嬉しい日

2024年09月15日

 女性が、こんにちわと事務所にやって来た。いらっしゃいませと言ったら、「E子の娘です」と言う。松江工業高校で、高校生の息子のバレーボールの練習試合があってやって来たと言う。会場のこんな近くにいらっしゃったんですねと言う。めったに会う子でもなかったのに、顔など覚えるはずもなし。最後に会ったのは、5年前、姉を訪ねて兵庫県に行った時だ。そう、彼女私の姪っ子なのだ。

 

 私の兄姉は3人いて、長男は7年前に亡くなった。次男は沖縄に住んでいる。そして姉は兵庫県だ。めったに会える近さじゃあない。それに、私の長男は重度の自閉症を持って生まれた。私自身、大病で会社を首になった。ずぶの素人の私が懸命に不動産業を立ち上げた。これから人生楽しくなると思った矢先、早くに妻を失った。そんな私は心忙しなく、兄姉とも疎遠になっていた。妻の死を知らせないほど、疎遠になっていた。

 

 そんな中、兵庫県に住む私の姉の姪っ子がひょっこりと事務所を訪ねてきてくれた。30分ほど話した時だろうか、電話が鳴った。アパート案内が入ったのである。残念だけど、ごめんねと言って別れた。せっかく疎遠な私を訪ねてきてくれたのに申し訳なかった。だけど、嬉しかった。身内の人の心の温かさを感じた今日のひと時だった。

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