店主日記

  • 鳥取の白兎神社 2024年03月01日

     大きな袋肩にかけ 大黒様が来かかると ここに因幡の白うさぎ 皮をむかれて赤裸

     大黒さまはあわれがり きれいな水に身を洗い 蒲の穂綿にくるまれと よくよく教えてやりました

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     大黒さまの言う通り きれいな水に身を洗い 蒲の穂綿にくるまれば うさぎは元の白うさぎ

     大黒さまは誰だろう 大国主命とて 国を開きて世の中を 助けなされた神様よ

     

    2 この童謡「大黒さま」小さい頃よく歌った。小学校に入る前から母とふたりで歌っていた。まだあの時には、人前で歌う羞恥心なんかかけれもなかった時代だ。それが今、人の前では歌えない。カラオケ行っても歌えない。ひとりの車の中ではではあんなに歌うのに。

     

     大国主命は出雲大社の祭神。信心のない私が、カメラ持って出雲大社を歩いていた。旅に来た三人娘がすぐ近くにいた。自撮りなんかできないあの頃のフィルムカメラ。「シャッター押してくれませんか」。そんな出会いがあって、一人の娘が私の妻になった。

     

     昨年の今頃、新聞投稿した。思い出の出雲大社の参道を妻の面影と歩きたかった。人が多すぎてあきらめた。家に帰って、海鮮お好み焼きを焼いた。旨かった。妻がいたらどんなに楽しいだろうと。そう書いた投稿が採用された。今まで採用された中で、最高傑作だと思っている。夜に、焼酎飲みながら、時々切り抜きを読んでいる。今月は、妻の七回忌、心が騒ぐ。だからこんなこと、書いてみた。

  • 月末の定休日 2024年02月29日

    海Ⅱ 昨日は月末の個人的な支払いやらで時間を費やした。先日、息子の未利用口座の解約通知書が届いたのでどうするんだろうと、近くの銀行に行って聞くことにした。そして窓口で説明した。息子は重度の障害があってここへは来れないし、妻は亡くなって通帳も印鑑もどこだか分からないし。・・・あの若い窓口の女の子、私の人生をどう感じたのだろうか。自宅の駐車場に着いた時、あらためて私の人生を思ってしまってしばらくそこを動けなかった。

     

     早い時間に自宅に帰った。ならば、今日は湯舟につかろうか。洗剤で汚れた湯舟を洗いだした。ずいぶん汚れたものである。ずいぶんと時間がかかったし、ずいぶんと疲れた。しかし、半年ぶりの湯舟の中は温かだった。その温かさに感激した。入浴が終わって、ニンニクとショウガをふんだんに使った肉団子鍋をこしらえた。焼酎も入って、お陰で夜はポッカポカ。

  • うっかりミス 2024年02月27日

    海 先日の何日か、気温が20度を超して暖かかった。その後また寒くなった。最高気温が10度にも届かない。近くのコンビニにお昼のおにぎりを買いに行く時も厚手のコートを着て行った。夜も寒い。震えながらシャワーを浴びている。

     

     先日、七回忌の昼の集いにお食事処を予約した。昨夜、その案内の最後の返信が届いたので参加人数が決定した。それを報告しようと思って予約のお店に電話した。承っていないようですが・・・。え、あれ。どこへ電話したんだろう。

     

     そのお店、少し離れた場所に支店を持つ。私が電話したのはその支店だったようだ。なんておっちょこちょいな。あんたらしいわって、茶臼山の空で笑う妻の声がした。

  • 冬の大山が見つかった 2024年02月25日

     先日、事務所の妻の小物入れを自宅用通帳の印鑑がないかと探した。印鑑は見つからなかったが、妻の好みの赤い色のusbメモリーが見つかった。何だろうとパソコンに差し込んでみると、数十枚の写真が見つかった。子供たちの写真。私の写真。それに、風景写真が数十枚。中に、いつかの年の今頃写したのだろう、雪をかぶった大山を写したちょっといいのがあった。妻が写したのだろうか。それとも私だろうか。???

     

    大山

     

     大山は、西から見ると伯耆富士。北側から見ると怪獣ゴジラの背。この写真がゴジラなのである。撮影場所は恐らく名和町あたり。私たち家族はよくこの国道9号線を車で走った。妻の実家と行き来するためにである。ああ、懐かしい。あのホンダのホライゾンで往復した国道9号線。車内のにぎやかさが蘇ってきた。

  • 雨の三瓶山 2024年02月21日

     出雲市の息子に会った後は、どうしてか三瓶山に行きたくなってしまう。大降りの雨だけど、向かった。それでも、山に向かって坂道を走っていたら小降りになってきた。小降りの雨の中のドライブを私は好む。この時、えもいわれぬ喜びを感じるのはどうしてだろう。

     

     東の原に着いた。私と同時に駐車場に車を停めた若い男性がワイナリーに入って行った。ひとりぼっちで寂しそうな背を私に向けて入って行った。どうしよう、私も入ろうかな。でも、今日はワインを買う気にもならない気がした。頓原に下りよう、そう思って車に乗った。

     

    雨の煙る

     

     オートに設定したワイパーが、間欠に動いている。さっと、ひとかきしては静止する。この間合いが好きなのだろうか。それとも、雨に煙る山を見るのが好きなのだろうか。それとも、高校生の時見たフランス映画のシトロエンのワイパーの音を思い出すからだろうか。あの頃から、私は運転にあこがれてしまった。それが夢になってしまった。

     

     先日、NHKのeテレの料理番組を見た。肉団子と、白菜を使った鍋料理をしていた。今度の休みには、あんな料理作りたいなと思っていたその時の放送だったので今日の夕食に実行することにしていた。テーブルコンロに土鍋を載せて最後の仕上げにかかっている時、おやと思った。土鍋から水滴が滴って炎を揺らしていた。

     

     妻と結婚した40年ほど前、今晩鍋料理にしようよということになった。じゃあ土鍋買いに行こう、ということになってサティ(現在のイオン松江ショッピングセンター)に二人して出かけた。そこで買った土鍋だから悪い品物ではない筈。でも、40年間使ってきたから愛着がある。この鍋どうしよう。妻との思い出どうしよう。テーブルの上のオブジェにするのもいいかもしれない。ふと、そう思った。

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