小さな私の友

2025年07月12日

 昨夕、シャワーを終えて缶ビールを飲んでいたら玄関の呼び鈴が鳴った。だれだろうとドアスコープを覗いたら小さな子供。え、どうして子供が。不思議な気がした。裸だった体にシャツを着てとりあえずドアを開けた。え、どうした。私の友がビニール袋を手にして立っていた。

 

 以前1回書いたことがある。妻の一周忌の法要が終わったその日の夕方、自治会の新役員の集まりがあった。始めて見る若いお母さんが赤ちゃんを抱っこして私の隣に座った。幾つって聞いたら5ヶ月だと答えた。来るはずもないだろうと思いながらも手を差し伸べてみた。そしたらやって来た。私に抱っこされるためにやって来た。妻のいない寂しい心に火が灯った気がした。

 

 以来、通勤の駐車場で朝たまに出会う。その度に、手のひらタッチを繰り返してきた。彼と私は良き友になった。私にとってたった一人の男の友なのである。その子が昨夜差し入れだと言って大きなトウモロコシを1本持ってきてくれた。嬉しかった。そして、握手をして別れた。私も農家育ち、慣れたもの、1本丸ごと焼いて今晩食べよう。そう、素焼きが美味しい。トウモロコシのストレートな甘さが美味しい。

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