店主日記

  • オオイヌノフグリ 2026年03月09日

     和名の由来は、果実の形状が雄犬の「フグリ」、つまり陰嚢に見立てたことから名付けられているらしい。江戸時代の「草木図説」にイヌフグリの記載があるという。それにしても、可愛い花なのに、江戸人特有のギャグだったのかもしれないが、今になったら面白くない名前を付けられたものだ。

     

    イヌフグリ

     

     妻が眠る大庭町の公園墓地で、一昨日から目にするようになったオオイヌノフグリ。天気の良い一昨日の朝は、 蕾が多かったがいくつかの花びらが春の訪れを感じさせてくれた。だが昨日、うっすらと雪が積もって花はみな閉じた。今朝、周辺は霜に覆われていた。「花のいのちはみじかくて、苦しきことのみ多かりき」(林芙美子)。その言葉が心をよぎって行った。

     

     話せば、皆感動をしてくれる、そんな私の不動産業の開業の経緯だった。懸命だった。最初の数年間は休みなしで働いた。10年が経ち、やっと面白くなってきて、これから二人で楽しい人生を生きていこうなと言っていた矢先、妻が一人旅立って行って一人暮らしになってしまった。

     

     やがてコロナが始まった。数年経ち、収まったと思ったら物価高。そして今、戦争が世界中を混乱させている。間違いなく、日本の経済にも影響は及んできている。でも、負けてなるものか。・・・そうだよ、お前が今まで背負ってきた人生に比べたら、ちっちゃなものさ。オオイヌノフグリは、そう私に話しかけてくれた。

  • 勝山町町並み保存地区散歩 2026年03月03日

     8時に出勤した。のぼり旗立てて今日の予定のないことを確認した。電話接客できるよう、携帯に転送できるか確認し、記録用メモノート、カメラ、CDセットの箱を車に積んだ。冷たい雨だけど、さあ出かけよう。9時ちょうどに出発。

     

    勝山

     

     勝山の町は、南北の通り700mが町並み保存地区として、岡山県の指定を受けている。白壁、格子窓、なまこ壁などが酒蔵、旧家、武家屋敷を形作っている。それに面白いのが各民家、商家の玄関に「暖簾」がかかっていること、そして今日はひな祭りでいたるところにひな人形が飾られていることだ。

     

     十数年か前、妻と二人で来てひな人形を見て以来、この町が気に入って、毎年この時期に訪れている。今日もカメラ胸にぶら下げて2時間ほど歩いた。来る度に、観光客は増えていく。その人たちを町の人たちがもてなしている。微笑ましい姿だと思った。そしてよい一日だった

  • 明日は俺の誕生日 2026年03月02日

     白壁、格子窓、なまこ壁、そして暖簾。なあ、なぎさ。いよいよ明日は待ちに待った俺の誕生日だよ。君が正月の元旦生まれで、俺が3月3日のひな祭り生まれ。正月が来たら9つに縮まったよ。ひな祭りになったらまた10の差に帰ったよって言ってたね。そう、君は俺より10歳若かった。

     

     約束通り、明日は勝山に行くよ。白壁、格子窓、なまこ壁、そして暖簾。それに2月27日から始まったひな祭り、明日がその最終日だから勝山に行くよ。ひな人形見るんだよ。何度か二人で歩いたね。一度は長女と末娘も一緒に歩いたね。あの岡山県真庭市勝山町に行くんだよ。ふたりだけのドライブだよ。楽しみだね。雨が降っても行くからね。

  • 定休日の一日 2026年02月26日

     朝、10時30分に目覚めた。部屋に2週間ぶりの掃除機かけたらお昼になった。事務所にカメラを取りに行って、近所のコンビニで缶コーヒーとおにぎりを一つずつ仕入れて車に乗った。

     

     さあ、昼の活動開始だ。安来市の道の駅「あらエッサ」を目指した。ここは、仁多町の故郷の香りがほんのりと漂っているみたいで必ず立ち寄ることにしている。いつものようにここから米子市の内浜産業道路を北進した。境港市に入った所で、車のタイヤが奏でる「ゲゲゲの鬼太郎」のテーマソングが気に入っている。

     

     長女がラインでくれた二人の孫の写真、昨夜変わりばんこに目に焼き付けた。そして昨日の定休日、ハンドル握りながら強く思った。この子たちの成長をいつまでも見ていたい。上の子が、大学に入るまで、下の子が、高校に入学するまでは見ていたい。

     

    カレートンカツ どうすればそれが可能か。軽快に流れていく風景に心惹かれながら思案した。結論は単純だがそこにたどり着くまでが至難の業。よし、決まった。良く働こう。極力体動かそう。余暇を楽しもう。心身とも、リラックスするのが健康の秘訣かもしれない。

     

     小さいが、3枚入りのトンカツ用肉を買ってきた。野菜たっぷりのカレーを作った。大きな皿に3枚のトンカツ。周りをカレーで埋めた。トンカツカレーかカレートンカツか。健康の前夜祭に、スタミナ付けような。な、なぎさ。一緒に見守っていこうなあの子たち。

     

     あ、そうだ。来週の3月3日は私の76回目の誕生日、火曜日で休みじゃあないけれど、暖簾の町で展示の最終日、ひな人形を見てこよう。岡山県真庭市勝山町は私の誕生日を祝ってくれる嬉しい町である。

  • ふたり目は女の子 2026年02月23日

     泣いたあとはよく眠れる。涙を流すことで、副交感神経が優位となり、不安や緊張が緩和されるらしい。特に心を安らかにしてくれるのは「共感して流す涙」だそうである。昨夜久し振りに熟睡できたので、どうしてかと今朝の事務所のネットで調べてみた。

     

     昨夕、ラインの着信音がした。長女からのものだった。開いてみると、写真があって、「生まれました」とあった。予定日より少し早かったので、もしや、と言う気持ちはなかったが、二番目の赤ちゃんが生まれたんだ、そうかと悟った。どう答えようかと思案したが名案が浮かばず、とりあえず、おめでとうと返しておいた。

     

     シャワーを浴びてリビングのテーブルに着いた。冷蔵庫から缶ビールを取り出し、妻の遺影と乾杯した。ふたり目が生まれたよ。長女がふたり目の孫を生んだよ。女の子だよ。そう言って乾杯した。そしてラインを打った。今なぎさと乾杯したよ。ふたり目の孫が生まれたよ。女の子だよって、乾杯したよ。と言って。

     

     すぐに既読の文字が点灯した。既読の文字を眺めているといろいろなことが頭を巡って行った。いろいろな思いが心を駆け抜けていった。そして、最初の涙がテーブルの上にポトリと落ちた。涙は泉のように溢れてきた。いつまでもいつまでも溢れてきて顔がぐちゃぐちゃになりそうだった。どうしてこうも泣けるんだろう。

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