店主日記

  • 勝山は暖簾が良く似合う 2021年03月04日

     3月3日、久し振りに、天気が良い水曜日の定休日がやって来た。予定通り、岡山県真庭市の勝山町行きを実行した。朝一番の来客の対応を終え、10時、事務所前を出発した。5年ほど前に知り合った女性の友達を助手席に。(この日記、家族も読んでいるから言っとくが、あくまでも友達だから心配なく)

     

    雛

     

     いつも通り行きの途中、金持(かもち)神社に寄った。私は信仰心を持たないけれど、宝くじが当たりますようと手を合わす。そして四十曲峠を越して勝山町に到着した。いつもの駐車場に車を止めた。

     

     美しい女性店主がいる行きつけのカフェに入る。ここも古民家を改造したものだ。美味しいコーヒーのケーキセットを頂いた。今日は雛祭り、散策道路は歩行者天国で歩きやすい。幸せそうな人々達と暖簾街道を歩く。でも今日は友達が居るから一人じゃない。

     

    暖簾

     

     民家や商店の軒先に展示された雛人形が可愛い。それと暖簾のコンビネーションが城下町の藩政時代の懐かしさを醸している。この町も、妻との思い出が懐かしい。妻の姿が瞼にくっきりと浮かぶ。かあちゃん、楽しいな。

     

     草木染そして織物工房の店に入った。暖簾ってなぜですかって聞いてみた。大学で、染色と織物を学んだそうだ。この店に暖簾にして玄関に取り付けたそうだ。それを見て、近所の人の依頼を受けたとか。そして暖簾の町、勝山町の誕生だ。27年前のことである。

     

     暖簾に付いて尋ねた最初の人が、暖簾の町の暖簾の創始者だなんて。すごい確率で偶然訪ねた人が、その女性が答えてくれた。今日は私の誕生日、いい年になりそうな気がする。

  • そんな気がして 2021年03月01日

     この頃よく眠る。途中で何回も目が覚めて、その度にトイレに行って、また寝付けなくて悶々とした気持ちの中で朝を迎える。そんな状態の夜が続いていたのに、この頃よく眠る。一回も目覚めることなく、それどころか目覚まし時計が必要となってきた。

     

     私が眠れなくなったのは、妻が亡くなってからだ。「岬めぐり」の歌詞の中で、「僕はどうして生きていこう」とバスに乗った彼は青い海を眺めながら歌った。そんな気持ちが私も2年半も続いた。食欲もなく、生きる気力さえ薄れて、眠る体力も心の力もなくしていたのだろうと思う。

     

     配偶者を失った人はみんなそうだと思う。だから連れ合いの後を追うように亡くなっていった話をよく聞く。でも私は生きる気力を取り戻そうとしている。これは私の気持ちが強いからではない。おとうさん、生きていってと、妻が天国から手をふっている。そんな気がして。

  • 恋人は要らないけど 2021年02月25日

     2年余り前、妻の墓石と仏具を整えるために仏具店に行った。この夏が終わる頃、同じその仏具店から仕事の依頼があった。資料を持って行くと、受付の女性が私のことを覚えていてくれた。聞かれるから私の近況を説明した。彼女、「何食べてるの」 私、「暑いからソーメンが多いかな」 彼女「もっとしっかり食べなくちゃあもっと小さくなるよ」 嬉しかった。女性って、優しいなって思った。二度ほどしか会ったことないのに気遣ってくれる。

     

     1年ほど前に知り合った女性がいる。私の子供と言ってもおかしくない年齢だ。先日、その女性を誘って宍道湖一周のドライブを楽しんだ。車中、会話が弾む。私の言葉に答える彼女は歯切れがいい。そのジョークとタイミングは妻とのによく似てる。久し振りに女性との会話を楽しんだ。心に妻がいるから恋人は要らない。でも、女性の友達はたくさんほしい。

  • かすかに恋心 2021年02月22日

     良く晴れて暖かい。今年になってから一番の暖かい朝なのだろう。事務所前に散らばった木の葉っぱを掃く。暖かすぎる。ワイシャツの上に着ていたセーターを脱ぎ捨てた。インスタントコーヒーをすすりながら外を見る。東京の娘に似た、出勤のいつもの可愛い彼女を見た。今日はいい日になりそうな予感。

     

     2月22日。2の字が続く。どうしてだか、今日は猫の日らしい。朝から、猫グッズを集めた女性がテレビに登場していた。そして来月の3日、ひな祭りである。令和3年3月3日と3の字が続く。ちょうど定休日、岡山県の暖簾の町、勝山町に行こうと思っている。町に飾られた雛人形を見るために。その日は私の誕生日。

  • 春が来た 2021年02月20日

     春が来た。爽やかな太陽の光が空気を温め、その温まった空気に包まれていると心まで温かくなってくる。そんな朝の光が事務所奥深くまで差し込んでいてパソコンの画面を照らしている。立ち上げたパソコン画面は太陽の光の強さには及ばない。メールも読めやしない。もう少しゆっくりしようか。もう一杯コーヒー飲もうか。

     

     昨夜は久し振りに沖縄に住んでいる兄とふたりで飲んだ。昔話に花が咲いて、そして私の夢を語った。兄の経験も聞かしてくれた。夜遅くまで。そして一夜明け、良く晴れた朝を迎えた。太陽の光を眩しく感じながらホテルへと入っていく。すでに花嫁は玄関ロビーで私を待っていた。こんな爽やかな朝は、結婚式だったあの日の朝を思い出してしまう。

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