ちびりちびりと

2024年05月21日

焼酎 どうしようもない怒りがこみあげてきて、それが二度と抜け出せない悲しみと結びついて、泣きじゃくりながら島根半島の海沿いの道を車で走った。点在する集落が次から次へと移り替わっていった。約束されたように、石州瓦の赤い色に統一された集落の家々の屋根を見てるうちに、怒りは収まっていった。悲しみも幾分和らいでいった。そんな昨日の午後もあった。

 

 シャワーを浴びた。上半身裸で冷たい空気を体に感じながら缶ビールを一気に飲み干した。その後に、先日の3月に七回忌の法事の時にお供え用にと高級な焼酎を2本頂いたのを飲んだ。洒落たグラスに焼酎を注ぎ、氷をふたかけら入れた。それに水を注いで水割り焼酎をちびりちびりと飲みだした。今日の出来事だった朝の話し合いも、怒りに任せて走った午後の島根半島のことも忘れて。逞しくなったものだ。奥さんの方が男前だねって言われていたのに、逞しくなった。どこかから、妻の笑い声が聞こえた気がした。

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