店主日記
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人生なんだね
2023年11月21日
久し振りに小春日和。先日来の嵐で事務所周辺に松葉が散乱していた。出勤してからすぐにその掃き掃除にかかった。今終わって朝のコーヒーを頂いている。掃除に要した時間は1時間余り。終わってしまえば清々しい。毎年毎年、今頃の季節になると、この作業がやって来る。
歩道も掃き清めた。これも、近くに仕事場を持つ者の役割だろうと毎年続けている。もう20年近くにもなる。内の15年間は妻がいた。妻が事務所で店番。私が落ち葉掃き。そんな風景が浮かんできた。妻の顔が浮かんできた。今、事務所にいるんだなと、錯覚してしまう。そうなんだよなと思った。これが私の人生だなと、あらためて思った。
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日向ぼっこ
2023年11月20日
子供の頃、縁側でよく日向ぼこをした。庭にいっぱい雪が積もっていても、縁側に座って風のない日の日向ぼこは暖かかった。母が床に伏していても、兄や姉が学校に行っていても、ひとりぼっちの日向ぼこは暖かかった。心まで温もるようなそんな気持ちになったものだ。
松江には、常に風が吹いている気がする。日向に出ても、その風の冷たさを感じてしまう。だから、松江では日向ぼこの記憶がない。よく人に言う。仁多ではね、日向ぼこがとても暖かくて気持ち良かったんだよ。あたりに雪が積もっていても、温かかったんだよ。皆、ぽかんとして聞いていた。
今朝は、久し振りに晴れた。陽射しの色が温かそうだった。でも、表に出ると冷たい風が吹いていた。事務所の、接客カウンターにも陽射しが届いていた。ここでいいや。インスタントコーヒーをコップに注いだ。読みかけの文庫本を持って来た。昨日の、心を痛めたひっかき傷が癒されていく。ガラス越しの太陽は、そんな温かさを背中にくれた。
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卵サンド
2023年11月19日
昨夜、今日のお昼のタマゴサンドをこしらえた。卵に出しを入れ、野菜も入れて醤油のみで味付けしてフライパンで薄く焼いた。最後の味付けにケチャップを少し塗った。それを6枚切の食パン一枚を半分にして挟んでラップで巻いてテーブルの上に置いた。
今朝、それをリュックに入れて出勤しようと思ったその瞬間、毎日、妻が作った弁当だったのにとそう思った。だけどもういないんだ。でも、それは仕方ないことだと普段はそこで心は落ち着く。だが、今日は違った。切ない気持ちが、いつまでもいつまでも続いてしまった。たまらず車に乗ってあてもなく走り出した。
やがて事務所に帰って、涙のタマゴサンドをかじっている。まだ切なく寂しい気持ちは収まらない。妻が亡くなって、もう5年半も過ぎてしまったのに。どうしてこんなにも深く妻を愛してしまったのだろう。いつになったら心安らぐのだろう。・・・私には時々、こんな日がやって来る。
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有難うな
2023年11月18日
コンビニ弁当だけじゃ栄養が偏る気がして、何日かに一度は自分で作ることにしている。具だくさんで一品料理で、しかも安価なのが良い。写真は先日のもの。鮭を豚肉に替えたちゃんちゃん焼きだ。昨夜はキャベツいっぱいの焼きそばにした。私の料理は、男が作るキャンプ飯。
今、外は雪が降っている。湿気の多い、雪にしては暖かい雪だ。松江市では初雪。こんな日の朝、よく眠った。7時に目覚まし時計止めて、再び1時間も眠ってしまった。何年振りだろう、こんなにぐっすりと眠ったのは。墓参の時間が遅れてしまった。遅くなってごめんなと言って謝っておいた。君の、分身のお陰だよ、と。
昨夜、北京の長女とラインした。子供だからと、いつもは打ち明けない、そんな事柄を話してみた。異論が帰って来るかと思っていたが、そうではなかった。優しい返事が返ってきた。家族なんだと改めて思った。ひとりぼっちじゃないことを確認した。そうだよな、子供たちは妻の分身だものな。なぎさ、いい子供たち有難うな。
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伯耆大山
2023年11月15日
事務所周辺に、先日の嵐で落ち葉が散乱した。片付けようにも、雨に濡れた落ち葉はどうしようもなかった。そのことが気になっていたので連休二日目だがやって来た。恥ずかしくない程度に小ざっぱりさせた。さあ、これからどうしよう。安来市の道の駅「あらえっさ」まで行ってみるか。
先日の寒さが嘘のように、車の中は暖かかった。エアコン止めた。窓を少し開けた。流れ込んでくる風が爽やかだ。路面をたたくタイヤの音が小気味いい。遠くにあった大山がだんだん近づいてきた。安来市に入ったら美しいと思った。どこか撮影場所がないかと思案した。島田あたりで思い付いた。あそこがいい。
伯耆の国だから伯耆富士という。松江市から見たら出雲富士という人もいる。この山の頂まで、何回登っただろう。先日降り積もった雪が陽光を受けて輝いていた。その輝きが雄大さを増していた。助手席に妻がいたらと、つい思ってしまう。美しいねって、話しかけたのだろうに。