店主日記
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カキドオシ
2025年03月09日
朝は放射冷却で寒かった。だがやがて春の太陽が照り付けて暖かくなった。その陽気に誘われて事務所周辺を散策した。カキドオシの群れの葉の中にピンク色の花を咲かそうとしているのを見つけた。確実に春に向かっている。まだ一株だったが花を咲かそうとしていた。
入院の反省に、もう一杯飲みたいのを我慢することにした。従って睡眠時間が増えた。が、よく夢を見る。毎夜のように、病院のベッドに身体拘束された息子の顔が夢に出てくる。可哀そうで胸が苦しくてうなされる。そして汗をかいて目が覚める。現実の夢を見るようになった。
そんな苦しさをひとりで悩むのは辛い。事務所には、私の机にキャビネサイズの妻の遺影を置いている。先日から妻の遺影を私の正面に向けることにした。ひとりの事務所だが、椅子を置いた4っつの机があって、時々移動する。妻もその度に移動する。そうしだして感じた。安心だなと。妻が私を励ましている。
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チャーハン
2025年03月08日
時々夕ご飯に焼き飯を作る。とっても手っ取り早くできて、しかも美味しい。また作るのも楽しい。ひとり暮らしにしては大きな28センチのフライパンを振って、米粒が空中に舞うのを見ると何とも言えない快感がある。その昔、誰かが私に言った。フリーターをやめて堅気の職に着いた時、あの腕、もったいないよ、と。
ひとり暮らしの女性の学生さんが借家人賠償責任保険の更新に来た。だけどこの20日に退去して実家に帰るらしい。でも、10日余りまだあるからと。そうだね、安心は僅かの日にちでも必要だからね。何が起こるか分からないからね。そう言って解約返戻金受取の書類を渡した。
そして、ひとり暮らしは楽しかった、と聞いてみた。楽しかったです。実家に帰るの少し気が重いな、とも。そうだよね、私の娘も、私とふたりで暮らすのが嫌なこともあって東京に行っちゃった。でも、夢があったみたいだから、その夢は叶えてやりたかったな。あれから6年が経つんだよ。
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有難うございました
2025年03月06日
私が入院している日に、私たちの仲人だった人が亡くなったという知らせが届いた。入院中に、葬儀は執り行われた。私たちの仲人は、私の中学生時代の英語の先生だった。退院して雪の心配もなくなったある日、奥出雲町の先生の自宅を訪れた。留守だった。玄関にメモと一緒に香典を置いてきた。
先日、留守をしていて申しわけなかったと、息子さんから連絡を頂いた。息子さん、私たちのことを良く知っていてくださっていた。実のところ、私は息子さんとは面識がない。だが、あれだけ私たちのことを知っていらっしゃっるとは思ってもいなかった。先生は、それだけ私たちのこと、気にかけて頂いていたのだと思った。私たちのこと、家庭で良く話題になさっていたのだと分かった。有難いと思った。感謝の気持ちが胸にあふれてきた。
写真は先日のテレビニュースでの一場面だ。出雲市と岡山市を結ぶ「やくも号」、段階的に新型車に替わった。こうして、新旧同時にその姿を見るのはこれが最後だとか。大の鉄道フアン、将棋の藤井聡太七冠が出雲市にやって来たらしい。若い頃、岡山からの仕事帰りにやくも号に良く乗った。食堂車で飲んだ酒の味が懐かしく思い出された。
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誕生日
2025年03月03日
今日の3月3日は私の誕生日だ。私より、10歳若かった妻が7年前に亡くなったから、私は妻より17年間も長生きしていることになる。今朝も雨の中で墓石に話しかけた。なぎさ、今日は俺の誕生日だよ。これからも、君の分まで長生きするよ。そして、君はいつまでも俺の心に生きているんだよ。だからこれからもふたりの人生だよ。
昨年の秋に、宅地建物取引士の免許更新をした。暮れに、不動産業の県知事免許の更新を終えた。これで後5年間は営業できる。そして先日、自動車運転免許の更新を終えた。今日、新しい私の誕生日を迎えた。何もかもリセット完了。新しい気持ちで生きていく。
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プロの味
2025年03月02日
昨日はあんなに穏やかで暖かだったのに、今朝目が覚めたら雨が降っていた。予報では、昨夜の早くから降ると言っていたので一晩中降っていたのかもしれない。出勤コースの途中に風景はぼやけていた。水蒸気は遠くの山の風景を消していた。
昨夜、焼きそばを作った。肉と野菜と麺をフライパンに入れて炒めてソースをかければ出来上がるのだろうが、私は少し違う。焼きそばと言うからには、そばを焼く。こんがりときつね色になるまで焼き上げる。そうすると食する時、焼きそばのそば感覚が何ともたまらないのだ。
昨夜もそうして食べた。最初は旨いと思った。が、半分食べ終わったところでそうでもない気がしだしてきた。その時、同級生と昼に食べた「ふじな亭」の食事を思い出した。昼はパンひとつの私に食べきれるだろうかと思うほど、品々は豊富で量も多かった。
ところがである。私の席に置かれたその品々は見る見るうちに減っていった。お腹いっぱいと言う、その感じすらない。もちろん途中で味変するなどもない。美味しく美味しく米ひと粒も残さずに平らげた。夜焼きそばを食べながら思った。あれが本当のプロの味なんだ、と。