店主日記
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タンポポの花
2024年04月07日
陽光の暖かさにつられて事務所近くを散歩した。タンポポの花が地面にへばり付くように茎をのばさずに咲いていた。3個の花をつけたその株はコンクリートの隙間から葉を伸ばしていた。よりによってこんな場所に咲かなくてもいいだろうに。と思って見たが、彼らは咲く場所を選べないんだということに気が付いた。咲く場所も風任せなのだ。
ふとある日の「NHK子供科学電話相談」を思い出した。草花は、あんな所でも案外順調に育つそうだ。根を伸ばしたコンクリートの下には土がある。そして水分も栄養も豊富だとか。だから心配しなくていんだよと、電話の相談の子供に相談員はラジオで答えていた。そうなんだねと私もこの年齢になってやっと分かった。
人も、生まれる場所の選択なんかできないじゃないかと、そう思った。生きていくうちにも様々な出来事に遭遇する。そんなことが相まって、大金持ちもいればそうでない人たちもいる。幸福そうな人もいればひとりぼっちの人もいる。だけど、土壌は同じだよ。土があって、水分も養分もいっぱいいっぱいあるんだよ。そう我が身に思い聞かせた。
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タイヤ交換
2024年04月05日
島根日産にタイヤ交換の予約をしておいたので午後、行ってきた。音の大きく出るスタッドレスタイヤとの乗り心地の確認がしたくて、熊野大社まで試運転に行った。やはり違う。静かだ。路面の凹凸やらをくまなく拾うのが分かる。夏用タイヤは、やっぱりいいな。大社の参道横の大木が、桜の花を満開にして誇らしげだった。
来週の定休日、10日の水曜日は松江も広島も天気が良いらしい。予定していた尾道行きも快適になりそうだ。千光寺公園から坂道を下って行こう。志賀直哉が住まっていた寓居も見てみよう。猫の細道も歩いてみよう。町に下ったら、娘が連れて行ってくれた店で尾道ラーメン食べてこよう。
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心のゆらぎ
2024年04月04日
昨日、定期診察日だったのでいつもの病院に出かけた。受付を終えたら処置室で採血をしてもらう。時には同じ看護師さんの場合もあるが、行く度にその顔触れは違っている。昨日は年配の女性だった。名を呼ばれた瞬間、なんとなくこの人なら、そんな心の温もりを感じた。
椅子に座って腕をまくった。その腕を見て看護師さん、「荒れているね」。肌のことである。「うん、乾燥肌でね、痒くてかきむしったもんだから」。「そうなんだ。体も?」。「うん、全身。ひとり暮らしだから心が乾燥する。すると体も乾燥するらしい」。そんな冗談を言ってみた。
「え、奥さんは?」。左手の薬指の指輪をを見たという。「先日、七回忌を終えたんだよ。二人の娘も出て行っちゃって今はひとり暮らし。それに息子は入院してる。どうして僕はこんな人生なんだろうね」。「でも、もっと寂しい人はいるから。それに、いろんなこと乗り越えた人は強くなる。あなたは優しそうだし、きっと幸せになるわ」。
今朝起きて、アスファルトを打つ雨音を聞いていたら、無性に寂しくなってき。本当なら今この時間は、テーブルに向かい合って二人で朝食摂りながら談笑してるのに。そう思ったら一層寂しくなってやりきれなくなってきた。だから、昨日の看護師さんとの会話を思いだそうとした。そうだよな、幸せにならなくちゃあな。乗り越えなくちゃあな。
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桜
2024年04月02日
暖かい朝日を浴びて桜の花も嬉しそうだ。大庭町の公園墓地の桜も微笑みながら私を迎えてくれた。やあお早う、今日は暖かいねとそう呼び掛けて微笑んでいた。ここの桜と顔見知りになってもう6年が経ってしまった。早い月日の流れを感じてしまう今日この頃なのである。
妻が亡くなったのは、2018年4月23日の早朝だった。妻の妹親子、娘たちふたり、そして私が見守る中、静かに静かに息を引き取っていった。お父さん、今からあっちへ行くね、そう言ったように私には聞こえた。そうか、今から行くんだね、本当に行ってしまうんだね。そう思った。
その夏、ここの公園墓地の一角を松江市から借り受けた。そして納骨を無事終えた。その時には桜の木があることさえ分からなかった。明くる年の春、桜の花が咲くことに気が付いた。ああ、ここにはたくさんの桜が咲くんだとその時初めて知った。以来ここの桜は、春になるたびに私の心を和らげてくれている。そして妻が亡くなったあの日の記憶が懐かしく蘇ってくる。
もう直ぐ命日がやって来る。私の寝室には妻の仏壇が置いてあり、亡くなったあの時のカレンダーが壁にそのまま掛けてある。掛け時計は、妻が亡くなったその時間を差して止まっている。ふたりの部屋だったこの部屋は、ふたりの思い出がいっぱい詰まっている。
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春が来た
2024年03月29日
昨夜、なぜか寝付けなかった。しょうがない、もう一杯焼酎のお湯割りを。飲み終わったら深夜の1時前。と言う訳で、今朝は開業時間のぎりぎりまで出勤時間を伸ばした。でないと、万が一酒気帯び運転などになったら仕事ができなくなってしまう。宅建免許がなくなってしまう。
明後日朝、貸店舗の鍵渡しがある。その店舗に3か所設置してある鍵の作動の確認にお昼過ぎに向かった。案の定、1ヶ所の鍵が開かなくなっていた。持参のオイルで開錠も快適になった。これで準備OK。4月1日の鍵渡し、安心して行える。
それにしても今日は暖かだ。そんな陽気が私を誘った。ちょいと足を延ばしてみたい、そんな気持ちになった。意宇川の流れの水の乱れが陽光を弾いてきらきらと光っていた。その上の桜の大木がわずかの数だが花びらを開いていた。わずかでも、この木の開花宣言には文句はないと思った。やっと、本物の春がやって来たんだ。そんな無言の言葉が心を巡っていった。