海…日本海

2024年10月10日

日本海 妻の墓石の隣の隣に、時々出会う女性のご主人の墓石がある。彼女私よりふたつ年上らしい。その方、車には乗らなくなった。盆の日に、毎日は来れないだろうと、彼女が供えた墓石の花に2回ほど水を足してあげた。昨日出会った時、水を足してくれたのはあの人じゃないって娘が言うから、と。

 

 鳥取市のあるギャラリーで、兵庫県の温泉町のある寒村を写した写真展があることを知った。遠いけど、鳥取なら行きたいなと思った。妻とのデートの場所だったから、と思った。墓参の後、向かった。淀江で山陰道を下りて国道9号線を走った。山陰道の完成で国道はめっきりと車が少なくなった。走り良くなった。やがて左手に日本海が見えてきた。

 

 天気は良いが、海は荒れていた。風が運んだ海水のしぶきがフロントガラスを曇らせた。この道、君との兵庫県への里帰りによく走ったよなと、助手席の妻の遺影に話しかけた。そうだね、と返事が返ってきた。息子が助手席で、私とふたりの娘は後部座席だったね。あの時のホライゾン、かっこよかったね。あの車でよくキャンプに出かけたねと話しかけてきた。

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