店主日記

  • 俯瞰してみる 2022年11月17日

     昨日は鰐淵寺に行った。坂道を歩く時、時々雨が降ってきた。石段を登り終えた時、荒れた息を整えようとしている私がいた。年老いてきたのかもしれないと、そう思う私がいた。マスクからもれる息が、メガネを曇らせ不快に思う私がいた。

     

    紅葉

     

     若いカップルには思わない。中年の、あるいはそれ以上の年齢のカップルとすれ違うと、いいなって思ってしまう私がいた。うらやましがる私がいた。時々晴れ間がのぞく風景を何気なく見ていて、私って何だろうとそう思う私がいた。

     

     事務所に帰って店主日記書き終えて、買い物してシャワーを浴びた。テレビの大相撲見ながら、テーブルの上にトリモツ鍋が煮え立つのを待っていた。ビールを飲み干す音がグビリと聞こえた。また、長い長い夜が始まった。

     

     今朝、出勤して、事務所前に溜まった落ち葉を見た。いつもはうんざりするのだが今日は違った。落ち葉入れの段ボール箱を持ってきて黙々と片付けた。久し振りに、事務所に隣接の交差点の歩道の上を掃き清めた。体に、薄っすらと汗が浮くのが分かった。気持ち良かった。・・・そう、やっと自らを俯瞰する、そんな気持ちになれたのかもしれない。いい気持ちなので、立て続けにインスタントコーヒーを3杯飲んだ。

  • 休みの日は早く目が覚める 2022年11月16日

     目的も決めていないんだから、もう少し寝ていればいいものを。そう思うのだが早くに目が覚めた。だけど、室内の掃除などする気になりゃしない。昨日、行ってみたいなって軽く決めていた出雲市の鰐淵寺に行くことにした。

     

     30年ほど前に、県外から来た同僚を連れて行ったことがある。それ以来だ。その前は新婚だったころ、妻とふたりで来た記憶はくっきりと残っている。ちょうど、今の季節だった。あの日は紅葉がきれいだった。帰りに、大はかやで鰻重食べた。肝吸、うまかったな。

     

    紅葉

     

     車を駐車場に置いて、そこからずいぶん距離がある。おまけに上り坂だ。最後に、長い石段上ったら汗かいた。息が弾む。マスクでメガネは曇る。風景なんて見えりゃしない。写真なんて、写せりゃしない。燃える紅葉が、昨日のことのような思い出になって、鰻重の旨さに似て心に染みる。

  • 陽だまりにて 2022年11月15日

    陽だまりにて 事務所前の枯れ葉を掃除して、机に雑巾をかけて、のぼり旗立てて、さあ、営業準備OK。ドリップコーヒーを淹れて。暖房がなきゃあ少し肌寒いなと思った時、東向きの事務所のガラス戸越しに小春日和の朝の陽が降りそそいでいることに気が付いた。

     

     コーヒー持って、文庫本持って、その日だまりに椅子を置いた。文庫本もすでに佳境にある。暖かい。こんなに時間に余裕のある不動産業に感謝しながらの日向ぼこ。頂き物だが美味しいドリップコーヒー。ああ、なんて至福の時間なんだ。

     写真は「立冬」に登場のKさん撮影

  • 広がる田園風景 2022年11月14日

     岡山県真庭市の勝山町が好きで時々行く。街の入り口の無料駐車場に車を停め、リュックを背負って歩き出す。散策が終わると徒歩を終え、再びドライブタイムだ。少し南下して落合インターで中国自動車道に乗る。西に向かって庄原インターで降りて314号線に入る。

    田園風景

     

     三井野原スキー場の麓を通っておろちループ橋を下る。奥出雲町は私の故郷だ。田園風景が広がっていて、何もかもが懐かしい。国道をちょっとそれて鬼の舌震から私の生家がすぐそこに見える道を走る。築150年の、昔茅葺だったこの屋根も今は改装され、兄嫁がひとり住まっている。気を遣わせるので寄るのはやめる。

     

     再び314号線に。後はもう帰るばかりだ。松江方面に向かって走り出す。時に私はこうして、長距離ドライブを楽しんでいる。だけど、どこに行っても妻との思い出の場所ばかり。どれだけ二人だけの小旅行を楽しんだのだろうか。悔いはない。・・・写真は先日の日曜日の午後、銀杏を見に奥出雲町に行った時、車窓から「立冬」に登場のKさんが写したもの。

  • 小春日和の朝 2022年11月12日

     コーヒー先日、ある業者の女性の営業マンがドリップで頂けるコーヒーを持ってきてくれた。それを、朝の一杯目に頂いている。(私は良くコーヒーを飲む。一日何杯も。ただし、インスタントコーヒーだが)・・・そのドリップコーヒーを飲みながら、ユーチューブで山本潤子の歌を聴く。至福の時間だ。

     

     この頃、よく眠る。朝、なかなか布団から抜け出せないでいる。だから朝が忙しい。千切りにしたキャベツを少し水にかやす。シャキッとする。それをざるに入れる。これが昨夜の作業。朝になったら程よく水気が切れている。卵とウインナーを同時にフライパンに。パンを焼く。牛乳をコップに入れる。新聞を片手に、テレビの音を聞いてこれを食す。

     

     どうしてよく眠るのだろう。程よい寒さだからか。それとも疲れたからか。それとも年齢のせいなのか。違うな。心が安らいでいるからだろう。ひとり暮らしにすっかり慣れて。・・・この頃、やっと、妻の死を認めた。そんな気持ちになれたのかもしれない。

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