あざみの歌

2025年06月01日

アザミ 墓参を終わって車に乗って少し走ったところにアザミの花を見つけた。アザミを見ると、倍賞千恵子氏が歌う「あざみの歌」を思い出す。良い歌だと思う。確かに、高嶺の百合に比べたら美しさに見劣りがする。だけど私はアザミの花に人生を感じる。味わいがあって好きだ。

 

 妻が他界して、その一周忌を待って長女が結婚して広島県の尾道市に行った。何日もせぬうち、末娘が突然東京で暮らすと言い始めた。東京での暮らしのこと、住まいのこと、いろいろ気になったが何もかもすっかり準備できているとのこと。そうだなと思った。私に束縛されることはない。生きたいように生きたらいい、そう思った

 

 末娘が東京に行ってからすっかり寂しくなってしまった。心配でもあった。すると、昔聴いたことがあるさだまさし氏が歌う「案山子」を聴きたくなった。Youtubで何度も何度も聴いた。聴くうち、彼が津和野城址でイメージした歌らしいことを知った。行きたくなった。どうしても行きたくて、リフトに一人乗った。津和野城址の、町を一望する石垣の片隅にアザミの花は佇んでいた。あれから6年。寂しさにも少しは慣れたかもしれない。

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