店主日記
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今になればみな笑い話
2021年07月26日
今日は、営業マンが何人か来た。夕方やって来たのは、転勤して来ましたと言う若者の新任の挨拶である。名刺交換の後、まあどうぞおかけください。これが私の決まり文句だ。来る人は拒まずである。そして彼の外見上の特徴を見つける。陽に焼けたね、どうしてって質問してみる。「車のエアコンが故障して、窓を開けて走っているものですから」
これがきっかけとなって、次から次と泉のように会話の種は飛び出してくる。そして、私の波乱万丈の人生を話してあげた。彼は、涙を流して笑って、私の話を聞いてくれた。そう、私の人生は、今になって話せばみんな、笑い話に聞こえるのである。彼もひとり暮らし、久し振りに笑いながら人と話せましたと、笑顔で帰って行った。
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どうしてもクワガタが見たくて
2021年07月22日
じっとその動きに見入る。次はあの足が動いて、行く方向性から、口その周辺の動きから、きっと餌を求めているのに違いない。そう思ってみていると、案の定、ゾル状の餌の上で止まった。読みが当たった。国外産の、オオクワガタの様子である。まるで私は子供だな。
昨日のことだ。朝、一週間ぶりに掃除機かけた。サンドイッチ作って、コーヒーをポットに詰めた。さあ出かけるぞ。通帳を整えるため、支払いのため、銀行に行った。次は郵便局。出雲に入院の息子の病院の支払いに行く。月末は案外忙しい。その後再び、三瓶山北の原のサヒメルに行く。二週連続である。
受付の若くて可愛い女性に、あのモニュメントはミヤマクワガタですかって聞いてみる。調べてみると言って、そして調べてくれて、私の後を展示室まで追ってきて、報告してくれた。親切なので嬉しくて、スマホ開いて、これが店主日記ですよ、後で読んでみてね。・・・ひとり暮らしは、親切ほど嬉しいことはない。
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真夏の太陽が
2021年07月20日
「
真っ赤に燃える・・太陽だから」ってひばりが55年ほど前に歌った。それよりもっと以前、ラジオ体操が終わると山の中に入っていった。目的は、クワガタ虫採集だ。その種類には、私たちはそれぞれ独自の名前を付けていた。ミヤマクワガタは「枕」。ノコギリクワガタは「赤鬼」。ヒラタクワガタは「黒鬼」。
三瓶山のユウスゲの写真を撮ったその日、そのクワガタの姿が見たくて北の原にあるサヒメルに行った。運悪く、休館日だった。だが、その建物の前の広場に、シルバー色に輝いたクワガタ虫がいた。ミヤマクワガタと見たがいかがだろう。
始業にはまだ早い。小一時間もある。インスタントコーヒーを飲みながら、建物の向こうにそびえる茶臼山の頂の方面を眺めている。薄っすらと、絨毯のような白い雲が山の上に広がっている。妻は今、その絨毯の上でくつろいでいるのだろうか。茶臼山の麓に我が家はある。
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あの雲の隙間から
2021年07月17日
最近になって、妻の死を知ったという人がやって来る。昨日も、間接的だが親しかった人が御仏前をくれた。妻の人柄だなって、今朝の事務所の籐製の椅子に座って空を見る。あの雲の隙間から、妻は私のことを見てるだろうか。そう思って手を振った。そう、この頃よく空を見る。
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有難う
2021年07月16日
早朝の墓参の帰り道、ねむの木の花を見つけた。私は、樹木に咲く花にはあまり興味がない。が、まだ陽の光が届かない早朝だからだろう、美しいと思った。しっとりと咲く、その花は神々しくさえ見えてきた。思わず車を停めて、携帯で写してみた。
私の故郷には、この木は多い。今時分になると、山のあちらこちらに見かける。季節を独占しているようでもあった。そして、私たちはこの木を「カアカ」と呼んでいた。葉は、お茶にもなるらしい。「カアカ茶の木」とも呼んでいたのを思い出した。
先ほど、先日の松江市に降った大雨を心配して、昨日メールをくれた中学校の同級生に返信をしておいた。広島に住むMさん、あたたかい思いやりに有難う。そして、私の話を聞いてくれて有難う。