることはない。生きたいように生きたらいい、そう思った

     

     末娘が東京に行ってからすっかり寂しくなってしまった。心配でもあった。すると、昔聴いたことがあるさだまさし氏が歌う「案山子」を聴きたくなった。Youtubで何度も何度も聴いた。聴くうち、彼が津和野城址でイメージした歌らしいことを知った。行きたくなった。どうしても行きたくて、リフトに一人乗った。津和野城址の、町を一望する石垣の片隅にアザミの花は佇んでいた。あれから6年。寂しさにも少しは慣れたかもしれない。

  • もしもだよ 2025年06月01日

    3輪 10日前のこの店主日記に書いた。妻の墓石のまわりに花園ができていたって。それがいちにちで消えた。今朝、その花園をこしらえていた同じ花が3輪ほど咲いて風に揺れていた。私は山野草を見ると写真に写したくなる。スマホで写していると、どこかで誰かが言う言葉が聞こえた。「奥さん幸せだね」

     

     妻を人に語る時、時々言われる言葉がある。奥さん幸せだねって。先日も、病院のベッドの脇のテーブルに立てかけた妻の小さな遺影を見て看護師さんが言った。奥さん幸せだね、と。今でもこうして・・・と。私は、人は死んでしまったら何もかもなくなってしまう、そんなふうに考えている。だけどもし、もしも千の風になってあの大空を吹き渡っているならば、照れながら微笑んでいるのだろうな。そう思う。

  • 放浪人生 2025年05月29日

     定休日には仕事がよく入る。朝一番で玉湯町のアパート案内を終えた。カメラを積んで事務所を出発したのが9時50分。安来市の道の駅「あらえっさ」を目指した。そこに併設してある売店「なかうみ菜彩館」でキャベツを買う目的だ。農家直送で、その玉太りに惚れている。

     

     車は米子市を南下した。日南町に向かったが、途中、気が変わって奥出雲町の横田にハンドルを切った。ラジオの電波が届かなくなったのでCDの音楽に替えた。つづら折れの山道でペドロ&カプリシャスからグレープの声に変わった。「精霊流し」「無縁坂」「縁切寺」が連続する。何度も何度も繰り返し聴いた。なぜかこの曲を聴くと、知らぬ間に涙がこぼれてくる。だから聴きたいのかもしれない。

     

    横田駅 横田駅に着いた。5年前の記憶にたどり着いた。子供たちが家を出て初めての一人暮らしの正月がやって来た。2020年の正月元旦だ。朝のトーストパンを食べ終えて車に乗った。どこに向かおうかと迷ったが、奥出雲町に向かい始めた。仁多を通り、横田に入った。人の姿など、見当たらない。どの家も、所狭しと車が並んでいた。里帰りした家族とそろっての正月の団らんが見えそうだった。

     

     いつの間にか、横田駅に着いていた。駅のホームに佇んだ。列車も見えないが遠くの山々が薄っすらと雪をかぶって寒そうだった。夜行列車、急行「ちどり」で夜中にこの駅を列車で通過して広島市をさ迷った高校生時代の放浪癖を思い出した。なぎさ、誕生日おめでとう。俺はこれから放浪人生を送るよ。山々を見ながら、そうつぶやいた記憶が蘇ってきた。

  • 夕日 2025年05月26日

    夕日 松江生協病院の4階東病棟の病室からは朝日が見える。夕日は見えない。だが、夕日は斜め前にある茶色いマンションを黄金に染める。それを見ていると、以前何度も見た宍道湖に沈む夕日の記憶が蘇ってくる。いつか店主日記に使おうと金色に輝くマンションをスマホに収めておいた。

     

     時々、娘が孫の成長を記録した写真をラインで送ってくれる。それをスマホの写真庫に納めている。仕事の合間や、夜酒を飲んでくつろいでいる時眺めている。孫って可愛いものだと思う。その内の3枚をA3のコピーペーパーに写して事務所の壁面に張り付けた。来客が、「お孫さん?可愛いねえ、おじいちゃんに似てるね」と言ってくれる。その一言が嬉しい。

     

     てな訳で写真庫を時々覗く。孫の写真と私が写したものが交互に現れる。そう言えば、この頃夕日の宍道湖見に行かないなと思った。あんなに足繁く通っていたのにあの風景にもう飽いたのだろうか。いやいやそんなことはない。日本の風景100選なんだよ。松江の誇りだよ。10月になって、秋の澄み渡った空気の水平線に沈む夕日は格別だよ。

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