だんだん

2023年04月12日

 久し振りだ。いつから来ていなかったのだろう、と思い返してみた。

 

 ある年の正月元旦早々の早朝のまだ暗いうちにやって来た。妻も、子供たちもまだ眠っていた。寝正月と決め込んでまだ眠っていた。いや、案外妻は気が付いていたのかもしれない。だけど、時々変なことするやつと知っていたから、だから気にかけていなかっただけなのかもしれない。

 

松江城

 

 今日の松江城は人影少なく、天気は薄曇り。散策には持って来いの条件だと思った。階段をゆっくり上った。最初、興雲閣に入ってみた。以前来た時より整然としてきれいに見えた。コーヒーショップがあったけどスルー。今日はそんな気持ちになれない。

 

 そして天守閣もスルー。周りから見上げるだけ。ゆるりゆるりと馬洗い池に下りた。そして二の丸に続く道を歩いた。大木が所々に伐採が施されていて、天守閣がよく見えて良かった。そう言えば初めてだ、この場所からこんな風景を見るのは。国宝、松江城の天守閣があらゆる方向からよく見える。そして、ひとりで歩くのはこんなにも静かなものなのかと思い知らされた。

 

 今日は朝から誰とも口をきいていない。いつも行く花屋さんのお嬢さんと一言二言。二言目は「だんだん」だった。以前、あるおばあさんがあの花屋さんで私がだんだんと言ったら、久し振りに聞いたわと言った。私はあえてよく使う。ありがとうと言う方言を。コンビニでも、だんだんと言って帰って行く。

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