真夏の太陽が

2021年07月20日

 「ミヤマクワガタ真っ赤に燃える・・太陽だから」ってひばりが55年ほど前に歌った。それよりもっと以前、ラジオ体操が終わると山の中に入っていった。目的は、クワガタ虫採集だ。その種類には、私たちはそれぞれ独自の名前を付けていた。ミヤマクワガタは「枕」。ノコギリクワガタは「赤鬼」。ヒラタクワガタは「黒鬼」。

 

 三瓶山のユウスゲの写真を撮ったその日、そのクワガタの姿が見たくて北の原にあるサヒメルに行った。運悪く、休館日だった。だが、その建物の前の広場に、シルバー色に輝いたクワガタ虫がいた。ミヤマクワガタと見たがいかがだろう。

 

 始業にはまだ早い。小一時間もある。インスタントコーヒーを飲みながら、建物の向こうにそびえる茶臼山の頂の方面を眺めている。薄っすらと、絨毯のような白い雲が山の上に広がっている。妻は今、その絨毯の上でくつろいでいるのだろうか。茶臼山の麓に我が家はある。

ページトップ