店主日記

  • また高くなったなあ 2025年07月06日

    ダニエル 明日同窓会があるから、おそらくは私の車を1台分として、仁多観光に使わなきゃあならないだろうから、ガソリンを入れてきた。前回入れた時はℓ159円だったのに今日は170円。つかの間の安値だった。ショック。トランプショック。入院の病室から眺めたガソリンスタンド、土日が安いことを知って、だから今日行ったのに。

     

     その後、中海の海岸道路に車を走らせた。サイクリングする集団とすれ違った。40歳から病に倒れる52歳まで、私もロードレーサーで走りまくった。三瓶山の東の原のスキー場のリフトにマウンテンバイクを積んで、そしてスキー場を駆け下った。懐かしい。何もかもが懐かしい。

     

     年に一度、日御碕灯台の駐車場まで行って、また松江市に帰って来るロードツーリングがあった。上り下りを繰り返して何とか目的地に到着した。そこに、ホライゾンの姿が見えた。その車の窓から、妻とまだ小さい頃の息子が手を振っていた。三人で食べた弁当の味、今でも覚えている。自転車の集団を見ていたら、そんな思い出が心の中を駆け巡っていった。

     

     写真は、自転車トライアルの技、ダニエルを決める私なのである。45歳ぐらいの時かな。

  • 夏の雲 2025年07月02日

     サイレントサマーを書き上げてから病院に向かった。検査、診察で2時間を要した。病院に隣接された薬局で薬をもらうのに30分かかった。いつも通りなのだが、私は待つのが嫌いでストレスを強く感じてしまう。病院だから仕方ないじゃあないかと言い聞かせるのだが、我が儘な私なのである。

     

    夏の雲

     

     この頃、中海半周のドライブが気に入っている。コンビニで冷たい缶コーヒーを買って出発した。駐車スペースのある大根島の堤防でカメラを持ち、外に出た。中海の上空に夏の雲が広がっていた。暑さが、病院のエアコンで冷え切った体に心地よかった。数枚のシャッタ音を聞いてあたりに誰もいないことを確認した。そして空に向かって大声で叫んでみた。なぎさー、大好きだよ~。

     

     こんなふうな日記を書くと、いつも決まって涙がにじむ。そして決まって心が和む。日記って、いいもんだなって思う。

  • Silent Summer 2025年07月02日

     定休日の今朝、ぎらぎらの太陽が昇り始めた。そして間もなく、真夏の暑さになってきた。でもなんだかおかしいな、そう思っていた。どうしてだろう。あ、そうかと気が付いた。暑さに似合うセミの声がしない。より暑く感じさせるアブラゼミの声が聞こえない。静かな夏、サイレントサマーだね。

     

     そんな昨日の夜.NHKテレビで「うたコン」を観た。サラ・ブライトマンさんが「タイム・トウ・セイ・グッバイ」を高音美しく歌った。森山良子さんが「さとうきび畑」を感情込めて歌った。ざわわ ざわわ ざわわと歌った。聴いていて、さとうきび畑の記憶がさっきのことのように蘇ってきた。

     

     私たちの新婚旅行は沖縄だった。連泊のホテルである日の朝食が終わった時、妻が言った。ねえ、海に行って泳ごうよ。OK、そうしよう。フロントでタクシーを呼んでもらった。さっぱり言葉は分からなかったが、よく喋る運転手さんだった。人懐っこい沖縄らしさが好ましかった。

     

     いつの間にか車はさとうきび畑の中を走っていた。さとうきび畑はいつまでも続いた。ねえ、ちょっと下りてみようよ、そう言ってタクシーを止めてもらった。さとうきび畑に佇むと風がさとうきびを揺らしていた。葉と葉がこすれ合ってざざざと音を立てていた。説明するならざわざわざわと言うだろう。森山良子さんはそれをざわわ ざわわ ざわわと歌った。5月だったのに、海の水は真夏の山陰の海のそれよりもはるかに温かだった。

  • ユウスゲが咲く頃だね 2025年06月29日

     先日、ある人を誘って三瓶山にドライブに行った。大田市街地から三瓶ダムをかすめ、北の原に向かい、広場に到着したところで左折した。そしてほんの少し走った所に「国引きの丘」があって駐車スペースと展望所が作られている。あいにくその日は日本海は霞んで見えなかった。

     

    三瓶山

     

     そして今日、展望所から写した写真を眺めていたら、ある日「蜂」の仲間と編集した文集を思い出した。懐かしく感じて、パソコンデスクに座った私の背中にある本棚からあの日こしらえた文集を取り出した。平成14年11月2日発行とある。「蜂」というのは中学校時代の同窓会の名前だ。仲間たち、来月の7日を楽しみにしているよ。

     

     私のページを開いた。「ライフワーク」と題して1ページを使っていた。三瓶山の埋没林から話が始まって、息子の自閉症のことになって、だからノーマライゼーションに 向けてのライフワークだと結んでいる。そして、次の2ページを使って地方新聞を中心に息子を書いて掲載された投稿文を載せている。この文集が発行された少し前、三瓶山の埋没林は発見された。

     

     妻とドライブで何度もやって来た。四十九日が終わってほっとして、泣きじゃくりながらひとり思い出を辿りやって来た。出雲市の病院に入院する息子に会った後、必ずと言っていいほど三瓶山にやって来る。三瓶山、名前もいいが、心救われる山でもある。そう言えば西の原の草原にユウスゲが咲く頃だね。

  • ホタルブクロ 2025年06月26日

    ホタルブクロ 小高い山地に咲く花で「ホタルブクロ」がある。釣り鐘状の花の中にホタルを入れて子供が遊ぶ、そんな光景からその名が付いたらしい。私の生まれた奥出雲町でもあちらこちらに咲いていた。だから子供の頃の思い出も多い。私はよく三瓶山に行くから、この季節になるとこの花を見るのを楽しんでいる。そしてこんな連想をする。真っ暗な部屋の、数株のホタルブクロの花にホタルをいれたら、さぞかし幻想的な光を放つんだろうな。

     

     そんな昨日の定休日、出雲市の息子を見舞った後、三瓶山に行くことにした。またいつものようにあの西に原の駐車場で文庫本を読もうと思っていた。途中、キララ多伎道の駅の自販機で缶コーヒーを買おうと立ち寄った。コインを入れた時に電話が鳴った。今日3時頃、お邪魔したいがどうだろう。走るだけでも行こう。停まったのは駐車スペースのある所でこの花の写真を写したことのみ。事務所に着いたのが2時50分。すべり込みセーフ。

     

     この店主日記、私は仕事のことにはあまり触れぬようにしている。ある人は言ってくれる。宣伝も入れたらどうって。そんなアドバイスは嬉しい。店のホームページだから本当はそうすべきだろう。それが理想なのだろう。だけどあえて仕事には触れぬ。私自身が作文を楽しんでいるのかもしれない。またそれが、仕事をする上のモチベーションなのかもしれない。

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