店主日記

  • 東京ららばい 2025年08月04日

     今朝一番で宍道町に物件確認で行った。車で片道20分かかるのでセットされていた「歌姫」のCDを聴いた。中原理恵さんが歌う「東京ららばい」が巡ってきた。役30年ほど前に発売された歌らしい。聴いていて、その歌詞に興味を感じた。だから何度も何度も繰り返し聴いた。

     

    抹茶 「名前は?そう、仇名ならあるわ。生まれは?もう、とうに忘れたわ。そして、ふれあう愛がない。夢がない。明日がない。人生は戻れない.幸せが見えない、などと言葉が所々にあって、だから死ぬまでないものねだりの子守歌」と結ぶ。歌詞とは対照的に中原さんは明るくテンポよく歌う。

     

     そうだよなって思う。人生って幸せがあって、そして不幸がある。出会いがあって、別れがある。当然なんだよね。何もかもがごちゃ混ぜになったのが人生なんだよねって思う。だから、たまには世に拗ねてもいいじゃないか。東京ララバイのように、思いっきり叫ぶ時もあってもいいじゃないか。そう思ったら気が楽になった。

     

     写真は本文とは関係ない。私の気持ちが落ち込んだ時、鳥取の観音院に行った。そこで抹茶を頂いて飲み干した茶碗の底を覗き込むと妻の干支「子」の文字が現れた。恋人時代、ふたりで行った。この日と同じく私の茶碗に子の字、妻の茶碗に私の干支の寅の文字が現れた。この時互いに、ふたりは結ばれる、そう信じたものだった。そう、そんな幸せがあったんだよ。そんな思い出があるお前は幸せなんだよって、もうひとりの私が言う。

  • 精霊流し 2025年08月03日

     朝のコーヒーを飲みながら、ユーチューブで歌を聴いていた。さだまさしさんが精霊流しを歌った。昨年彼が亡くなって、彼女が今日の精霊流しの日を歌ったものだ。「去年のあなたの思い出が、テープレコーダーからこぼれています。あなたのためにお友達も、集まってくれました・・・」。

     

     私は時々妻の声が聞きたくて、妻が使っていた携帯電話を充電する。娘が撮ったのだろう、妻が洗濯物を畳みながら娘達と談笑している声が動画の中に聞こえる。毎日のありふれた風景だけれど、今の私にとっては貴重な動画だ。その動画を、夢を見てるような、そんな気持ちで見る私だ。本当にこんな日々があったんだと。

     

     神仏など、信じたことがない私は、盆はご馳走が食べられるから好きだった。母に言われるように、13日の夕方には玄関先で火を焚いた。そして、この明かりに帰って来てくださいと先祖に語りかけた。形だけ。まったく心の響かない、空しい色の声だったと思う。

     

     そんな私がこの頃心が落ち着かない。「かあちゃんの詩」日記に、何日も前からこう書いている。もうすぐ盆だよ。13日は、なぎさが家に帰ってくる日だよ。部屋中の電気を全て灯して、家中を明るくするから道に迷わず帰っておいで。娘達と孫と一緒に待っているよ。

  • ひたすら山道を走った 2025年07月31日

     無いのは当たり前で、おかしな話だが、昨日の定休日は仕事が無かった。だから朝起きて車に乗った。キャベツが欲しいからとりあえず安来市の道の駅「あらえっさ」。ところがそこにキャベツは無し。木次線の三成駅に併設された道に駅に行こうと決めた。米子市を南下して、中国山地の山道をひたすら走って横田に出た。そして三成駅に着いた。

     

     ゴウヤを手に取った。キュウリとナスとピーマンをかごに入れた。最後にキャベツ。私より20歳以上は若いだろう女性がレジにいた。「このキャベツ、高温で中が少し悪くなっているかもしれないから値段が安くしてあります」。その女性、なぜか優しさが溢れているような、そんな印象を受けた。人柄が表に現れている、そんな気がした。

     

    三成駅 駐車場を出て帰路に着いた。どんな環境の中で暮らしたら、あんな優しさが醸せるのだろう。レジの女性を考えていた。そしたらどうしてか、過去の記憶がだどんどん蘇ってきた。妻のこと、子供たちのこと、キャンプで遊んだ記憶、海ではしゃいだ記憶。その記憶はだんだん現代に近づいてきた。そしてある日、長女が言った言葉を思い出した。「10歳も若い、女房を先に亡くしたのだから、それはショックだよね」。その言葉を思い出した瞬間、ハンドルを握る瞼が涙でぐちゃぐちゃになってきた。

     

     三成駅に着いた時、二両編成の気動車が小さなディーゼル音を立てて止まっていた。どうもこの歳になるとその昔を回顧する癖がついてしまうらしい。よくこの駅を利用した。小学校の修学旅行からこの駅に帰ってきた。夜は列車の中に新聞紙を敷いて寝た。朝になったら三成駅に着いていた。写真の列車の向こうのプラットホームに下りて、当時蒸気機関車だったすぐ前を線路を渡って駅舎に入った。見方によれば、戦時中疎開して来た子供たちのように。

  • 今朝羽化したんだね 2025年07月29日

     午前11時に松江市役所前の国道を車で走った。路上に温度計が設置されていて、その数字は36。じゃあ午後はきっと37度。私の体温より高くなる。なんてこったと思った。この暑さ、もう何日続いたのだろう。そしてもう何日続くのだろう。

     

    セミの抜け殻 昨日、事務所の玄関入り口にひいたマットの上に一匹のチョウがやって来た。中を覗き込んでるように見えた。近づいて行き、しゃがみこんで正面から見たら私を見つめてくれた。その近くのアマリリスの鉢の木製の台座に、セミの抜け殻があった。今朝羽化したようだ。どうしてここまでやって来たのだろう。盆が近づくと、つい気になってしまう。

     

     先日の、NHKラジオの子供科学相談で回答者が答えていた。セミは羽化してから一週間の命だと言われている。だけど実際には20日も30日も生きるのだそうだ。それを聞いてほっとした。なぜ安心したのだろうと、不思議だった。その不思議が、今朝分かった気がした。

  • 暑い日が続く 2025年07月28日

     エアコンの冷気の中では熟睡ができないらしい。私はそんな体質をしているらしい。今朝もいつものように、鳴っている目覚まし時計の頭をポンとたたいた。5分後に同じことを繰り返す。3度繰り返して20分ほど遅く起きてしまった。そして開業時間の9時にやっと間に合った。

     

     パソコンと向き合うが、キーボードをたたく気になれそうもない。そんな時には歌を聴くのが良い。倍賞千恵子さんの透き通った美しい声が聞きたい。ユーチューブの抒情歌集をヒットさせた。間もなく「さくら貝の歌」が聞こえてきた。ああ、心安らぐな。映画で見たな。懐かしいな。

     

     いつの間にかユーチューブは自動的に「秋桜」の歌に替わった。最初、山口百恵さんが歌った。次に同じ歌を松田聖子さんが歌った。ラストに中森明菜さんが歌った。・・・6年ほど前にこの歌をよく聴いた。車のステレオでよく聴いた。君はこの気持ちになれなかったなって思って、よく聴いた。そう言えばさだまさしさん作詞作曲の歌、聴くとよく妻を想う。「精霊流し」だって、そう。

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