暑かった夏が秋の気配

2023年09月24日

 おさな子が手にして良いものなど我が家には何もない。目が離せない孫がいるために、この一週間の娘の滞在期間中は私が晩御飯を作ることにした。だが私には、家庭料理など作れるわけがない。だから当然、好きだったキャンプで作る、簡単豪快な男料理で終始することになった。

 

 でもな、何かごちそう作ってやりたいなと、そう思った。孫が食べておいしい料理って、と思案していたら思いついた。トンカツにしよう。そうなんだ。私は高校生の時、レストランのアルバイトの厨房で肉料理はよく作っていたんだ。そうだ、トンカツがいい。

 

 大きめの皿に、キャベツの千切りを盛りつけた。そのサイドに、ポテトサラダとパスタをケチャップで炒めたのを置いた。厚めのトンカツ肉をパン粉で揚げた。サクサクサクと数枚に切り分けて先の素材の上に斜めに乗せた。さあ、トンカツの完成だ。

 

大山

 

 娘たちの、これが我が家での最後の晩餐料理だ。孫が、よく食べた。母に小さくしてもらったトンカツをよく食べた。にこっとして、頬を膨らましておいしそうに食べていた。嬉しかった。もっとごちそうしてやりたいのだが、男の私にはこれぐらいしかできないから、ごめんな。また帰っておいでよ。

 

 写真は中海から見た大山。昨日の朝の別れが寂しくて、寂しさに押しつぶされそうになって、その午後にたまらずに中海一周のドライブに出かけた時に撮ったもの。夏の雲から秋の雲に変ろうとしていたその風景を望遠レンズで切り取ってみた。

 

 そして夜になった。この頃控えめにしていた焼酎を思いっきり飲んだ。無事着いたって言う娘のラインに、焼酎の影響だろうか、寂しくなった、とそう返した。娘の既読に、・・・反省である。

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