店主日記

  • 写真展を見に行こう 2023年03月21日

     妻の5年目の命日が後一月と二日でやって来る。・・・あの年、49日が終わった頃から悲しみは日を追うごとに増していった。車で走りながら涙をポロポロとこぼした日が何回あっただろう。その頃、桜江町の今井美術館で渡部陽一氏の写真展があった。見に行った。その日、江の川を見ながら、そして泣きじゃくりながら車で走った。戦場を写した渡部氏の写真も、水害の後片付けをする人たちの姿も、私の悲しみを余計に強くした。だが涙は、悲しみという苦しみを和らげる効果があるらしいことも知った。そんな記憶が蘇ってきた。

     

     今ちょうど、あの美術館で写真展を開催している。地元の写真家二人の作品を集めたものらしい。そのことをテレビニュースで知った数日前、行こうと決意した。明日の定休日、あの日と同じ道を走ろうと思う。江の川を見ながら走ろうと思う。そして写真展を見てこようと思う。

  • 出羽ひな街道 2023年03月16日

     いつの日もそうだが、私は新聞を読むのは夜になる。前夜も、焼酎のお湯割りを楽しみながら新聞を開いた。ひな人形の写真に目がとまり、記事を読んでみた。ひな人形を見て回るイベントが邑南町であるらしい。よし、明日はここに行こう。決定だ。

     

     かくして昨日、朝8時に家を飛び出した。この時間の国道9号線は混む。山陰道を進んで出雲市で9号線に合流、西へと進む。大田市から大森銀山、川本町を経て邑南町に11時前に到着した。

     

    雛人形

     

     まず、出羽公民館の駐車場に車を停めた。中に入ってみた。大勢の人形たちが出迎えてくれた。一つ一つを見て回った。凛々しい人形。美しい顔。そしてあどけない子供びな。どれも個性豊かで楽しませてくれた。3月3日生まれの私にとってはみな兄弟だ。

     

     しばらく出羽ひな街道を散策した後、邑南町を後にした。来た道を引き返すのは好きではない。夕方までに帰ればいい、遠回りして帰ろう。広島県の千代田方面へ南下していった。標識だけを手掛かりに千代田へ千代田へと向かう。

     

     しばらく走った後、国道54号線に合流した。後はこの道を真っすぐ帰るだけ。走りながら今までの人生の思い出が走馬灯のように心にめぐっていった。繰り返し繰り返しめぐっていった。そして、人生っていったい何だろう。そんな疑問が頭をよぎった。そんな思案を他所に、車は順調に進む。帰ると、トリップメーターは300キロを超えていた。

  • 天気の良さにひかれて 2023年03月11日

     今朝、橋北の。・・・松江市は街の真ん中に大橋川(斐伊川1級河川)が流れていて街を南北に真っぷたつに分断している。北側を橋北(きょうほく)と言い、南側を橋南と言っている。我が社は橋南にあって、橋北のある同業他社に届け物をした。

     

     届け物が終わって、あまりの天気の良さにひかれて松江城の前を通ってみた。まだ朝の10時半だと言うのに、大手前駐車場に入り切れない車の列が続いていた。この駐車場を廃止して「交流広場」にしようと言う案もあるらしいことを思い出したがどんなものだろう。

     

    宍道湖

     

     そして道の駅「秋鹿なぎさ公園」に足を延ばそうと、そんな気持ちになって宍道湖北岸を走った。波ひとつない宍道湖。ずいぶんと昔には、こんな宍道湖も珍しくなかったが近年では珍しい。気候の変化からだろうか、常に波立つ湖面になってきた。だが今日は、湖水が陽光に照らされて水蒸気となって湖面を覆っている。なんて神秘的なんだろう。思わず、スマホで写してみた。黒く点となって見えるのがカモの群れだ。対岸に僅か山々の稜線が確認できる。

  • 読み返して 2023年03月09日

     イズモコバイモ昨日、この店主日記の写真の下に「2021年3月11日の日記参照」と書いた。そして今朝私もその日の写真を確認してみた。そして前後の日の日記を読み返してみた。そして思った。あの時は、まだ悲しみが満ちている。

     

     旅行支援もない一昨年の今頃、ひとりで出雲大社の参道を歩いていた。あの参道で、妻たち3人のグループと一緒に写真に納まった。彼女たちにシャッターを押してと頼まれて写真を写してあげた。その後どのくらいの時間が経ったのだろう、また他の人にシャッターを押してと頼んで私が一緒に収まっていた。

     

     私たちが出会った場所。懐かしい。昨日も散策しようと思った出雲大社の参道。今、人でいっぱいだ。あの時の静けさなどありゃしない。いつになったら静けさを取り戻すのだろう。ああ、出雲大社の参道をひとり静かに歩いてみたい。

  • 川本町へのドライブ 2023年03月08日

     9時に家を出た。公園墓地に寄って妻を誘った。今日は二人でドライブだよと言って妻を誘った。今日は、何としても負の淵から抜け出さなくてはならない。そう覚悟した心の内を見透かしてか車はエンジンの音をなめらかにした。遠くに山々の稜線がかすんで見えた。黄砂が舞っているのだろうか。春なのだと思った。

     

     昼ちょうどに川本町の旧JR三江線の旧川本駅に到着した。もう少し進めばイズモコバイモの群生地に着く。ワクワクしながら駐車場に車を停めた。そして自生地を眺めた。おや、イズモコバイモは?。案内の年配の男性によると、2月が寒かったから盛りはもう少し後になるとか。でも、ちらほらとイズモコバイモは地味だが可愛い花が咲きかけていた。

     

    イズモコバイモ

                2021年3月11日の日記添付の写真参照

     帰り、石見銀山から仁摩町に行ってみた。新しい道の駅「ごいせ仁摩」ができていた。国道脇でもないのに小さな町の道の駅にしては賑わっていた。その後、国道9号線に出てコンビニでバーガーを買った。遅い昼食だ。車を走らせながら食べた。しばらく走っているとなぜか、風景が曇ってきた。悲しいという感情ではないのになぜか風景が霞んでいった。スピーカーから聞こえる20歳のめぐり逢いを歌うシグナルの声が妙に心に染みた。

     

     道の駅、キララ多伎から海辺を通って出雲大社に向かった。久し振りで大社を散策してみようと思った。神門通りを走ると観光客で混んでいた。今日は人混みは避けたかった。仕方なく散策はあきらめて帰路についた。疲れた。200キロ余りしか走っていないのにひどく疲れた。だが、気持ちは逆に軽くなっていた。

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