連休二日目

2025年06月11日

名もない花 ほんの時々、人が言う。景山さんって、優しいねって。そう言えば、そんなところがあるかもしれない。夜間高校で生活するのに10歳台半ばから苦労し、自閉症の息子を育てるのに疲れて、52歳で脳梗塞に倒れ、そして懸命に不動産業を頑張った。やっとこれから楽しい人生がと、そう思った刹那、妻が突然逝ってしまった。と思ったらコロナ不景気。苦しきことのみ大かりき。だから、人の辛さは痛いほどわかる。無下にはできやしない。

 

 ベッドに身体拘束された息子を見るのは辛い。けど会いたい。面会が終わって、コンビニでサンドイッチを買って三瓶山に向かった。西の原でいつものように食事しながら文庫本を読んだ。ふと見れば、足を置いた縁石とアスファルトの隙間から可愛い花が3株。なんて名なんだろう。そして昨日と同じことを思った。穏やかな人生のはずなのに、どうしてひとりぼっちを悲しむんだろう。だけど、楽しかった妻との生活の、数々の思い出があるんだよ。その思い出がある分、俺は幸せなんだよ。

 

 一日経った12日、この花の名を調べた。ワルナスビという外来種で日本名だそうだ。こんな字を書く。「悪茄子」。可愛い花をつけるが、繁殖力は逞しい。百害あって一利無しなのだそうだ。要注意外来生物に指定されている。

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