店主日記

  • 日本自閉症協会 2021年04月03日

     一般社団法人「日本自閉症協会」という組織がある。各都道府県に支部があって私は島根県支部に属している。支部の中にも地区単位の集会があって、松江市は「あじさいの会」と言う。妻は、その「あじさい通信」の編集者だった。妻が亡くなってからその通信は途絶えた。代わりに、メンバーが順番で近況報告をする。それを「ペンラリー」と名付けている。

     

    コバイモ

     

     その順番が私に回ってきた。障害を持つ本人、息子のことを中心に書いた。娘たちのことも書いた。私の趣味などのことも書いた。趣味の項では妻のことで締めくくった。今でも、妻 なくしては生きていけない私であることををあらためて確認したひと時だった。

  • 幻を見た 2021年03月31日

     昨日の午後、鳥取から松江駅に着いた長女と婿殿を尾道に送っていった。 ふたりにとって、尾道最後の夜である。車の中、当分会えないと思っていっぱい話した。泊まろうかどうしようかと迷っていたのだが、娘がホテルを予約してくれた。ガソリン代だよと言って宿泊費も払ってくれたので甘えることにした。三人での居酒屋の食事はえもいわれぬ美味しさである。元気でな・・・。

     

     今朝は、朝一での鍵渡しがあったのでホテルを5時に出発した。まだ明けやらぬ早朝、霧が立ち込めて尾道松江線は視界が悪い。慎重に車を走らせる。だが、風景は幻想的である。緊張の中に夢を見ているような、過去と現実が混在する心持ちの中、隣の席に幻を見た。・・・かあちゃん、素敵な風景だね。

  • 東京は遠いよな 2021年03月29日

     婿殿の転勤によって、長女が東京に行くことになった。最初この話を聞いた時、いいことだと喜んだ。いろいろな土地でいろいろな生活をする。いろいろな経験をすることは娘の人生にとって味わいができる。だからいいことだと喜んだのだが。

     

     尾道を去ってしまう直前になったら急に寂しくなってきた。尾道だったら、私の車の運転能力からするとちょろいもの。日帰りで十分余裕だったのに。いつでも会えるという安心があったのに、東京ではそうもいくまい。でも、引っ越し先は末娘の近くだそうだから、ま、我慢するか。

  • 2021年03月25日

     

    楠 4所帯入りのこの事務所の裏に相当に昔から植わっているだろうクスの木がある。幹回りは大人ひとりでは到底抱えられないほどの大きさだ。時に、雪の重みで枝が折れて落下することはあっても堂々として凛と佇むその姿は神々しくもある。

     

     だが、生への営みは当然のこと。常緑広葉樹だから落葉で丸裸になることはない。黄緑色の新しく芽吹いた葉と紅葉した古い葉とが混在する時期がある。今まさにその時に突入したところだ。年間で、一番生命活動が活発な時なのであろう。

     

     古い葉たちは落葉して春の爽やかな風と戯れる。戯れながら同じ方向へと仲良く移動していく。事務所裏から事務所横を通って事務所前までやって来ては私の事務所前に留まる。移動中の軍隊アリが獲物を見つけた時のように、と言うか私をあざ笑うように。そしてこれから私と彼ら達との長い長い1ヶ月間の格闘の物語が始まるのである。

     

     

  • 2021年03月22日

     長い間、桜の花を忘れていたような気がする。今朝、あ、桜の花が咲いていると久し振りに感じた。早朝に、車で松江市道から左折して公園墓地に入った。すぐに公園道路の両サイドに植わっている桜の木の花びらを見た。木のそれぞれの個体によって、開花の花びらの多さに違いがあるのはおもしろい。

     

     子供の頃、我が家の庭で花見の宴があった。父が、職場から借りてきた数個の裸電球を桜の木に吊るした。近所の人々達と、裸電球の明かりの下の筵の上で飲めや歌えの宴が始まった。木次町の、川土手の桜並木のトンネルをふたりで歩いた。家族みんなして、三刀屋町の川端の御衣黄桜の下で花見弁当を開いた。どれもこれも懐かしい思い出。今年は、いちばん懐かしい木次町の桜並木のトンネルを歩こうかな。

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