息子よ

2025年01月20日

 特に病気ということでもないが、余儀なくて自閉症という障がいを持つ息子が入院生活になって6年半になる。そのストレスのせいか、息子は自傷行為をするようになった。命に係わるからと、今手足と胴体をベルトで固定されている。会ってやりたいので、会いに行くのだが顔を見るのが辛い。

 

 息子が入院する6年半前のその日の前日、妻は突然倒れた。すぐに病院に運んだが助からないという医師の判断だった。血圧が上がってましたから。だから・・・。あくる日の早朝、呼吸が弱くなった。そして間もなく、静かに、静かに息を引き取って行った。辛すぎて、私は涙も出なかった。泣けるほどの余裕が出来たのは、49日が終わって、三瓶山に向かって車で走っている時だった。ハンドルを握りながら涙がこぼれてきて、頬を伝って服を濡らしていった。

 

 その頃から、妻の死は息子の入院に原因があると思うようになった。私はどうしてもっと、息子の入院を阻止する努力をしなかったのだろう。妻の死の責任は、私にも・・・そう思うようになった。大好きだった母に息子はもう会えない。そうしたのは私のせいなのかもしれない。息子に申し訳ないと思った。今不自由な生活をさせている私は何て無力なんだろう、そう思うようになった。

 

 今朝、発達障害支援センターの心理スタッフの方に会った。息子の状況を説明した。妻が月一のお便りを作っていた自閉症協会の松江分会に数か月前に久しぶりに顔を出してみた。息子のことを話して、そして紹介されたのが発達支援センターだった。市の、県の障がい者支援課でも、得るものはなかった。だけどなぎさ、必ず、必ず、息子が良い入所施設に入れるよう、努力する。息子が、平穏に暮らせるよう努力する。そして君の心も安らぐように。

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