店主日記
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もう直ぐ盆がやって来る
2023年08月01日
8月になった。出雲地方ではお盆月である。私の育った当時の仁多郡仁多町では、迎え火を8月の13日の夕方に焚いていた。夕方、玄関先でオガラを焚いていた。灯りを見て、仏様が迷わずに帰って来れるように夕方の玄関先でオガラを炊いていた。無邪気だったあの子供の頃が懐かしい。
あの頃の我が家は賑やかだった。父がいて母がいた。二人の兄がいて一人の姉がいた。役場に勤めていた父が、町から線香花火を買ってきてくれた。夜になると父母は縁側に腰かけて、子供たちが楽しんでいる線香花火を見ていた。姉と私が主人公でキャッキャと言って線香花火に火を点けた。
そんな無邪気な時代があったのに、今は信じてもいないあの世のことを想っている。あの世なんかありはしないのに、だけどあの世のことを想っている。盆にはあの世から帰ってきてほしいと想ってる。なあ、なぎさ。今年の盆はどうして過ごそうか。
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かあちゃんの詩
2023年07月30日
毎日、うだるような暑さが続いている。今日も最高気温は35度に届きそうだ。子供の頃、奥出雲町の山奥で育った私、28度以上の高
温を知らずに育った。父も母もそうだ。築100年の茅葺の屋根の家の中での真夏の昼寝、肌寒かった。そんなDNAの記憶が懐かしい。
後一月弱で「かあちゃんの詩」日記がまる5年になる。妻が亡くなって、4ヶ月目の月命日のあくる日の2018年の8月24日にこれを書こうと決意した。その日の些細な出来事を妻の思い出に絡めて書いている。いち日分は、A4のペーパーに3行から多い時で6行。
10ページをひと括りにしてUSBメモリーに納めている。そして今朝、NO44の10ページ目が終わった。明日からNO45の始まりだ。あと何年続くだろう。子供たち、これを読んでくれるだろうか。私が亡くなった後に。
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不動産日記
2023年07月28日
18年前に開業して以来、「不動産日記」と題した日記を付けている。ほとんど業務日誌なのだが、時々私の思いを記入するので不動産日記と名付けた。そして今日、NO69の新しいページが始まった。
ほんのちょっとの変化だ。新しいノートに替わっただけの小さな変化なのだが、変化は私の心を揺さぶる。特に気候の変化に私の心は強く動く。雨が降れば雨が降ったで、雪が降れば雪が降ったで心が揺れる。なぜなら、変化は、こんな時妻ならどうするっていつもそう思う。
2018年4月22日のノートを見てみた。9時55分の1行が妻の字だ。そう言えば、今になって見ればそうだなって思う。いつもの妻の字より筆圧が弱弱しい。意味もはっきりしない。そうだったんだ。・・・そしてこの不動産日記の妻の字は終わった。
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灼熱の太陽が
2023年07月27日
まだ9時にもならないというのに肌を焦がすような太陽が東の空にある。玄関前の掃き掃除終えただけで全身が汗に濡れる。近所の会社に出勤する人に声をかける。朝から暑いですね。何でもそうだけど、苦しいときには吐き出した方が良い。
我が社の玄関は東向きだ。それに、玄関部分はほぼガラス張り。朝日がよく入る。冬時分はこれが嬉しかったのに夏はそうはいかない。人間って我が儘だよね。今冬が恋しくてたまらない。無いものねだりって言うけれど、実に我が儘なものである。
それでもと、僅かばかりの抵抗を試みる。玄関先に立てかけるのぼり旗。遮光にと玄関の内側に立ててみた。お、違う。かなり効果がある。9時の開業時まではこうしておこう。少しでも太陽が高くなれば差し込む光も減るだろう。
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面会日
2023年07月26日
息子が入院してもう5年が経った。月1回の今日は面会日。この頃、息子の顔を見るのが辛い。後、何年入院が続くのだろう。そのことで、息子が私に抗議しているように見えてならない。会話ができない息子、目がそう言って訴えていた。
面会終わって、道の駅「キララ多伎」に行ってみた。山の上には入道雲が立ち上がっていた。まるで生き物のように、沸き立つ溶岩が噴火口でうごめくように立ち上がっていた。車の室外温度計は34度。暑い訳だ。
ふと、隣の車を見たら赤ちゃんが母に抱かれていた。そしてその母と目が合った。思わず会釈する。その母の窓際の外に立ち、話しかけてみた。4ヶ月だそうだ。私の孫はね、今北京に居るんですよ。6ヶ月まで我が家で育ったんですよ。そんな他愛もない会話を交わす。見ず知らずの他人にも、心が通っていく。ああ、早く会いたいな。