放浪癖

2024年06月17日

 早朝、鹿島町にある古浦海水浴場を歩いた。開業した20年前当時、営業時間前によくキス釣りに来た。その後、福島原発事故のしばらくの後、この近くの島根原子力館に見学に来た。歩いていてふと、思い出した。高校1年のとき、同級生の女の子とふたりで自転車に乗って泳ぎに来たな、と。でもなぜ、今朝はここに来ようと思ったのだろう。強い思い出がある場所でもないのに。

 

古浦

 

カニ 天気は下り坂なのだろうか。空は薄い雲に覆われていた。今朝の海は静かだった。波はほとんどない。だから潮騒も聞こえない。誰もいない砂浜を歩いていて、何かに思いふけるのには良い環境だと思った。だが、何を思いふければいいのだろうか。思いふける材料が今は浮かばない。今こうしてここを歩いているのは、単なる私の悪癖、放浪癖なのだろうか。

 

 ここの砂浜の砂は色白の方だ。その砂の上をやはり色白の一匹の小さなカニが歩いていた。どこに行くのだろう、こんなに海水面と離れているのに。しかも一匹で。しゃがんでカメラを向けたら身構えた。お、お前も案外、シャイなんだ。俺と一緒だな。お前もあるのかい、放浪癖が。

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