店主日記

  • チューリップ 2020年03月13日

     チューリップ

     黒地に白い星がいっぱいデザインされたマグカップが鉛筆立てとなってパソコンデスクに置かれている。その中のボス的存在が妻が持って来たボールペンなのである。そのボールペンの頭はチューリップの造花になっていて可愛らしい。どこで買ったものかは私は知らないがここに居座って何年が経つのだろう。

     

     チューリップが咲くころに、妻は突然あの世に向かって旅立ってしまった。少し早いが今度の15日の日曜日に三回忌の法要を営む計画だ。昨夜、夫と一緒に帰ってくる広島に嫁いだ長女が電話をしてきた。「前の日の夕ご飯は私が作って持って行くから心配しないでね。お酒はたくさん買うんじゃないよ」

     

     昼になっていつものように近くのコンビニで弁当を買ってきた。いつものように妻のワークデスクに座って頂く。一口食べたところで昨夜の娘の電話を思い出した。優しいな。こんな優しさって、妻が亡くなって以来だなって、そう思った瞬間、涙がこぼれてきた。

  • CD到着 2020年03月09日

     眼覚まし時計の単調なリズム、それを聞かずとも目覚めるこの頃だ。まず、石油ファンヒーターに点火する。仏壇にロウソクを立て、線香を灯す。そしておもむろにリビングのカーテンを開ける。すでに風景が見えるほどの明かりが差している。

    山本潤子

     

     やがて霧がその風景を覆ってきた。天気が良い証なのだと思うと心が明るくなる。案の定、太陽の光がすぐさま霧を追い払ってしまった。神秘と現実を一度に味わった。もっと神秘をと思っても自然はままならない。

     

     パソコンに向かっている時、突然玄関が開いた。郵便だ。先日注文しておいたCD2枚セットが送られてきた。昭和70年代に活躍した人気フォークソンググループ、「赤い鳥」のメンバーの山本潤子のものだ。ギターのスチール弦が奏でるような、そんな響きのある彼女の高音が気に入っている。これを先日から何度も会って会話も弾んだ人と、一緒にドライブしながら聴こうと思う。

  • 人生は ワン・ツー・パンチ 2020年02月27日

     飲み会のあった先日、事務所まで歩いて往復したことは前回の日記に書いた。足は痛くなったもののそのことによって歩きたいという衝動にかられた。というよりも、2年前まで歩いて出勤していたことの記憶が蘇った。そうだった。歩くことは私の趣味のひとつだった。年齢を経ると、趣味のことまで忘れるらしい。

     

     というので23日の日曜日から歩き始めた。日も長くなりかけていることだし、歩いて往復しよう。ところが一昨日のことである。息子がけがをして出雲市の中央病院の緊急外来で治療を受けるという。午後3時に出雲市に向かって出発した。幸い、けがは軽かった。それで遅くに事務所に帰ってきたので仕方ない、営業車で帰ることにした。

     

     だが今日は歩いて帰ろう。そして明日からは往復歩いてみよう。足腰が安定したら、ボウリングの成績もよくなるかもしれない。きっと、そうだよ、体つきももっとスリムになるかもしれない。かっこいい私(?)が蘇るかもしれない。

  • まねきねこ 2020年02月21日

     まねきねこ

     なんでこんなにも愛くるしいんだろう。接客カウンターの上に置いた招き猫が朝日を浴びてキラキラと光っている。つぶらな瞳がこれからやって来るほんとうの春の喜びに輝いて見える。こんな置物にも春を喜ぶ命が宿っているのだろうか。それともこの子の瞳は私の心の鏡なのだろうか。息吹きの春、春っていいな。

     

     昨夜は宅建協会の班会があって飲んだ。

     何にしても一人暮らしは不便なものである。飲み会があると送ってくれとも迎えに来てくれとも言えない。じゃあ、車で出勤するのどうしようかって考える。家に置いといてバスで行くかって考えると、バス停まで歩くのに10分は要する。

     

     10分歩くなら、職場まで30分余りだからついでにもう20分歩こうか。と、いつもそう考える私なのである。そして飲み会終わってタクシーで帰ろうかと考える。タクシー10分待って家まで5分だとして合計15分。15分だったらもう15分たしたら歩いて帰ってもいいじゃないか。てな思案で昨日は往復1時間ほど歩いた。今朝は足が痛い。

     

  • 雪の降る街を 2020年02月06日

     雪

     立春を過ぎて急に寒くなって今朝は雪が積もった。車が混まぬうちにと、朝のパンと弁当をもってまだ暗いうちに出勤してきた。事務所でひとりパンをかじりながら夜明けを迎えた。2年振りかもしれないこんなに積もるのは。だけどこれが当たり前の松江の冬の風景だったのに。明るくなったら商店の窓をスクリンに雪が降るのがよく見える。思わず口ずさんでしまう。雪の降る街をって。

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