店主日記

  • そんな気がして 2021年03月01日

     この頃よく眠る。途中で何回も目が覚めて、その度にトイレに行って、また寝付けなくて悶々とした気持ちの中で朝を迎える。そんな状態の夜が続いていたのに、この頃よく眠る。一回も目覚めることなく、それどころか目覚まし時計が必要となってきた。

     

     私が眠れなくなったのは、妻が亡くなってからだ。「岬めぐり」の歌詞の中で、「僕はどうして生きていこう」とバスに乗った彼は青い海を眺めながら歌った。そんな気持ちが私も2年半も続いた。食欲もなく、生きる気力さえ薄れて、眠る体力も心の力もなくしていたのだろうと思う。

     

     配偶者を失った人はみんなそうだと思う。だから連れ合いの後を追うように亡くなっていった話をよく聞く。でも私は生きる気力を取り戻そうとしている。これは私の気持ちが強いからではない。おとうさん、生きていってと、妻が天国から手をふっている。そんな気がして。

  • 恋人は要らないけど 2021年02月25日

     2年余り前、妻の墓石と仏具を整えるために仏具店に行った。この夏が終わる頃、同じその仏具店から仕事の依頼があった。資料を持って行くと、受付の女性が私のことを覚えていてくれた。聞かれるから私の近況を説明した。彼女、「何食べてるの」 私、「暑いからソーメンが多いかな」 彼女「もっとしっかり食べなくちゃあもっと小さくなるよ」 嬉しかった。女性って、優しいなって思った。二度ほどしか会ったことないのに気遣ってくれる。

     

     1年ほど前に知り合った女性がいる。私の子供と言ってもおかしくない年齢だ。先日、その女性を誘って宍道湖一周のドライブを楽しんだ。車中、会話が弾む。私の言葉に答える彼女は歯切れがいい。そのジョークとタイミングは妻とのによく似てる。久し振りに女性との会話を楽しんだ。心に妻がいるから恋人は要らない。でも、女性の友達はたくさんほしい。

  • かすかに恋心 2021年02月22日

     良く晴れて暖かい。今年になってから一番の暖かい朝なのだろう。事務所前に散らばった木の葉っぱを掃く。暖かすぎる。ワイシャツの上に着ていたセーターを脱ぎ捨てた。インスタントコーヒーをすすりながら外を見る。東京の娘に似た、出勤のいつもの可愛い彼女を見た。今日はいい日になりそうな予感。

     

     2月22日。2の字が続く。どうしてだか、今日は猫の日らしい。朝から、猫グッズを集めた女性がテレビに登場していた。そして来月の3日、ひな祭りである。令和3年3月3日と3の字が続く。ちょうど定休日、岡山県の暖簾の町、勝山町に行こうと思っている。町に飾られた雛人形を見るために。その日は私の誕生日。

  • 春が来た 2021年02月20日

     春が来た。爽やかな太陽の光が空気を温め、その温まった空気に包まれていると心まで温かくなってくる。そんな朝の光が事務所奥深くまで差し込んでいてパソコンの画面を照らしている。立ち上げたパソコン画面は太陽の光の強さには及ばない。メールも読めやしない。もう少しゆっくりしようか。もう一杯コーヒー飲もうか。

     

     昨夜は久し振りに沖縄に住んでいる兄とふたりで飲んだ。昔話に花が咲いて、そして私の夢を語った。兄の経験も聞かしてくれた。夜遅くまで。そして一夜明け、良く晴れた朝を迎えた。太陽の光を眩しく感じながらホテルへと入っていく。すでに花嫁は玄関ロビーで私を待っていた。こんな爽やかな朝は、結婚式だったあの日の朝を思い出してしまう。

  • この頃よく眠る 2021年02月17日

     朝、目が覚めたら8時半。途中起きることなく、ぐっすりとこの時間まで寝ていた。何年振りだろう、こんなに遅くまで寝ていたのは。今日は定休日、だからって昨夜深酒したわけでもないのに。遅くまで起きてたわけじゃないのに。この頃よく眠る。コロナ禍の中での不安は多いはずなのに。気持ちが滅入ることが多いのに。この頃よく眠る。今の暮らしぶりに慣れてきたからだろうか。

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