店主日記

  • 微笑んで草むらに 2024年03月16日

    ホトケノザ 暖かい朝を迎えた。東向きの我が事務所は、朝日が射しこんでいて暖かい。エアコンのスイッチも入れないまま、この店主日記を付けている。少し前、陽気に誘われてカメラを持って隣の草むらに行ってみた。名前は定かではないが「ホトケノザ」だろうか、私を見て微笑んでくれた。

     

     いよいよ明日は妻の七回忌だ。一昨日の夕方、長女が孫を連れて出雲空港に着いた。孫は、私を見るなり怖気づいたようにそっぽを向いてしまった。だが、我が家に着いたら思い出したように、ほっとした表情を見せた。そして抱っこも許してくれた。

     

     そして今夕、姉と同じ時間の飛行機で末娘が帰って来る。孫を連れて迎えに行くことになっている。会うのが楽しみだ。そして明日の午前10時半、お寺に行くことになっている。妻の弟夫婦、妹親子、そして従弟がやって来ることになっている。妻も待ち遠しがっているに違いない。

     

     そしてこの七回忌、四十九日にも、一回忌にも、三回忌にもなかった感情が湧いてきた。妻が恋しくてしょうがないこの気持ち、会いたくてたまらないこの気持ち。どうしてこんな気持ちになってしまうのだろう。心が乱れている。すごく気持ちが乱れてしまっている。なぎさって、何度も何度も呼び掛けている。

  • 移動パン屋さん 2024年03月14日

     3週間ほど前から木曜日の昼前の一週間に1回、移動パン屋さんがやって来るようになった。パンの種類は豊富だし、そして美味しい。私の昼ご飯はしばらく前からパン食になっていた。だから大助かり。余分に買っておいて、夕方のおやつにもいい。今夕方の5時前、てりやきチーズバーガーが美味しかった。

     

     夕方、出雲空港に長女が孫を連れて帰って来る。朝、松江警察署内にある交通安全協会に、予約しておいたチャイルドシートを借りに行った。それ以降、時間の経つのが遅い。孫に早く会いたいのに。後1時間したら、出雲空港に向かって出発だ。長女がどんな顔して下りてくるやら。孫はどんなに大きくなっているやら。楽しみだな。

  • イズモコバイモ 2024年03月13日

     春の妖精、「イズモコバイモ」が川本町の谷戸地区で今見頃らしい。島根県のみに自生する希少植物で絶滅危惧種らしい。何もなかったら見に行くのだが、明日の夕方には七回忌に合わせて長女が帰って来る。部屋の掃除やら、お墓の掃除やらで忙しいので行けそうにもない。この写真は2年前に行った時に写して、店主日記に使った写真だ。

     

    イズモコバイモ

     何やかにやどうやら片付けて、ドライブに向かうことにした。ぐるりと中海を回ってみよう。米子空港のあのミュウジック道路を通ってみよう。ゲゲゲの鬼太郎のテーマソングをあの道路に聞こう。そう思って走り出した。エンジン音は今日も快調そうだ。

     

     18曲入りのCD12枚が順番にひとりの車内のムードを潤す。しばらくすると、かぐや姫が歌う「赤ちょうちん」の順番がやって来た。聴いていると、「生きてることはただそれだけで、悲しいことだと知りました」、と歌った。いつもこの歌詞を聞くと、ここで胸が詰まってしまう。

     

     そう言えば、妻とふたり車の中で一番多く聞いた曲はこの赤ちょうちんなのである。私がこの歌が好きだったから、もう一度聴こうよと言って繰り返すのだった。だから他の曲と比べたら、倍以上の回数をふたりで聴いたのかもしれない。今日も、何度も何度も繰り返し聴いていた。そして隣の助手席に妻がいるような、そんな錯覚が嬉しかった。

  • 日誌 2024年03月11日

     七回忌法要が六日後に迫ってきたからだろうか、仕事が手に着かない。ふたりの娘が帰って来るからだろうか、それとも孫に会えるからだろうか。妻の魂により深く触れ合える、そんな気がする法要が近づくからだろうか。なんだか私自身でも分からないが落ち着かなくて、そして仕事が手に着かないでいる。

     

    日誌

     

     妻が生前最後の日まで付けていた日誌風メモ帳がある。それが、私が事務所に持って来た末娘が使っていた小さなステレオの、その本体の横に立てかけてある。妻が恋しくなった時、時々開いて見ている。懐かしい。几帳面な、その反面、大きく崩した文字が懐かしい。

     

    バースデイ 最後の文字に「あーすけが事ム所へ」とある。あーすけとは、私が長女の名前の頭文字のあを取って「あー助」と呼んだのが始まりだ。普段、妻は「あ・・・ちゃん」と呼んでいたのだが、メモにはこんなふうに書いていた。長女が何かをコピーしに事務所にやって来たんだと思う。

     

     この日記の、早いページあたりに月別のカレンダーがあって、そこに予定を書き込むようになっている。この写真は、3月3日、私の誕生日なのである。「OTO」とあるのは、「お父」という意味であるが、自分を含め、家族全員の誕生日に、それぞれの名前と共に、このように書き込んでいた。どんなに家族思いな、どんなに家族を愛した、妻だったのだろう。

  • 来週の日曜日 2024年03月10日

    参道 今度の日曜日は妻の七回忌の法要を執り行う。私が喪主として行うのはこれが最後の法要になるのかもしれない。そう思って一期一会の覚悟でするつもりだ。・・・ここまで書いて、はっと思った。そうなのか。だから違うんだ、三回忌の時の気持ちとは。

     

     その日の休業の、事務所への貼り紙用の原稿をパソコンでこしらえた。妻の七回忌の法要のために、と正直に書いた。来店のお客様にも納得いただけるだろう。そして日付は17日(日)と18日(月)と連休にした。せっかく遠方から帰って来るんだから。その二人の娘との関係を確かめ合おう。月曜日はその日に当てよう。罰は当たりはしないだろう。

     

     写真は、鳥取市の白兎神社の参道だ。妻とのデートの思い出の場所の一か所だ。でも、あの時とは雰囲気が全く違う気がする。だから、これも冥途への土産話になるのかもしれない。樗谿公園がそうであるように。賀露港の市場やレストランや、そして海がそうであるように。

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